詩 無視したい虫
掲載日:2026/10/16
「お昼のニュースの時間です」
「ーー本日の主な出来事は」
目の前を虫が飛んでいる
無視したい
でも 堂々と飛んでいる
だから 無視できない
どうしても 視界に入ってしまう
ものすごく 邪魔なのに
意識の中に 入ってしまう
目の前を虫が飛んでいる
顔につかないか不安だ
他に考えるべきことがあるのに
余計な事ばかり考えてしまう
目の前を虫が飛んでいる
手で払いのけたい
けれど好きにさせるしかない
今自由には動けない
目の前を虫が飛んでいる
どうしてこういう時に限って
こういう存在はやってくるのだろう
「今生中継のパートだから、どっか行って」
「ほんと顔の前をぶんぶん飛ばないで」
「ストーリー」
顔にひっつかないで、髪の中にも入らないで
あと、口の中には絶対入らないで。




