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神に祝福されし者(仮)  作者: ナトセ
第1章
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第五話 このドラゴンどうしよう?

ボクの視線の先にドラゴンが倒れている。

倒れた際に既にこちらを襲ってきそうな気配はなかったので警戒を解いていた。

だが、このまま放置してこの場を離れてしまうとどうなるかわからない。


ドラゴンは、敵意はなくてもまだ生きている。

時間をおいて体力などが回復したときにまた襲ってくるかもしれない。

そのとき、もしボクが町などにいるところにいれば、その場所の受ける被害や人の犠牲が出るかもしれない。

仮定が多いがないとも言えない事態ばかりだ。

だったら今ここで対処しておくのがいいかもしれない。


そうなると対処の仕方は二つ。


この場でこのドラゴンを殺すか、二度と逆らえないように格上であるということをわからせるかである。

だが殺すとなると装備が足りない。

そもそも一時的に戦闘不能にするのにかなり苦戦したというのにどうやって殺すというのか・・・。

格上であるとわからせるには森の中でも使った威圧を使えばいい。

だがしかし、これをやると三分の一の確率で懐いてしまうのだ。

現在見知らぬ場所にいるというのに、もしこいつが懐いてボクの後についてくるようになったら、人に出会ったとき警戒され何もわからず過ごすことになる可能性もある。

最悪出会った人から攻撃されてしまうということもありうる。


まあ殺すことができない以上、放置するか後者の方法かの二択しかない。

そうなると最初の理由と、今後もうこんな面倒なことをしたくないという理由で逆らえないようにするしかない。


そう考えボクはドラゴンに歩み寄っていく。

ボクが近づいて行ってもドラゴンは気絶でもしているのか全く動かなかった。

ある程度近づいていくとドラゴンは気絶しているのではないと分かった。。

威圧をしながら近づいていくにつれ徐々にドラゴンの全身がこわばっていくのが見てとれたからだ。

そして、ドラゴンに二メートルほど近づくとドラゴンが一度首を上げ、その後かしづくように頭を垂れた。


「・・・・・。」


ボクは一瞬思考が止まった。

なぜならこの現象に過去出会ったことがあるからだ。

ドラゴンでこの現象は見たことない。(そもそもドラゴンと出会ったのは今回が初である。)

しかし、威圧が使えるようになってから犬、猫はもちろん、蛇、熊、虎と様々な動物がこんな状態になったことはある。

これはボクが動物に威圧をすれば3分の1でその可能性がある。

だからしょうがないものではある。

これが平時ならではあるが。

だが現在の状況では少々望ましくない展開でもあった。


このドラゴンは、今の威圧と先ほどの戦いで上下関係を悟り、ボクを主として認めたのである。

要は「このドラゴンはボクに極度になついてしまった。」ということだ。

本当にコレどうしよう・・・・。



一瞬の思考停止状態から帰ってくる。

そしてボクはまた考えた。

このドラゴンをどうするかを。


ボクは森を抜けたら現在の状況を詳しく理解するため、人や人の集まる場所を探そうと思っていた。

今の状況を知るためには完全に情報の量が足りていないからである。

情報は真偽の選別は必要ではあるが多ければ多いほど良い。

そして情報を得るには第一に相手に警戒されないことだとボクは教わった。

まあ情報収集は全くやったことがないので机上の空論ともいえるが。

さて、情報を集める際にドラゴンを引き連れていったら相手方はどう思うだろう。

当然逃げだすか、警戒されるだろう。

(一部平然としている人もいそうだが・・・)

そうなるとボクの知りたい情報が聞き出せなくなるかもしれない。

それは避けなくてはならない。

全く知らないところで行動するのはかなり危険である。

しかし少なくても自分のいるところの情報がわかれば、最低限の危険は回避できるだろう。

やはりドラゴンをどうにかしなければならない。

案としてはボクの後をついてこないように躾けるか、ついてきても人の近くには来ないように躾けるかである。

始末するという方法もあったのだが、それができれば威圧するなんて選択はしていない。

どうすれば後に面倒がなく片付けることができるだろうか・・・・・。


ボクがドラゴンをどうするかについて思考を開始して十数分。


ボクとドラゴンは先ほどの状態とほとんど変わらずにいた。

このままどちらも動かなければ何も変わらないだろうという状況である。

しかしここでついに片方に変化が現れようとしていた。

ドラゴンの体が徐々に光を放っているように見えたのだ。

ボクは思考を中断し少し警戒しながら様子を見る。

通常時なら最大限に警戒し戦闘態勢に入るのだがボクはそうしなかった。

光を放つドラゴンから全くと言っていいほど敵意や殺気を感じられなかったからである。

光はドラゴンの全身を包んでいき、眼を開けていられないほどに光が強くなる。

ボクは思わず目をつぶる。

数秒の間その光が続いたのち光がだんだんと収まってくる。

それに合わせボクは目をそっと開けていく。

だがそれでもドラゴンの放った光の明るさと周囲の明るさは差があった為か、まだ目が慣れていかなかった。


しばらくして視界が正常に戻った。


そこでボクの見たものは・・・・・・。

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