それでも書きたい書き手の気持ち、みたいなもの
私はそこに座り込み、時折、その高い塔を見上げていた。
今まで見てきたどんな建物よりも高くて、先が見えなかった。
届かない空に、手を伸ばしてみる。
そこはとても輝いていた。
ある日塔に凭れたまま、私は望まぬ眠りに落ちた。
ほんの僅か、それでも長く。
次に目を開いた時、まず見たのは空ではなく自分の手だった。
空は好きだ。
羽ばたくことには憧れる。
でも今はただ、書けることが幸せだった。
塔に凭れて私は描く。
高い高いそれが作る日影が、今はとても穏やかだ。
目を閉じて思い描き、そして私は今日も書く。
そして祈る。
ただ書くという願いが、どうか明日も叶いますようにと。
底辺の未熟者ですが、書くことはやはり止められない。
それを許してくれるなろう様と、そんな拙作を読んで下さる方に感謝を。