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1536年3月上旬 伊達氏 ~西山城~



「中目殿、義直殿の様子はどうじゃな」

「はい稙宗殿、大崎領より戦況が芳しくない旨が報告されておりますから苛立ちを隠せないようです」

「そうか、とは言っても伊達でも一昨年に岩城氏や白河結城氏と戦をしたばかりで兵達も疲れておる。すぐに出陣するのは難しい」

「分かっております。義直殿へは私からよく伝えさせていただきます」

「頼みましたぞ中目殿」



「父上、戦の準備は既に整っているのに大崎をまだ助けないつもりですね」

「そうじゃ晴宗、大崎氏には今少し混乱してもらう。小僧丸の敵を炙り出して叩き潰さねばならん」

「義直殿の後を考えれば、今のうちに手を打っておかねばなりませんね」

「ここで大崎氏に対する伊達氏の影響力を大きなものにしておくのだ」




1536年3月中旬 二階堂氏 ~西山城~



おお、やっと着いたぞ伊達氏の居城西山城。

でも思ったほどは遠くなかったな。まだ同じ県内だからかな。

伊達氏の先祖は源頼朝の奥州征伐で福島県北部の伊達郡を貰って伊達氏を名乗ったらしく、300年近くは伊達郡の梁川城を本拠地としていたが、稙宗殿が体制強化のために1532年に西山城へ本拠を移した。

秀吉の奥州仕置(領土の配置換え)により大崎氏の岩出山城に移るまで伊達氏は西山城にいたはずだ。

もちろんこの時点でも北進して宮城県南部の一部も領地化しているけどね。


俺は城下で衣服を整えると行有と供に城へ出向き、稙宗殿へのお目通りを願い出たところ、運よく当日の内に面会がかなった。

「よう参ったな照行殿」

「お忙しいところお目通りいただきまして感謝いたします」

「そう硬くならずともよい。照行殿は儂の婿になるのだ、ゆっくりしていくがよい」

「ありがとうございます。まつ姫や姑殿へも後ほどご挨拶させていただきます」


「なに、戦まで時間はまだたっぷりある。すまんが、なかなか大崎氏へ出す兵の準備が整わなくての」

「・・・そうでございますか。それではお言葉に甘えて兵達も休ませていただきます」

「それがよい。照行殿が率いる二階堂氏の働き、楽しみにしておるぞ」

「はっ」


戦に遅れないように急い兵達を率いて来たが、どうも雲行きがあやしいようだ。

用意周到の稙宗殿が準備不足である訳がない。大崎氏を徹底的に疲弊させる気か。

「行有、どうも戦までは間がありそうだ。それまでは許可を得て周辺の山野で兵の調練を行うぞ」

「分かりました。それでは、追加の兵糧を送るよう伝令を出しておきます」

「頼むぞ」

言わなくても理解してくれるって有難い。優秀な部下を持っている俺は幸せ者だ。


もちろん、この後で姫達にご挨拶へ伺いました。

お土産はとっても喜ばれたから二階堂へいい印象が残ったと思いたい。

まつ姫はとても可愛くて将来が楽しみな感じでした。お姑さんの下館の方も美人だから間違いないね。

西山城逗留中に伊達氏内の好感度アップを目指すのだ!

読んでいただきありがとうございます。

次回は大崎内乱へ戻ります。

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