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35 天文の乱7

楽しんでいただければ幸いです。

1546年夏 二階堂氏 ~須賀川城~



田村氏を支配下に治め、少しだけ状況に余裕がでた俺は再度幕府への工作をする。

問題は京へ誰を派遣するかなのだが・・・。

「父上、上洛して幕閣との交渉をお願いします」

「お前もひどい奴じゃのう。父を隠居させた上に、追放にでもするつもりで京へ送るとは。そうは思わぬか行有?」

「はい、照行様は本当に人使いが荒い方です。使える人材は徹底的に使いますから。更にはその成果をよく褒めるので余計に頑張ってしまうのですよね」

何だか俺がディスられている。

仕方ないじゃん、だって近くに使える人材が少ないんだもん。


ちなみに強制隠居&追放ルートは甲斐の武田氏が既にやってます。

少し前に晴信が父信虎を家臣と一緒に今川へ追放しましたからね。

伊達氏もこれぐらい上手くやれれば良かったんでしょうけど。

ただし、信虎は隠居生活を以外にも満喫したらしく、武田氏から今川氏経由で隠居料を貰って京辺りで遊んでたらしいですよ。


「父上の様な素晴らしい人材をそのままにしておくなんて勿体ない。京辺りで売れそうな物産も集めておきましたから高値で売って資金にしてください」

「ほれ、儂に商人の真似事までさせるつもりじゃ。はぁ、仕方がないのう、京見物でもしに参るか」

畿内で高く売れそうな絹織物は食料と交換で晴宗殿より仕入れることが出来た。

高級食材の干しシイタケもたくさん用意したかったが、人工栽培はおぼろげな知識しかないため現時点で成功しておらず、天然物を領内から集めていた。


なお、硬質石鹸はエゴマ油の生産が伸びているがやっと支配階層の需要を満たす量を作れている程度だ。

このため上洛の際には主に贈答用として羽毛布団と一緒に持って行って貰うつもりでいる。

天文の乱が終結させるためには幕府への事前交渉が必要だと考えており、交渉を有利に進めるために使うつもりだ。

乱の後は本格的に交易を拡大して二階堂領を豊かにしたいと考えている。

領内の発展を考えると、現在の状況では増産に限界があるので、開墾と品種改良が進むまで二階堂は交易で稼ぐ必要があるのだ。


幕府への工作だが、俺としては史実と同じで将軍から仲裁して貰い稙宗様を隠居させるつもりだ。

これは事前に晴宗殿へも伝えており、信用されているのか幕府への交渉もある程度任されている。

「もう一つお願いが。石川晴光殿が上洛して将軍へ謁見したいとおっしゃっていたので連れて行って上げてください」

「あの小僧の面倒まで見なくてはならんのか。本当にひどい奴じゃ」

今回は運ぶ物も多いので岩城から船で京へ向かうことになる。

石川氏は岩城へ行く途中だから恩を売るために拾っていってあげて欲しい。

出来れば畿内から技術者も連れてきて欲しいなぁ。



1546年秋 二階堂氏 ~須賀川城~



二階堂へ古河公方に仕官していた一族の者が助けを求めてやって来た。

そうか『河越夜戦かわごえよいくさ』で北条氏が勝ったからか。

この者達は古川公方の足利晴氏殿に官僚として仕えていたのだが、北条氏と戦った山内上杉氏、扇谷上杉氏、古河公方の連合が大敗して組織が崩壊したため、南奥州で知られつつある須賀川の二階堂を頼って来たらしい。


河越夜戦は戦国時代でも有名な奇襲作戦で、北条方約1万が連合方約8万を打ち破った戦いだ。

これから関東に覇を唱える北条氏には注目している。

当主の氏康殿は年代が近いとは言え、既に有力大名として名をはせている。

北条氏は内政外交の両面で手本となるような存在なので是非ともお近づきになりたい。


今回は河越夜戦の様子を聞いただけだが、周辺が落ち着いて畿内と交易出来る様になれば途中の北条氏へお宅訪問なんてのもいいな。

戦略的な意味でも北進する佐竹氏を牽制する為に、北条氏と誼を結んでおくことは将来において意味がある。

とりあえず一族の者達は戦には加わっていないとのことなので見逃されたようだったから、うちの官僚系家臣団に加えることにした。

古河公方足利氏の縁者付きとか言う変なフラグも無くて良かったよ本当に。


問題は寝返りを受けた稙宗様方がどう出て来るか。

来年にはこちらへ軍を送ってくるだろうな。

それじゃあ蘆名氏と稙宗方の軍勢を迎え撃つ準備でもしますかね。


読んでいただきありがとうございます。

評価者数が150人、ブックマークも1500件を超えました。

読者の皆様へ感謝申し上げます。

なお、暫定的でも評価お待ちしてます。

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