表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神に祝福されし者(仮)  作者: ナトセ
第1章
8/23

第八話 約束事

さて、簡単な現状把握と今後の基盤となる方針は決定した。

決定したとは言っても〈今はとりあえずここで生きていく〉なんていう行き当たりばったりな方針である。

考えることを放棄したともいえる。

(だって考えても何も出てこない結果が見えてきたんだもん!)

なんて心の中で思ってしまった自分を戒めたい。

というかボクにこんなキャラは似合わない。

はっきり言って気持ち悪いだけである。


さてそろそろ休憩を終わりにして人の集まる場所を探したいのだがもう一つだけ考えなければならないことがあった。

ルーナに今気づいたことを伝えるかどうかである。

このことを伝えるか否かによって今後の状況が少しずつ変わってくる。

ルーナにボクが異世界から迷い込んだことを伝えないとする。

ボクはこの世界での常識的なことを何も知らない。

そのためそのことについての設定を考えなくてはいけなくなる。

その後常にその設定に基づいて行動しなくてはならないわけだがそれは流石に厳しすぎる。

まあ最初はごまかすこともできるだろうが後々にボロが出る可能性が高い。

逆にルーナに伝えるとするとどうだろう。

以前読んだ本に異世界を旅をする物語がいくつかあった。

それによるともし異世界から来たことがばれるとすると主人公に様々な立場の変化が訪れる。

変わらないものも当然ある。しかし大抵は、権力者から勇者などと呼ばれ国のために戦わされたり、逆方面だと災厄扱いで指名手配なんてのも可能性としては考えられる。

ならば伝えるとすればルーナ自身に広めさせないと言質を取る必要がある。

さてこの二つを比較するわけだが、今後のリスクや手間を考えると伝える方がいろいろと得がある気がしてくる。

まず、きっちり口外しないと言質を取っておけば、うっかり漏らされたとき以外は危険性は少ない。

次に事前に話しておけばルーナがある程度の常識を次の目的地までに教えてくれるかもしれない。

最後にその情報によってボクの今後の身の振り方などの方針が見えてくるかもしれない。

そう考えると少々デメリットはあるかもしれないがそれに比べてメリットが大きい。

(よし、なら早速伝えることにしよう。)

そう決意しルーナに視線を向け口を開く。


「ルー、ちょっといいかい?」


「うん? 何々?」


「ボクがルーのご主人様にな「なってくれるのっ‼」ちょっと落ち着いて。その話なんだけどもしボクがそうなったらボクは何をすればいいの?」


「う~ん。特に何もしなくていいよ。ルゥが勝手にユウについていけば強くなれるって思ったからと、ルゥ自身がユウの従者になりたいって思っただけだから。できればだけどまだまだなところがあったら指摘したり、どうすればよくなるか教えてくれればいいかな。」


(なるほど、それならいいか。主従の関係になっておけばいろいろ融通が利くようになるかもしれない。

当面はボクの着た所だけ口止めしておけばいいか。)


「よし、ならボクはルーのご主人様になってもいいよ。」


「本当っ‼ やった~~「ただし!」うぇ?」


「ボクの従者としていくつか絶対に守ってほしいことがある。」


「何々?」


「それは、ボクは出自が少し特殊なんだ。それについて話させてもらうんだけど、そのことは絶対に他人に言ってはいけないこと。もしうっかり言ってしまったらボクに必ず話すこと。まずはこんなところかな?また長く一緒にいるうちに増えていくかもしれないけどどうかな?」


これは言葉にした通り最低限の約束事である。

これらさえ守られていればこの世界での異世界人の扱いがどんな状況でも、面倒事に巻き込まれることは格段に減る。

そのためボクは自分の事をルーに説明する前にこの約束を取り付けておきたいのである。

さて、この約束事を聞いたルーの反応はというと・・・。


「・・・・・? うん!それくらいならいいよ。別に困ることもないし、ルゥはそれなりに口は堅いよ。」


ポカンとした後、すぐに理解できたのかうなづいてくれる。

というかルー、自分でそれなりにとか言っていると本当なのか少しだけ不安になるからはっきりしてほしい。


とまあ少しルーの言葉に不安はあるが信頼を寄せることにしてルーにボクの事を話そうと決意する。

そして順を追って話していく、森で目覚めたこと、森の中で起きたこと、ルーへの質問の答えから今の状況が少しだけ見えてきたことを。

その間ルーは、不思議そうな顔をしながらボクの話を黙々と聞いていた。


そして十数分後、こっちに来てからの全ての話を終えた。

次にボクはルーとの約束事の再確認と主従関係について話を進めていく。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ