第238回 《後編》前書
「異能の素子」《後編》始まります。《前編》同様長くなりますが、なにとぞよろしくお願いいたします。
いちおう《前編》のあらすじ、まとめてみましたが、まとめきれてません。かなりエピをすっ飛ばしていますので、ご了承ください。
《前編》あらすじ(長いので飛ばしてください)
五つの大陸にあまた存在する王国、各国の宮廷に仕える真義と秩序を守る魔導師たちが世界を統制していた。
貧しさに女の子として売られていく十歳の少年セレンは、途中嘘がばれて、人買いに傷つけられる。それを助けたのが不気味な灰色の仮面を被った魔導師ヴィルトだった…。
ヴィルトに連れられ、王宮の魔道師学院ですごすことになったセレンは、王太子ラウドに気に入られ、連れ出された先で異端と呼ばれる地下に住む人のひとりカサンと出会い、異端の人々が作った、馬につなげなくても走る大きな鉄の箱を見ることになる。
人買いの弟イージェンという魔道師は、兄を殺した仮面の大魔道師への復讐のためにセレンをさらい、ラウドの幼馴染の女魔道師エアリアと戦い、撃退して、セレンを連れて隣国に逃げていく。
隣国では、異端に啓蒙された王子が父王を殺し、王位簒奪し、異端の力を借りて魔道師たちを殺害していた。現場に居合わせたイージェンは、成り行きで学院長として戴冠式を執り行う。そして、異端の力に興味を持ち、南方の海戦で使われるという海中戦艦を見に行くことになった。
同行したマシンナートのヴァン、リィイヴ、アリスタと親交を持ち、友達となった。
南方の海戦は圧倒的な力で南方大島からの船団を撃沈させ、イージェンはその力の恐ろしさに驚愕する。
アリスタの友達で、マシンナートの有力者の娘ファランツェリに気に入られたイージェンは、それを利用してマシンナートの都へと向かうのだった。
だが、そこでまっていたのは、恐るべきことだった。三千年前、地上にテクノロジイで繁栄していた文明を惑星外からやってきた5人のアルティメット(大魔道師たち)が、滅亡させ、人々からテクノロジイを奪ったということを知らされる。そして、友達を人質にされ、アリスタを目の前で殺されて、生きながら解剖されることとなったイージェン。友を守るため、魔力を使わずに切り刻まれる。
一方、ヴィルトはイージェンの悪辣な振る舞いを憂いながらも、その素質と本質を見抜き、彼こそ己の後継者と認め、マシンナートの都に向かい、「彼」らを救い、死に掛けたイージェンを仮面の後継者へと導いた。
そして最後の魔力でマシンナートの都を完全消滅させ、消えていった。
仮面を継いだイージェンは、大魔道師の道具である空を飛ぶ船を動かし、ラウド始め魔道師やリィイヴ、ヴァン、セレンたちと隣の大陸ー三の大陸へと向かう。各国の魔道師学院の学院長の一部を集めて総会を開いたはいいが、学院長たちは一癖も二癖もある連中で、マシンナートの脅威を伝えてもまとまる様子がなく、イージェンの苦悩は深まっていく。
そして、黄金の髪の少年魔道師アートラン。セレンと互いに想い合う仲になり、南の離島でふたりで暮らすようになる。だが、不注意でセレンを病気にさせてしまい、薬を学院に取りにいっている間にたまさかその島に寄ったマシンナートのカサンに連れられ、セレンは深海の施設へと行ってしまう。
セレンの心をたぐり、深海に連れて行かれたことがわかったアートランは、リィイヴにマシンナートの船を操作させて向かおうとするが、イージェンに叱られ、おのれの魔力の未熟さに気づき、救出に力を貸してくれるよう頼む。
深海の施設からセレン、カサン、そして医者のレヴァードを救出、その施設も都同様塵も残さず消え去った。
空の船で、二の大陸へ向かい、核燃料の精製所を消滅させたイージェンは、南方大島がマシンナートにすっかり啓蒙され、異端の力で生活をしている島民たちを見て、怒りに震える。
だが、地上の人々もろとも島を消滅させることはできず、三の大陸の一国の王弟アダンガルの母親がマシンナートで、祖父が南方大島を変えてしまった首謀者と知り、ふたりを会わせてみることにした。
地上の民の代表としてのアダンガルが、マシンナートの技テクノロジィを受け入れるか否か。また、マシンナートの脅威をどう防ぐか。
話は《後編》へ続きます。
※イージェンとティセアの話は割愛しております。