第十四話 魔力操作
今回も書いていたらいつの間にか5000字超えていました。
読み苦しい部分も多々あるかもしれませんが、最後まで読んでいただきたいです。
そのうえで感想などもお待ちしております。
盗賊のリーダー(尋問した男)はことの顛末(ボクの予想ではあったが)を聞きうなだれていた。
そして他の男たちも依頼が成功しても失敗しても自分たちが殺されていたことに対し何とも複雑そうな顔をしていた。
ボクはこの男たちを横目に見て、口を開く。
「ちょっと席をはずします。もし逃げようと思ったり何か不穏なことを考えていたらどうなるか・・・わかっていますね?」
と最後の一言に合わせ威圧を人間が耐えられる最大限で放つ。
そして盗賊たちが震えあがるのを確認したのちとあることを思い出す。
「ああ、そこのリーダーさん。あの少女の首輪って簡単に外せますか?」
「・・・あ? ああ、話じゃあれには命令を聞かせるための一つの魔術しかかかっていないらしい。何でも後から新しい首輪をかけなおすんだと。」
盗賊のリーダーは先程の事がよほどショックだったのか素直に答えてくれた。
いや、もしかして聞く前の威圧の方かな?
まあどちらにしろ簡単に聞けたのでよしということにしよう。
「それを聞けて安心しました。では改めて少し外しますね。」
ボクはそう言って岩の陰に隠れたルー達のところへ向かう。
尋問が始まってほんの数分ほどだったが二人ともボクの言うことをしっかりと守っていたようで岩の陰からほとんど動いていなかった。
というより二人で軽く話をしていたようだ。
ボクは二人の隠れている岩に近づきに声をかける。
「二人とももう出てきて大丈夫だよ。」
ボクがそういうとルーは勢いよくボクの方に飛び出してくる。
ボクは一瞬構えようとしたがルーはそのままの体勢でボクに抱き着いてきた。
「ユウ~。ルゥ達ユウの言ったことしっかり守ってたよぉ~。あとねぇコロナとも少し話すことができたよぉ。」
「おお、それはお手柄だよルー。その娘コロナっていうんだね。」
ボクはそう言いルーの頭を優しく撫でてやる。
でもまあ、その話題の本人は少し警戒しているのか岩の陰から顔を出しては引っ込めたりしている。
一応気配を探ってみたが本人からは闘っていた時の不穏な気配は感じられない。
ついでに周りの気配も探り盗賊たち以外誰もいないことを確認する。
盗賊たちもその場から一歩も動いていないようで、よほど先程の出来事と威圧が効いたらしい。
さて、ルーが飛び込んできたことで本題から少しそれそうになってしまった。
話を戻して、まずはお互いの自己紹介とコロナの首輪を外すことかな?
なんて考えをルーの頭を撫でながらしていくとボクはコロナの方を向いて口を開いた。
「さてルーの頭を撫でながらで悪いけど自己紹介をさせてもらうよ。ボクはカミシロ・ユウって言うんだ。ユウって呼んでね。君はコロナでいいんだよね?」
コロナはボクの自己紹介に対して少し戸惑った後、岩の陰から出てきてくれる。
ルーと一緒にいる間やボク前にしてもを襲ってくるような気配もなく、こちらを見る視線にも負の感情を感じない。
どうやら先程襲ってきたのは首輪に操られての事であり、その命令も今は発動していないようだ。
ボクがコロナの様子を観察している間に彼女は決心したのか口を開いた。
「は、はい。私はコロナって言います。コロナ・シルフォです。ええと、ユウさんって呼んでいいですか?」
コロナはそう聞きながら首をかしげる。
その仕草がすごく可愛い、のだが首元についている首輪が何とも場違いというか彼女に合っていない。
ボクはそう考えながらコロナに答える。
「うん、君の好きなように呼んでくれていいよ。じゃあボクは君の事をコロナって呼ぶね。」
「は、はい。そう呼んでいただけると嬉しいです。」
「うん、わかったよ。じゃあまずはルー、コロナの首についている首輪なんだけど魔術が込められているそうなんだ。それを感じることって出来るかい?」
ボクはコロナとの簡単な自己紹介が終わりひと段落着いたところで頭を撫でている手を外し、名残惜しそうにしているルーに向けて問いかける。
「ん~? できるよぉ。あれ?ユウできないの?」
「いや、できるとは思うんだけどルー、忘れてない? ボクはこの世界に来てまだ一日も経っていないし、魔力などについて知ったのもさっきなんだけど・・・。まあ、そこはいいや。で、ルーこの首輪にいくつ魔術が込められているかわかるかい?」
「あ、そういえばそうだったね。ちょっと待ってね今確認するから。・・・わかったよぉ。詳しい魔術はわからないけど一つだけだねぇ。」
あのリーダーの言っていたことは本当のことのようである。
「ならすぐに外せそうかな? ただ念のために首輪の機能を無効化してから外したいんだけど何か方法ある?」
「・・・う~ん。ルゥが知っているのは二つあるね。一つ目は魔術を消す魔術なんだけどこれって使える人が居ないんだよねぇ。もう一つはちょっと危険があるけど魔道具に魔力を流して魔術の効果を壊すことかな?」
「そうなんだ。じゃあ今できるのは一つだけなんだね? それもかなり危険性が高いと。ねえルー、それってどういう風に危険なの?」
「魔力を流すまでは誰でもできるんだけど、魔術の種類によっては魔力の操作がうまくないと魔力を流した人に代償が降りかかることがあるらしいんだよ。そしてこういう隷属の魔道具に使われている魔術はそういうものが多いよ。これにもあると思っていいんじゃないかな。あと、ルゥはこういう細かいことは苦手なんだぁ。だからルゥがやっちゃうと首輪以外に魔力がいっちゃったり、爆発とかもしちゃうらしいんだよねぇ。ルゥの魔術の先生がそう言っていたよ。」
「ふむ、じゃあその方法は魔力の操作がうまいことが必須条件なのか。ルー、もう一つ確認なんだけど、気力って聞いたことある?」
ボクは盗賊に襲われる前にルーから魔力について聞いた時から気になっていたことを聞くことにする。
ルーの返答次第では何とかなるとボクは考えていた。
「うん、あるよ。魔力と似ている力かな? それと扱い方は魔力とほとんど一緒なんだけど応用がほとんど効かないし扱いが難しいらしいから使う人は全くいないかな。というか気力を使える人は魔力の扱いもかなりうまいらしくて伝説として伝えられるくらいの人らしいよ。でもそういう人なら首輪の魔術を無力化するのも簡単かもしれないねぇ。ユウはなんで知っているの?」
「ああ、知っているというか、使えるんだよ。今のルーの言葉だとボクが魔力の使い方を学べば安全に外せるってことだよね。」
「うん。でもユウ、魔力の操作を学ぶってすぐにできるの? そもそも魔力の存在を今まで知らなかったのに。」
「できると思うよ。だってルーの話を聞いていると魔力と気力は似ているけど違う力ってことだよね。それに使い方はほとんど一緒ってことだし。それにあいつらに襲われる前に魔力とはどんな力か教えてくれたおかげで魔力と気力の違いも何となく理解できている。そのおかげで少しだけど魔力を感じることができるんだし。あとはルーが魔力の操作方法を教えてくれればある程度は何とかしてみせるよ。」
「ちょっと突然で聞き流しそうにになったけど気力を使えるって、ユウはすごいなぁ。それにさっきまで魔力って存在を知らなかったのにもう魔力を感じることができるんだぁ。魔力を感じるのが一番難しいからねぇ。でも魔力さえ感じちゃえば魔力の操作まではあと一歩なんだよぉ。だからすぐにできると思うよぉ。でも危険なのは変わらないから絶対に油断して失敗しないでね。」
「ああ、わかった。とその前にコロナに確認かな? ねえコロナ聞いていたと思うけど、ボクは今君につけられた首輪を外そうと思う。それでいいかな?」
コロナはボクの質問に対し、迷いながら答える。
「え、ええ。むしろできるだけ早く外してほしいです。でも普通に外すんじゃなくてちょっと危険な方法で外すんですよね。」
「うん、そうだよ。そのままでも外せるとは思うけど念のためにね。ボク自身に降りかかる危険はともかく今回はそのままやろうとするとコロナに危険が及びかねないからね。だから、少しだけボクに付き合ってもらうよ。」
「わかりました。私は別にいいですよ。でも、ユウさんは危険じゃないんですか?」
「大丈夫だよ、成功させれば問題なしね。それにボク自身にも今回の事はメリットがあるしね。どんなメリットかは聞かないでおいてね。」
このメリットというのは魔力について詳しく知ることというだけなのだがまあそこは話さない方がいいかなと判断する。
まあそんなこんなでコロナの首輪を外すことにも同意してもらったので早速ルーに魔力の操作について教えてもらおう。
そのため、コロナにはもうしばらく手を縛った状態で待っていてもらうことにしてもらい、ボク達はコロナから距離を離し向かい合う。
そのときしっかりと全体の状況が見えて行動できるところに二人で陣取っている。
さて、ルーから改めて魔力について教えてもらう。
魔力とは魔術という、この世界にあらゆることを実現できる方法の燃料に当たるものらしい。
世界には自然に宿る力オドが存在し、その力の一部が魔力ということである。
ここから魔術を使うには呪文を唱えたりするらしいのだが、今回は魔術を使うのではなく魔力を操作することなので別の方法が必要になる。
魔力は自然の中に無数に存在しているものではあるが、そのまま使うには扱いが少し難しいため魔力を一度魔力を扱う器官(魔力炉というらしい)に取り込み、そして使うのだそうな。
ちなみに魔力炉というのは肉体の中にあるのではなく、魂に存在しているという。
そして魔力炉に魔力を通すとその魂に魔力を最適化させることで魔力を自在に扱うことができるそうだ。
ルーはこのあたりの事を先生から聞いていたようだが暗記していただけで理解はしていないらしい。
そのため魔力炉についてはそういう存在があるということしかわからなかった。
まあその辺りは調べられるときに調べるとして話を元に戻そう。
さて、魔力を取り込むのに一番大事なことがあるというので聞いてみる。
「それはねぇ、自然と一体になることだよぉ。」
とはルーの言葉である。(ルー自身も魔術の先生から聞いたようだ。)
要は自然に魔力が存在するのだから極力同じ状態に近づく、または自分は自然の一部であると自覚することだそうな。
ただしこれは魔力を扱うために最初に行うことであり、それを行うことで魔力を通すための道ができるとのことである。
そしてそれは魔力を感知できて初めてできることらしく、ルー曰く魔力を感知できるまでが一番難しいそうだ。
さて、ここまで前置きが済んだところで早速、魔力を魂に通すことを始める。
それができれば身体や魂が魔力を取り込むことを覚えるので今後は意識せずともできるという。
そして魔力を魂に取り込んでしまえば、あとは扱い方が自然とわかるらしい。
まあ力の扱い方については曖昧な表現ではあるがやってみればわかるとのことである。
いずれわかるというものに時間をかけるのももったいないため、早速魔力を取り込むところから始めよう。
まずは自然に流れる力を感じ取ることである。
ボクは五感全てを研ぎ澄まし自然を感じとろうとする。
すると様々な気配があり、ボクの周りにいるルー達の気配、少し離れた所にいる盗賊たちの気配、地面の下や空に存在する生物の気配を感じる。
そこから気配をもっと深く感じようとするとそれらに流れる力、自然に流れる力を感じることができた。
ボクはそこから自然に流れる力に意識を向けた。
次に感じ取り意識を向けた力と取り込む。
自然の力に意識を向けたまま、ボク自身の気配を探っていく。
するとボクの中に流れている力と自然の力の間に境界のようなものを感じ取れた。
ここから、ボク自身の力と自然の力の境界をできるだけ消すことで魔力が魂に流れ込むのだという。
ボクは自然との境界を徐々に薄くなるように意識していく。
そしてその境界が薄くなるとともに自分のどこかに段々と自然の力全てが流れ込んでいくのを感じる。
その段階から意識しなくても自然と魔力が流れていくのを確認できたら意識を戻す。
これで魔力を扱うことができるらしい。
そしてその時点で魔力をどういう風に扱うかの情報が頭の中に直接流れ込んできた。
それは不思議な感覚で、まるで魂がもともと力の扱いからを知っていてその情報をボク自身の意思で確認できるようなそんな感覚だった。
ボクは早速その情報通りに魔力を扱ってみる。
それはとても簡単なことで、魔力が流れ込んでいった場所に意識を向け、そこから魔力をどう扱いたいかイメージするだけであった。
ボクはそんな簡単なことでいいのかと思いながらもその情報通りにしてみる。
ボクがイメージするのは隷属の首輪に付与された魔術に魔力を流すことである。
するとボクがイメージしたとたんボクの中を通した魔力がボクから少し離れた所に立っているコロナの隷属の首輪へと向かい吸収されていく。
首輪は魔力の吸収をしばらく続け、とある時その首輪からパリンッと何かが割れるような音がする。
そこでボクはいったん魔力を一旦止めるようにイメージすると魔力は止まった。
ボクはコロナのもとに近づいていき、首についた隷属の首輪を確認する。
そして、目で首輪を様々な角度から確認した後、触れた途端、一気に首輪に罅が入り、崩れ去った。
それは首輪に付与された魔術の崩壊した事の現れであり、コロナが隷属の首輪から解放された瞬間であった。
話数を経ていくにつれ何故か文字数が増えて行っていますが、これ以上一話当たりの文字数が増えるのはないと思いたいです。
ただ、結構その場のノリで書いているのでわからない所です。
ある程度話が続いていくうちに文字数が一定化することを願いつつ続きを書いていきます。




