第1話 キャラメイク
ようやく本編です。
「ファンタジー世界ゼルトザームだ」
そう宣言した瞬間、完全なる闇だった空間が一気に晴れ足元に緑、黄色そして青、様々な色でコントラストを成された美しい惑星が広がる宇宙空間へと変貌した。
「……綺麗な星だな」
「こちらがプレイヤー様がこれから長い間過ごす事となる惑星ゼルトザームです。これからプレイヤー様にはキャラクターメイキングをして頂きます」
その言葉と共におれの目の前に半透明のディスプレイが現れた。
名前:
種族:
職業:
HP:10
MP:10
STR :
VIT :
INT :
MIND:
DEX :
LUCK:
スキル
利用可能ステータスポイント:20
利用可能スキルポイント:20
よくあるステータスボードにはまだ名前もステータスもスキルも殆ど書かれていなかった。
「これがステータスボードか」
「はい、ではまず種族をタッチして見て下さい」
言われた通り種族をクリックすると空欄部分から様々な種族の一覧が現れた。そこには王道ファンタジーのエルフやドワーフは勿論の事ホビットや人魚、ケンタウロス、はたまた天使なんてのもある。すごいな数百種類はあるんじゃないだろうか。
「へえこんな一杯の種族から選択可能なのか。ん?あれ、ほぼ灰色でクリック出来ないぞ」
「はい、初期選択可能種族はヒューマンのみと成って居ります。残りの種族はプレイ中に条件をクリアすると次の人生で選択可能となります」
成程、週回プレイが前提ということか
そして、次の職業をクリックして見ると、同じ様にほぼ全てが灰色となっていた。
「職業もなのか、えっと選べるのは市民のみ?」
「はい、ではまず職業の説明をさせていただきます。このキャラクターメイキングで選べるのは第一職業となっております。この第一職業はゼルトザームでは恩恵職と呼ばれており、人類種が生まれながらに持つ職業のことです。この世界の約9割は市民で生まれますが、稀にそれ以外の職を持って生まれることがあります。これらを持って生まれるとその職業のスキルを持って生まれ、レベルアップの際その職に応じたボーナスがステータスにプラスされます。故にスタートダッシュが有利となるため現地ではありがたがられています。」
「成程、じゃあ俺は一生この市民のまま生きていかなきゃいけないってことか?」
だとしたら辛すぎる。いくら1000倍の速さで人生を過ごすとしても、体感ではちゃんと一生を過ごすのだ。冴えない人生を無駄に過ごすのは流石に遠慮したい。
「いえ、レベル10に到達すると神殿等で職業追加が可能となりセカンドジョブを得られます。また、ファーストジョブも条件を満たすと進化可能です。また、レベルは年齢を経る毎に自動で1上がるので、最長でも10歳になれば得ることができます」
つまり、良いセカンドジョブを得られるかどうかで次の人生の可否が決まるわけか。
「因みに、良い職業を得る条件てのはどんな物があるんだ?」
「それは、行動によって変わるとだけとしか言えません。是非ご自分で体験為さってください」
成程ヘームの攻略に関わるそれは言えないってことか。
「職業、種族に関しては了解だ。後はステータスポイントを振って、スキルを選べば完成かな?」
「はい、その通りです。」
そうして、俺は言われた通り選べるものの中から自分が最善だと思われるものを選択した。
名前:ジント
種族:ヒューマン
職業:市民
HP:10
MP:10
STR :2
VIT :2
INT :6
MIND:5
DEX :3
LUCK:2
スキル:魔力感知Lv.0(ポイント5) 魔力操作Lv.0(ポイント5)
火魔法Lv.0(ポイント5) 妖精憑き(ポイント5)
利用可能ステータスポイント:0
利用可能スキルポイント:0
その結果がこれだ。まずはこの世界にはない魔法を使って見たかったので魔法型のステータスにしてみた。また、スキルは魔法関係のを3つとサポートAIが妖精としてサポートしてくれる妖精憑きを選択した。これに関してはアイーシャが
『初めてのプレイヤー様にはこちらの『妖精憑き』をオススメしています。こちらのスキルはサポートAIの私が妖精としてプレイヤー様に憑き様々な事をサポートするスキルです』
こう言うものだから折角なので選択した。まあ、初めての世界で誰も知らない状態のいうのは心細いだろうし結構アリな選択だとは自分でも思っている。
「こちらでよろしいでしょうか。よろしければ決定ボタンを押してください。」
そうして言われた通り、決定ボタンを押す。これで事前の設定等は終わりだろう。
「では1分後に転生が開始されます。生まれる家や場所等は完全にランダムとなっております。」
「成程、どんな人生を歩むかは自分のリアルラックと努力次第ってことか」
「はい。ですのでぜひ頑張ってください。願わくば貴方の人生が世界に影響を与えられる物となりますように。ではあちらの世界で会いましょう」
その言葉と共に視界は急速に暗くなり、そして俺は誕生した。




