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74 贈答と援助

楽しんで頂ければ幸いです。

1575年 二階堂 ~須賀川城~


伊達輝宗殿は俺への相談のとおり織田へ絹織物と鷹を送ったらしい。

織田は宿敵である一向宗の拠点である長島を数万の大軍で制圧し、その権威は既に畿内から追放した将軍を超えている。

織田政権が固まる前に陸奥の大名として織田と結んでおかねばならない。

その流れを更に押し進めるために、俺は織田への軍事援助を行う。


「父上、本当にこれだけの硝石を織田へ譲っても良いのですか?」

当主となった盛義が一対一で俺に尋ねる。

俺は二階堂の織田支持を明確にするため、硝石を安価で織田へ売るつもりなのだ。

それは俺が知る史実の流れからすれば織田・徳川は武田を攻める戦い、そう、長篠の戦いのためだ。


「良いのだ。大量の鉄砲を戦で使おうとしている織田は多量な硝石を必要としている。陸奥において二階堂が親織田の有力大名となるために十分な実績となる」

「しかし、これ程の煙硝を織田へ譲ったならば我が鉄砲隊の備蓄もそれほど残らないのでは?」

「確かにこれまでの生産方法では多くの硝石を作ることは困難だった。そのため備蓄はそれほど多くない。だが、南蛮から伝わった方法を研究させた結果、つい最近だが大量の硝石を生産する方法に成功したのじゃ」


国内の硝石生産は『古土法』が主流であるが、俺は18世紀に海外で行われた大量生産が可能な『硝石丘法』を秘かに再現したのだ。

この方法は俺があるマンガで見た事がある知識が発端であり、詳しい製法が不明だったため長年研究だけを続けていたが、最近やっと製法を確立する事が出来た。

動物の糞や死骸を数年堆積させたものを精製するこの方法は、印字の普及により狩猟が盛んで、運搬用の牛や馬を数多く飼育していた我が領に適合するものだった。


他にも蚕の糞や窒素を多く含む植物などを利用した『培養法』と言う製法があるが、この情報は養蚕が盛んな伊達により有効な方法だろう。

ただし、これを教えると急激に戦力アップしそうなので完全に味方と判断出来ないうちは教えられないな。

もしも将来、問答無用で織田政権が奥羽を蹂躙しようとするならば対抗するために教えてもいい。

まあ、そうならない様に動くけどね。


「まずは明智殿を通じて信長殿へ硝石の提供を打診するのじゃ。そうそう、羽柴殿には鉄砲を数多く手に入れるよう知らせておくのも忘れてはいかんぞ?場合によっては購入を助けても構わん。よいな?」

「畏まりました。父上の指示通り使いを出しましょう。さて、これだけの援助をすれば織田がどの様な見返りをよこすのか楽しみでございますな」

「ふふふ、あまり大層なものは遠慮したいが朝廷から官位ぐらいは貰ってくれるのではないか?」

「「はははっ」」


読んで頂きありがとうございます。

(注)この物語はパラレルワールドでありフィクションです。

   史実や現実と異なる設定ですのでご注意ください。

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