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宿屋に入る。
カレンは召喚できなかった。
召喚された悪魔は人と同じ風貌をしていて悪魔とはわからないくらいだ。
この悪魔は悪くない。
再召喚できなかった自分の力不足なんだから。
名前をサラと名付けた。
サラにはカレンのことを全て話した。
サラは再召喚のかわりに自分が来てしまったこと、望まれていたわけではないことを察してしまうだろうな。
「カレン様の分もご主人様をおささえしますので許してください」
「サラは何も悪くないんだよ。」
まっすぐな瞳に涙が出た。泣いてばかりだ。嫌になる。
カレンやサラは悪魔だ。でもそんなことは関係がない。俺のことを心配してくれる。
道具や奴隷のようには扱いたくない。
俺は弱い人間だ。サラの優しさに慰めてもらっている。
・・・・・・
次の日はサラの服などを買いに行く。
この服屋は上等な方だ。生地がしっかりしているし、縫い目もきれいで色使いもいい。
この町でもほとんどの人は質素な服を着ている。
あまり目立ちすぎない色でサラは選ぶ。
女物は高い。3着分で銀貨2枚だ。だが必要経費だ。
武器屋屋へ行き革装備一式と木の盾を買う。
訓練所へ行き、サラの適正を調べる。
サラは剣技特化型のようだ。魔法も身体強化と闇魔法が使えるらしい。
闇魔法は希少なはずだ。そもそも人間の理屈が悪魔には通用しないか。
闇魔法の自己回復だ。カッコいい。
「いかなる時も、必ずシン様を守り抜いて見せます」
「ありがとう。最初はゆっくりいこうな」
サラはかわいい。通りを歩いていても何人かは振り向くほどだ人間の年齢では20歳くらいか。髪は方のあたりまでの黒髪だ。
向上心があり知識に貪欲だ。何でも聞いてくる。その分理解が早い。
昼食を宿屋で済ませ、町の外に出る。
手持ちのナイフを持たせて援護しながら戦わせてみる。
身に付いた鑑定眼には強さを何となく図れることができる。
自分より弱い、強い、とても強い、全く叶わない、くらいが何となくわかる。
サラはレベル1だろうな。
鑑定眼通り、サラは小さなゴブリンに苦戦するほどに弱かった。
だが吸収が早い。3日目にはホブゴブリンといい勝負をするようになった。
戦いながら、より良い戦い方を模索している。相手の隙の出るタイミング、攻撃の捌き方、敵からだけではなく、俺からも吸収している。
「ナイフは使いやすいか?」
「はい。ただ、もう少し長くて重いものの方が戦いやすいかもしれません」
武器を店で見てみる。手持ちのお金はまだある。ホブゴブリンを倒しまくってたからな。
剣を持ち、握る手応えなどを真剣に確認している。
「この剣は両手剣じゃないのか。」
「このくらい重さがあった方が敵を蹂躙できます」
蹂躙か。その瞳には熱意がある。買わないわけにはいかない。
銀貨5枚だった。
久しぶりに斡旋所へ行く。
「おい坊主。この前は大変だったな。」
スキンヘッドのおじさんに声をかけられる。
どうやらこの人はアルといい、川から運んでくれたらしい。
「その節はありがとうございました。」
「まぁいいってことよ!せっかく拾った命、大事にしろよ」
笑いながら出ていった。
カウンターでいつものおねえさんに素材を出すと、
「あ、シン様ですね。オークジェネラルの報酬が出ていますよ。」
アルさんが2往復して持ってきてくれたらしい。なんていい人なんだ。
「ただ、損傷が激しくて核と装備品の買取りしかできなかったので銀貨7枚しかお出しできません。」
「わかりました。」
アルさんのあとを走って追いかけ全額渡そうとするが受け取ってもらえず、銀貨3枚を渡すことに成功した。
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