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10 大崎氏の内乱2

楽しんでいただければ幸いです。

1536年2月 伊達氏 ~西山城~ 



「父上、先ほど大崎氏より使者が参ったとか」

「そうじゃ、大崎氏の中目殿より義直殿への申し入れが通ったとのことだ」

「狙い通りでございますね。中目殿も義直殿では大崎氏が持たないとの思いから、先だっての葛西氏との仲介より密かに誼を通じておりますからな」

「中目殿へは大崎氏を潰すことはないと約束しておる。大崎氏にはもう少し苦労して貰おうかの」

「大崎氏へ入った小僧丸の事が心配です。小僧丸だけでも早めに安全な場所へ逃れさせていただきたい」

「わかっておる。我が子である事はもちろん、大崎氏の家督でもあるからには必ずや守り通すつもりじゃ」


「・・・そう言えば二階堂氏より使者が参っていると効きましたが、輿入れの件でございましょうか」

「はて、そちらは大方纏まったと聞いているが・・・」




△△△△△




1535年 二階堂氏 ~須賀川城~


二階堂の現状は、伊達氏から嫁を貰うことが決まり、前回の戦で局地的とは言え活躍した印地隊の方も増員の編成が順調に進んでいる。

いい流れではあるが、将来の事を考えるともうひと押し、ふた押し欲しいところだ。

個人的に稙宗殿や晴宗殿と係わり、誼を通じておきたいと考えている。

これは、数年後に訪れるであろう伊達氏の内乱(天文の乱)に対応するためだ。


父子が伊達氏の政策をめぐって争い、奥州の大名の多くを巻き込んで行われたこの戦で、伊達氏は大きくその影響力を減じてしまい、最上氏や蘆名氏などの台頭を許してしまう。

史実では二階堂も稙宗方から晴宗方へ寝返り、領地を何とか確保したらしいが、このままでは史実と変わらずに二階堂が没落して行く道筋しか見えない。

それで伊達氏へもう一手布石を打っておくために大崎氏の内乱を利用したい。


大崎氏の内乱は昨年に始まり終息に向かっている様に見えるが、首謀者の新田氏は未だに逃亡中らしい。

それならば今後も大崎氏領内の混乱は収まらないので、史実どおりいけば大崎氏が伊達氏へ内乱鎮圧のための救援を求めるはずだ。

俺はこの救援に便乗して伊達氏の軍へ陣借りの名目で同行させてもらい、戦の様子を見ると同時に二人へ接近するつもりなのだ。

そうと決まれば行有に大崎領に向かう遠征へ同行する者達の選抜と編成を頼まねばならない。

父上にも大崎領への出陣の許可を得なくてはな。


あ、言い忘れてたけど未来の嫁の顔も見に行きたい!

贈り物を持ってご機嫌伺に行くのだ。

結婚前から俺の印象アップをしておけば仲良くなれるはずだ。

ついでにお姑さんや稙宗殿の正室である泰心院様へもお土産は持って行く。

根回しは後を引くので細かなところで手を抜いてはいけないのだ。


読んでいただきありがとうございます。

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