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スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました 作者:森田季節

ドラゴンが来た編

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8 弟子のお披露目

日間3位ありがとうございます! どうも最新のやつだともっと上に行けそうです。これまで最高位が3位だったので本当にうれしいです。これからもがしがし更新します!
 ドラゴンのライカはかなりスピードを出して、すぐに森に着いた。

 徒歩移動だと高低差があって時間がかかるだけで、直線距離はたいしたがなかった。空からだとわかることもある。

 そして、森に入ると、次々に木を折っていった。

 ドラゴンの力だと大木を折ることぐらいなんでもないらしい。となると、そのドラゴンに勝った私の攻撃力ってどういうことになっているのか。

「先に言っておくけど、折った木を並べて家ですというのはナシね。隙間風も入ってこないように積み立ててね」

「はい、手元に製材用のノコギリがないからこうしてるだけで、後でちゃんとした板にします」

 その言葉は本当だった。ライカはどこかの町まで飛んでいくと、しばらくすると各種の道具を持って、戻ってきた。

「町に行って建物もいくつか見て、作り方も覚えてきました。いい家が作れるかと思います」

「覚えたって、建物なんて見て覚えられるものなの?」

「ドラゴンは記憶力のいい種族ですので」

 そして集めた木を加工していく。これはドラゴンだとサイズが大きすぎて手元が変になるからということで人の姿で行われた。

 はっきり言って無茶苦茶早い。日が暮れる頃には組み立て作業に一部入っていたほどだ。
 理由の一つはドラゴンのパワーだと材料を軽々と運べることだ。
 たしかに日本で家を建てる時だって、木の柱一つが数百グラムしかなかったら、絶対に早く進むだろう。

 どうやらドラゴンのサイズからすると人が住める建物の設計は一種の積み木遊びの延長線上にあるらしく、できるだけ釘を使わないで、部材と武材を組み合わせる工法で作業をしていた。

 日本の宮大工がやるような手法だ。まあ、神社や寺を作る時以外もそういった技術は活用できるはずだから、違う文化圏に住んでいる存在が使えてもおかしくはない。

「今日はもうそれでいいよ。村に戻ろう。あなたの宿も手配するから」

 私は手をぱんぱんと叩いて、切り上げる合図をする。
 どっちみちドラゴンが弟子になりましたと村に伝えておく必要もあるしな。

「いえ、アズサ様、私は疲れてませんのでこのまま続けられます」

 私はその言葉に、ひっかかりを覚えた。

「ドラゴンは夜目も利きますので。このまま徹夜をすれば、明日には完成しますよ」

 ああ、これはよくないぞ。

「そういうのは絶対にノー!!!」

 私は大きな声で言った。
 ライカもびくっとして、作業の手を止めた。

「あの、どこか、良くない点でもあったでしょうか、アズサ様……」

「ライカ、あなた、徹夜をすればいいとか言ってたよね。そこがダメなの。本当にダメ」

「私は、その……頑張りを見せようと……」

「頑張るってことをいい意味で使いすぎちゃダメ!」

 私は社畜時代のことを思い出していた。
 今日、無理に残業をすればどうにかなる、そういう考えで何度も強引に物事を進めていた。
 その結果、何が起こるかというと、常態的に無理を強いるスケジュールになってしまったのだ。

 そして、最後には私は過労死した。あれは一言で言えば頑張りすぎた結果だ。

 なので、過剰な頑張りはもうやらない。
 日が暮れるまで働いたら、もう残りは明日でいい。

「ほら、もう暗くなってるでしょ。これはこの世界が今日はここまでと言っている証拠。少なくとも私は無理をして強くなったわけじゃない。ほどほどの生活をキープしてきただけ」

「わかりました。アズサ様の言うとおりにします」

「そう、それでいい」

 私はにっこりと笑った。
 部下の労務管理もできないようではいけないのだ。

「これからも疲れたり、もう無理だと思ったら、遠慮なく言うんだよ」



 村にはわざとドラゴンの姿で行ってもらって、村の手前で人の姿に戻させた。ドラゴンのまま突っ込ませると建物にぶつかる恐れがある。

 いったい何事だと人が集まってきたので、ある意味ちょうどいい。

「皆さん、本日からドラゴンのライカが私の弟子になりました。よく気の利くいい子なので、かわいがってあげてください」

 ぺこりとライカが頭を下げる。

「もし、ライカが皆さんにご迷惑をかけた場合は師匠である私のところにご連絡ください。ちゃんと叱りますので」

 村の人達は多少不安そうだったが、ドラゴンが来ているならやむをえないか。
 チーズ職人のナバンさんが手を挙げた。

「その、魔女様……ドラゴンさんは力が強いですよね……。お酒を飲んで急に暴れだしたりなんてことは……?」

「それなら私も、強い冒険者もみんな同じことです。もちろん、師匠である私のほうでも弟子が悪い酔い方をしないのか調べますので」

 これはあれだな。
 新人の部下を仕事先の企業に連れていった時の感じに似ているな。

 仕事先の考えをよく理解しつつ、部下もちゃんと守らないといけない。

 やがて村長が私のところにやってきた。
 私は先ほどした話をもう一度繰り返す。

 それからライカからも話をさせた。

 どうして私の弟子になろうとしたのかということを自分の口から村の人に伝えさせる。

「どうか、よろしくお願いします! 当然、村を移動する時はドラゴンではなく、この娘の姿で移動しますので!」

「わかりました……。ドラゴンのライカさんが村に来て生活することを認めましょう。ドラゴンがいるということになれば、外部からの悪人に対する抑止力にもなりますし」

 村長からの許可も得られた。
 村の人も納得してくれた。

「そうだな。魔女様が監督するなら問題ないでしょ」
「うちの娘よりよっぽど利口で賢そうじゃないか」
「魔女様の弟子を否定するなんて、恩知らずなことだしな」

 どうやらライカも市民権を得られたようだ。

 その日は私と同じ来賓用の部屋でライカと寝泊りすることに決まった。
 夕食まで時間はあったので、部屋でのんびりしていた。
 信頼しているという証しのつもりで、私の今のステータスも教えた。ライカは数値的なことより、魔法の数に驚いていたようだが。

「やっぱり、これだけの魔法が使えるというのは、アズサ様は伝説の魔女ですよ……」
「そういうものなのかな」

 夕食は行きつけの料理店、『冴えた鷲』を使う。ライカももちろん同伴だ。

「アズサ様、さっきはありがとうございました……」

「何? ああ、村でのあいさつのこと?」

「我はこれまでドラゴンということで、どこでもその力を見せ付けることで恐れで相手を従わせてきました……。でも、こうやって力以外の方法で受け入れられるというのも、これはこれで貴重な体験だったというか……素直にうれしかったんです……」

 ああ、私はドラゴンが人間らしくなる教育もしていかないといけないんだな。
 それぐらいならやれるだろ。新人の教育係もやらされたことはある。

「それはよい傾向だよ。これからもその調子で行こうね」

「はい! よろしくお願いします!」

 ライカはフォークとナイフの使い方もけっこう慣れていたので、これ、昔から割と人間の姿で町とかに紛れ込んでいたんだな。

「もしかして、人間の姿でも長く生活してるの?」
「町に暮らしていたわけではないですが、ドラゴンが人の姿をとっているとわかる人はごく一部だったので、ほとんどトラブルになることもありませんでした」

 ファンタジー世界なら獣人もいるわけだし、角ぐらいなら誤魔化せるのか。フラタ村に獣人は住んでないけど、旅の獣人が来ることはある。

 さて、いい家を建てるぞ!
次回、ライカのおかげで家ができます。

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