3.鑑定大会
夜遅くに目を覚ました。
あ、だからって夜泣きはしないよ? だって私、精神年齢は成人してるんだもん。
けど……暇なんだ。
スキルの中に鑑定とかあったよね? あと魔力見るやつとか、やってみたい。これなら動かなくて良さそうだし、試そっかな?
「あんえい」
鑑定って言ってるから! 母音と『ん』くらいしか言えないの、今は!
赤ん坊って苦労してなさそうに見えて苦労してたんだね。こうも自分の気持ちが伝えづらいとは……。
気を取り直し直して、天井にぶら下がってる照明を鑑定してみよう。
まんまシャンデリアだよな。それも凄い豪勢な類い。王族すげぇ……。
あ、鑑定結果ってこんななのね。
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《鑑定結果》
【名前】照明(魔道具) OFF
【効果】魔力残量ある限り発光します。オンオフ機能完備です。
【備考】ルッテンベルグ王国王家御用達の一流の職人の手により、それはもう丁寧に作られたシャンデリアのうちの1つです。
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うん、まあ、そうっすよね、うん。
魔法がある世界じゃ科学は発展しない。これって自然の摂理か何かなの? いや、実際の とこは分かんないか。
いやにしたって、魔道具の照明か。……テンプレかよっ!
次は定番の魔力とか魔素とかを感じるやつ。
なんか物すっごく……見れる気がする。なぜかは知らないけど謎に見れる自信満々。
ん? これってフラグってやつ? ち、違うよね、うん。
瞳を〜閉じ〜れば〜 魔力が〜 まぶたの〜裏〜に い〜るこ〜とで〜♪
って、いやいやいやいや!
え、私、目を閉じて見えるかなーって思っただけだよ? ねぇわかってる?
というかフラグ回収するのほんと早いよ。いやまずフラグ立ってたっけ……?
空気中に、酸素だとかとは違う粒子みたいなのが大量にいた。
しかも色とか大きさが違う! 赤だとか青だとか、小さかったり大きかったりだとか。千差万別。
うわぁ、色がそうハッキリしてなくて淡いから目に悪くないけど、これは綺麗だな。
〈〈身体スキル《魔眼》を習得なされました〉〉
うわっしょーい!
これが噂に聞くステータスさんの声というやつだな!? 凄っ。本当に頭の中に直接だ。
というかこんな簡単にスキルって習得するものなの? この世界って凄いんだねぇ、日本人の妄想より。
にしたって、魔力とか魔素を観れるようになったら次はアレだよね?
うん、そう。操るやつ。
こういう場合はやってみるが勝ちなんだよ、分かるかい? それに赤ん坊だから出来なくてもバレやしない。
《魔眼》で魔力だか魔素だかを見る。そして意識を集中させてーー動かすっ!
……あ。出来ちゃった。こう簡単に出来ていいものなのか?
というかまずこれで良いの? 良いんだよね?
よし分からないから判断は放棄しよう。魔法……早く使いたいなぁ。
〈〈魔法スキル《魔操作》を習得なされました〉〉
あ、スキル化した。
いやまあ楽しいから良いけど、こんな楽でいいのか? いや、楽しいからいいんだよ?
まあツッコミこそすれ嬉しい。ツッコミはまぁ……オタクのノリ。うん。許せ。
誰に言ってるんだろ?
にしたって眠くならない。
あ、そうだ。スキルとかも鑑定できるはずだよね? 物は試し、やってみよっと。
「あんえい」
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《鑑定結果》
【名前】索敵
【能力】アミリシア様の害になり得る者の存在を知らせます。また、その位置を《マップ》と連携して表しそこから魔法等で排除可能です。アミリシア様の探したいお相手も探し放題です!
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鑑定さんまで喋ってらぁ……。さっきは微妙だったけど、もうこれ喋ってるよね。
《マップ》との連携っていうおまけがあるけど、大体想像通り。
連携してる《マップ》も鑑定しといた方がいいね。
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《鑑定結果》
【名前】マップ
【能力】スマートフォンナビゲーションに似た仕様で使いやすさ抜群ですよ!《索敵》と連携させると、大馬鹿共を表示し排除できます。探し人を即座に! きっとお役に立てるはずです。
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どこの売り込みだよ、というツッコミは置いておく。
というかこれ、喋ってるの鑑定さんじゃなくてステータスさんでしょ。雰囲気がそうじゃん? え、分かんない? そっくりだと思うけど……。
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《鑑定結果》
【名前】アイテムボックス
【能力】アミリシア様のお好きなものをお好きなだけ御収納下さい。魔力消費、代償共にゼロです。便利な一覧機能付き。ご自分で編集可能です! 生物禁止制限を除外し、時間経過致しません。
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あら便利。
魔力消費は元より魔力尽きないから無意味だけど、代償っていうのは何が代償なのか分からないから助かる。
生物入れちゃダメなのに制限除外しちゃうの!? ちょ、ステータスさんそれ大丈夫? なんか法犯しちゃったりしてない?
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《鑑定結果》
【名前】検索
【能力】アミリシア様のお好きなだけ調べてください! 我が主人の知識より完璧にお答えします!
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つまりスマホだな。
便利で良いけどいちいち前世を引っ張ってくるねぇ。別に良いけどさ。
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《鑑定結果》
【名前】図書館
【能力】アミリシア様の前世と今世における参考書諸々を集めに集めた図書館です。ええ、閲覧禁止書もラクラクです! アミリシア様なら犯罪ではありませんよ?
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いや十分に犯罪じゃあ!
まあでも良いや。転生してから諦めが早い気がしないでもないけどまあ良いや。
別に直接入り込んでるわけじゃあないし、スキルだし。盗んだりしてないもん、うん。犯罪なにそれ犯してないよー?
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《鑑定結果》
【名前】ナビ OFF
【能力】アミリシア様のための異世界案内人です。転生者であるアミリシア様はこの世界のことを何もご存知ありません。そこで役に立つのがこのナビ! 私の部下なのでご安心を。オンオフ機能付きです。
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ステータスさんの部下だからこそ安心出来ないんだけどまあそれは置いとこう。
案内人……ナビゲーター、ねぇ。いる時だけで大丈夫かな?
さてお次はっと。
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《鑑定結果》
【名前】亜空間
【能力】アミリシア様の思うがままに空間を操ってください。好き勝手できますよ! 詳しくはナビにお聞きください。そしてモードによって時間経過なしも設定できます!
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わぁ。さっきからチート臭が凄いやぁ〜。
この世界の基準知らないけど結構ヤバイ気がするやぁ〜。
おっと。戻って来い私。
うーん、めぼしいスキルはあらかた見終わったなぁ。
《魔操作》使って遊んどこっと。
魔力だか魔素だかを感じるのは簡単。あれ……血、なくない? ちょっとナビさーん!
『はい、アミリシア様。何でございましょう?』
無機質で淡々とした女性の声だ。
え、案外真面目そう!(失礼) ステータスさんはちょこちょこおふざけ入ってるけど、この子なさそうだし。
『……上司が申し訳ありません』
あ、心の声聞こえるのね。というか、話そうとしたら話せるの、かな?
いやぁ、気にしないで。あんな上司持ったら大変でしょう?
『……はい』
ナビさんが不憫だぁ。
『話そうと思いを込めれば念話可能です。それで、何の御用でしょうか?』
『こう?』
『お上手です』
『ありがとう。それで、何で血がないのかなぁって。私、ないっぽいから』
『アミリシア様の体が特殊だからです』
『そ、そう。じゃ、じゃあまたね』
『はい』
……私の体、こっわ! いや怖すぎる!
体を鑑定してみたら3つのものが流れていた。魔力、闘気、超絶粒。魔力と闘気は分かるけど最後の恐ろしすぎでしょ。
調べてみたら、この体の血の代わり的なものらしい。
その3つをいじっていたら、頭にステータスさんの声が流れた。
〈〈身体スキル《魔力操作》を習得されました〉〉
〈〈身体スキル《闘気操作》を習得されました〉〉
〈〈身体スキル《超絶粒操作》を習得されました〉〉
またなんか習得したんですけど。
うん、疲れたし寝よう。主にツッコミ面で精神的疲労が溜まったから寝よう。
でもね。寝なくて良い体って……ほんとなにそれ。
どうもです!
楽しんでいただけたでしょうか? 今回はほぼ鑑定でいっぱいいっぱいになってしまったんですが……。
ネタとして入れた某曲ですけど、著作権大丈夫ですよね……? 商業目的じゃないです! はい!
2話も読んでくださいましたよね?
いやぁ、流石は少年誌勢。コミカルというかギャグというか、笑いのセンス見えちゃってましたよ。
私は主人公にツッコませるぐらいでしか笑い要素入れられないのに……。
それと少しお伝えすることが。
合作なので「何文字書く」といういつもの形ではありません。「このストーリーを書く」なので文字数が非常にバラバラです。
そこはもう仕方ないことだと割り切っているこちら側ですので、ご容赦ください笑