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挿絵(By みてみん)

 

 十一年前の春、その日――

 私は燃え盛る炎の傍らで、自身の無力にただ打ちひしがれていた。


 大きな商業施設を丸ごと飲み込む巨大な赤は……可愛いぬいぐるみも綺麗な洋服も――

 人間も、何もかもを呑み込み十名の尊い命をも呑み込んだ。


「その日商業施設を襲った火災は未曾有(ミゾウ)の被害を生み出した」


 それは“私”と、姉と、親友の運命さえも呑み込むように、全てを焼き尽くした。


「――ここに一人居たぞ!」

「まだ息はある」

「君、自分の名前は言える?」


 混濁(コンダク)する意識に割り込むように、大人の声が脳を揺さぶる。


 ――私の名前?


 私は――


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