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目が覚めたら/神さま/忘れるな
目が覚めたら
白と黒のせかいにいた
空は白く、雲は黒い
道は白く、壁は黒い
ひとはいない
私は外に出ることができない
こんなに怖いせかいは無い
白と黒のせかい
ふと目の前に剃刀が現れる
刃は白く、柄は黒い
私はそれを腕に突き刺す
赤い液体が流れる
熱い血潮
そうして、せかいは
白と黒と赤になった。
手を伸ばして電柱を掴みます
ここは地上から少しだけ離れています
じきに私たちはいなくなります
どうしたらいいのか
どうしたらいいのか……
わからずに
ただ必死に空を掴みます
そこに神さまがいるかのように
マルセル・プルーストの存在を
ユピテルの存在を
忘れるな
忘れるな
忘れる な




