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矛盾/薔薇/へび/空を握りしめている人/予兆
どこかへ行きたいと思う
どこへも行きたくないと思う
はやく逝きたいと思う
ながく生きたいと思う
矛盾を孕んだ馬鹿者は私だ
薔薇を風呂にたくさん浮かべてその中で手首を切ったって現実は血液はしぶとく凝固して寒さに目を覚まして嘔吐する
だから私は薔薇が嫌いだ
自分の尾を飲み込み続ける蛇のように堂々巡りの悪夢が晴れない世界はこんなにも美しい美しい美しい、だから何だ?
空を握りしめている人
悪を殺しているのだという
ああ、それならば
この平和はあなたのおかげです
稚拙にも真似をしたくなり
空を握りしめてみる
私が殺したのは善で
役立たずな自分を呪いました
たまに
悪いことが起きるとわかっていて
それでも道に逆らえない
そういう時がある
悪夢と同じだ
ねっとりと絡み付く藻のように
我々は悪の道から逃げられやしない




