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01 プロローグ

少しでも楽しんでいただければ幸いです。

「殿、天下統一おめでとうございます」

 「「おめでとうございます」」

100畳はあろうかという大広間に揃った家臣達が一斉に頭を下げる。

俺は小さく頷き座っている上段の間から家臣達を見渡した。

達成感と高揚感が心地よく俺を包んでいる。



そして、この瞬間に城内の雰囲気とは合わないファンファーレがどこからともなく流れてくる。

更に目の前の空間にはエンドロールが次々と降りて来ていた。

お馴染みのメーカーなので見たことがある人も多い。



「やっと達成か」

俺はVRのゴーグルと一体型のヘッドホンを外して安堵した。

天下統一を果たし、とうとうゲームをクリアしたのだ。

そのゲームとは歴史シミュレーションの大御所『〇〇の野望』である。

学生時代から歴史とゲームという大好物の組み合わせに心惹かれ、シリーズ歴代のゲームを続け〇十年と長い付き合いだ。



このシリーズではネットワークで対戦型を楽しむ者も多いが、仕事で纏まった時間が取りにくい俺のような人間には短時間でもプレーできる個人用VRシミュレーションが最適だった。

それにこのゲームは難易度設定が可能であるため、当初はノーマルモードでクリアし、慣れたところでハードモードに挑むのがいつものパターンとなっている。

そして、メイン武将でハードモードクリア後は、地元武将である二階堂氏での天下統一が俺の最終目標となっている。



そう、変顔でなぜか昔から認知されている『二階堂にかいどう 盛善もりよし』の二階堂氏である。

周辺の伊達氏や蘆名あしな氏に圧迫され、最終的には伊達氏に滅ぼされたために歴史上は埋没してしまうモブ武将だが地元の人間としては多少思い入れもあるのだ。

どうしてもゲームの印象(主に画像)と主家滅亡という最後から残念な印象を受けるが、二階堂氏はほんの少しの違いで戦国期に足跡を残す武将となっていたのではないかと考えてもいる。



そもそも、二階堂氏は盛善の祖父である二階堂 晴行はるゆきが第12代将軍・足利義晴あしかがよしはるから諱の『晴』を授与され、父の照行も第13代将軍・足利 義輝よしてるから諱を賜る(一時『輝行』と名乗る)など、奥州の弱小武将でありながら鎌倉以来より幕府と繋がりを持つ官僚的な家だった。

また、遠交近攻の策として晴行は伊達家と結んで白河結城家と戦い、領地を拡大するとともに嫡男の照行てるゆき伊達だて 稙宗たねむねの娘を娶っており、盛善も伊達 晴宗はるむね(政宗の祖父)の娘を正室として娶るなど伊達氏と繋がりを持ちながら近隣の田村氏や白河結城氏らと領土を争っていた。



このため、シリーズ当初はパラメーターが酷いことになっていた二階堂氏だが、徐々に『知略』や『政治』が伸びてきて、最近では一般モブ武将と同等までパラメーターが回復?しているのだ。

おかげで二階堂氏による天下統一の難易度が下がると思っていたが、同時にその他武将や設定条件が多くなっているため、より頭を使う必要に迫られて苦労するのはご愛敬だろう。



さて、メイン武将の〇〇氏でハードモードもクリアしたし、明日からは練習のつもりで二階堂氏をイージーモードで始めよう。

戦国時代のいつから、どんな計略で周辺大名を駆逐するかを頭の中で思い描きながら、俺はベッドに横たわった。


読んでいただきありがとうございます。

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