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スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました 作者:森田季節

ファルファ、スライムに戻る編

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95 賢いスライム

「はうぅ……お姉様のキス、素晴らしい体験ですわ……。わたくし、うっとりして死にそうです。まるで女学院の生徒にでもなった気分ですわ……」

 たしかにペコラはとてもうれしそうな顔をしていた。
 実際の女学院ではそんなにどんどんキスしているのかは謎だけど、ペコラの読んでる小説の中ではそうなんだろう。

「アズサ様、あまり簡単にキスをしてはいけませんよ……。こういうことで、またトラブルが起こるかもしれません……」
 ライカに注意されてしまった。ペコラと接近しすぎるとややこしいことになるというのは、わからなくもない。

 ファルファを背負っているベルゼブブは「やっぱり、人たらしじゃのう」とため息をついていた。ベルゼブブが迷わなければ、キスしてないんだから大目に見てほしい。

「それで、『賢いスライム』がどこにいるか教えてほしいんだけど」
「答えはこの近くにありますよ。しっかり調べていってくださいね」

「えっ、何、そのヒントみたいなの……。ちゃんとはっきり教えてよ……」
「その場合は、くちびる同士の長いキスになります」
「それは、ちょっと遠慮するかな……」
 あんまりやると戻ってこれなくなる気がする……。

「わたくしは適当なことを言っているわけではないですよ。よ~く探してみてください。ちゃんと答えはありますよ。それではさようなら」

 またのんびりした歩みでペコラは去っていった。

「答えはあるってどういうことよ……。ここに地下に下りる階段なんてないよ。屋外だし……」

「待て。魔王様の言ったことが本当なら、答えが近くにあることは確かなのじゃ……」
 ベルゼブブが地上の庭をきょろきょろ見回す。
 小さな物置小屋みたいなものに、目が止まった。

「あれ、もしかして……あれか?」
 ベルゼブブはあわててその物置小屋に走っていく。

 小屋の中は、農具とかが置いてあるだけで、まさに物置だった。

「ハズレだったね。違うところ探そうか」
「いや、何か臭うのじゃ」

 そう言うと、ベルゼブブは床をいじりだした。
 そして、床板がぱかっとはずれることを発見した。

 その先には地下への階段がある。

「正解のようじゃ! これが『賢いスライム』への道じゃ!」
「こんなの、ほぼたどりつけないでしょ!」
 ガチでダンジョンな仕掛けを用意するの、やめてほしい。

 その地下への階段はかなり深くまで続いていた。
 火炎の魔法を灯かり代わりに使わないとかなり気味が悪い。

「アズサ様、我はだんだん怖くなってきました……」
「何かあったら守ってあげるからね」

 階段を下りきった先には扉があった。

 扉を開けると、そこにいたのは通常より二回りほど大きなスライムだった。
 あと、色が独特で、ほぼ真っ黒だ。こんなイカ墨で塗りつぶしたようなスライムは見たことがない。

 その部屋にはカビ臭い空気と積まれている本があるだけだった。生活感はないが、スライムが生活感を出しても、人間からはそうは認識されないだろうか。

「おぬしが『賢いスライム』じゃな?」
 スライムがぴょんと跳ねて,壁にぶつかった。

 その壁には「はい」と書いてある。

 横には「いいえ」、さらに横には「どちらとも言えない」とか「わからない」とか言った言葉もある。

 そうか、これでコミュニケーションをとるのか! たしかに賢い! その点に関しては異論はない!

「『賢いスライム』よ、実はスライムの精霊の娘が、ある日突然スライムの体に戻っておったのじゃ。おぬしなら解決策もわかるのではと思い、ここにやってきた」

 また「賢いスライム」(以下、長いし、賢スラと略そう)が、「はい」のところにぶつかった。
 今のところ、感触は悪くない。

「その娘は、スライムと人間、魔族、それぞれを結びつける架け橋のような存在じゃ。どうか助けてやってほしい。方法がわかるなら、教えてはくれぬか……?」

 ベルゼブブの真摯な態度は私にもすぐにわかった。
 ファルファのためにそこまで考えてくれてるんだ。
 母親として私もうれしいよ。

 すると、賢スラはずりずりと体を引きずって、側面の壁に移動した。
 その壁にいくつも文字が並べられている。

 そして、何度もジャンプを試みはじめた。

「もしや、これは……文字にぶつかることで単語を表現しようとしてるの!?」
 なんて、高度なことをしてるんだ! いや、感心してる場合じゃない。何を意味してるか、ちゃんとメモをとらないと……。

 まず、最初の単語は「魔法使い」だ。
 途中、つづりをミスしたのか、「一文字戻る」と書いてあるところにぶつかった。
 相当、体を張ったコミュニケーション方法だ。というか、これ、パソコンのキーボードを打つ方法とだいたい同じだな。

「魔法使い・スライム・トムリアナ州・いる・山・一番・高い・中・聞く・べきだ」

 これを文章になおすと――
「トムリアナ州の一番高い山の中にいる魔法使いスライムに聞くべきだ、ってことだね!」

 賢スラがまた「はい」のところの壁に移動して、ぶつかった。

「魔法使いスライムですか……。アズサ様、なんか、いろんなスライムがいるものなんですね……」
「私も衝撃を受けてるよ……」

 そのあと、、賢スラは追加情報をくれた。
 スライムの中にも時々、知能の高いものが生まれるらしい。
 そのうちさらにごく一部が賢スラや魔スラ(魔法使いスライムの略)になったりするらしい。

 賢スラいわく、肉体の状態が変化しただけなら、魔スラのところに行って肉体を元に戻す魔法を教えてもらえばいいのではないか、ということだった。

 じゃあ、そのトムリアナ州というところに行くか。
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