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スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました 作者:森田季節

魔族の土地訪問編

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82 魔王とのお茶会

「ペコラ、ハルカラの身柄を解放してやって。あの子に悪意がなかったのは私が保証するし、まあ、悪意がなくても本来は処刑されちゃうのかもしれないけど……あなたが撤回しろと言えば撤回できるでしょ」

「わかりました、お姉様。お姉様のお友達を傷つけるようなことは絶対にできませんもの」

 ペコラ(もう、こう呼ぶことにする)は死屍累々の幹部たちのところに出て、
「アズサさんにわたくしを攻撃する意図はありませんでした。何人なんぴともアズサさんを敵とみなさないように」
 と言いつけてくれた。

 意識のあった幹部たちが平伏した。

「それと、わたくしに頭突きを喰らわせたハルカラさんも助けてあげてください。アズサさんの家族が害されるというようなことがあってはなりません」

 すぐに連絡係のような魔族が呼ばれて、身柄を拘束しているところにまで伝えに行った。
 どうやらハルカラもこれで助かるようだ。よかった、よかった。

「なんとか、なったようじゃな……」
 ベルゼブブも疲れたため息をついていた。
「あっ、こっちも助かるんですね……。よかった……」
 ヴァーニアは縄でぐるぐる巻きにされて縛られていた。

「わたくしが意識を失っている間に、いろいろとあったみたいですが、わたくしがいない間に国がどう機能していたかの検証は後日行うことといたしましょう。ひとまず、明日に迫っている式典を予定どおり行えるように、準備を進めてください」
 魔族たちがうなずいて、自分の仕事をするために、三々五々出ていった。落ち着いているけど、さすが魔王だ。その威厳が違う。

「あっ、魔王様、それと私の家族のところにも無事に解決したと連絡してあげてもらえますか?」
「お姉様らしく言っていただかないと聞きません」
 すました顔でペコラは言った。
「……ペコラ、私の家族のところにも連絡を入れなさい。できるだけすぐに」
「お姉様の命令とあらば、すぐに行いますね」

 命令口調ならなんでも聞いてくれるわけだから、ありがたいと言えばありがたい。
 一仕事終えて、疲れたな。人の命がかかってると、さすがに緊張もする。レベル99でも肩はこるのだ。
「ペコラ、お茶の時間にしましょう。お茶の用意をさせて」
「わかりました。ここは荒れてしまいましたから、隣の棟で準備をいたしましょう」

 こうして魔王ペコラとちょっとお茶をして待つことになった。こんな時にお茶会かよという話しだけど、どっちかというとこんな時だからこそ、お茶でも飲んで気分を落ち着けたかった。
 ちなみにお茶の会場に行くまでペコラに腕をとられていた。どうもこういうスキンシップができる人を探していたらしい。

「お姉様ができて、わたくし、幸せです。みんなを従わせるだけというのは飽きてきてしまいまして」
「魔族の中にも尊敬できる恩師みたいなのはいないの?」
「わたくしを見ると、みんな自然とへりくだってしまいますので。なかなかいい関係が築けないんです」
 わからなくもないなあ。あんまり高原の魔女として持ち上げられるとしんどいと思う時もあるし。ベルゼブブが対等な関係で接してくれるからまだいいけど。

「お姉様はどんな味のお茶をご所望されますか?」
「どういうお茶があるかわからないから、あなたのお勧めで。あなたのセンスを見せてちょうだい」

 ペコラと二人きりで、豪華な一室に入った。
 そこに家臣が運んできたのはやたらとスパイシーなスープみたいな飲み物だった。

「何、これ?」
「ンスジャ茶です」
 発音が難しいな。おそらくだけど、バター茶的な飲み物だろう。魔族の土地って北方にあるし、体をあたためる飲み物が必要なのだと思う。これはこれで、慣れればおいしいな。

「あぁ、お姉様とのお茶、こんな日を楽しみにしていました。魔族褒章の受章者にお姉様をお選びして正解でした。わたくしが意識を失うとは思いもしませんでしたが」
 もしかして、謎の擬似姉妹制度を結ぶために私が呼ばれたのだろうか。
「もし魔族で何かお力になれることがあったら、なんなりとお申し付けくださいね。お姉様のために何でもいたしますから」

 私は魔族を手足のように使えることになったらしい……。
 よくわからないうちに変な権力を手に入れてしまった……。使い方次第で余裕で国とか滅ぼせるぞ……。
 お姉様と呼ばれている手前、あんまり気さくにしゃべるのも変かと思い、ちょっと口数は少なめにこころなしかクールっぽさを演出してみることにした。

「あ~、いいです。いいですぅ……。クールな雰囲気の魔女のお姉様、最高ですぅ……」
 クールっぽさの演出、大成功した!? この魔王、なんかよだれ垂れそうになってるけど、大丈夫かな……。
「アズサお姉様に壁ドンされた時にわたくし、ときめいたんですぅ……。凛々しい表情でわたくしに命令する女性、もう胸がきゅんきゅんしちゃいましたぁ……」

 偶発的に、ペコラの性癖に直撃してしまったらしい。そのあとの話がわかりやすく進んでるから、成功と言っていいのかな……。

「あの、お姉様、一つお願いがあるのですが……」
「何、ペコラ?」
「わたくしの頬にキスをしていただけませんか……?」
「はっ?」
 変なことを言われたような気がした。

「わたくしの愛読書の中に妹分がお姉様からキスをされるシーンがあって、それが好きで好きでたまらないんです……。わたくし、とてもあこがれていまして……」
 赤くなった顔を両手で押さえるペコラ。
「ほら、今なら誰もいませんしぃ」
 たしかにお茶を持ってきた家臣も出払っている。

「ほら、家族にならキスだってするじゃないですか。それの延長線上の行為ですよ……」
 魔族だとそうなのだろうか。国でも家族にするのは割と一般的らしいけど、私は家族にもやってないんだよな……。娘にするのは気楽なんだけど、そうすると歯止めがなくなってライカやハルカラにもすることになりそうだから、一応止めているのだ。

「わかった……。ただし、頬だけだからね……」
 どうせ誰も見てないならいいだろ。それに今、ペコラを邪険に扱うのは危ない。
「あ、ありがとうございます、お姉様!」
 頬にちゅっとするだけだ。そこまで緊張するほどじゃない。恋愛感情とは関係ないことだし。
 私は席を立って、ペコラの頬に顔を近づける。
「目を閉じてなさい、ペコラ」
 ちゃんと私の命令は聞くペコラ。

 あんまりじらすとこっちも固くなるから、すぐにくちびるを近づける。

 その時、扉が開いた。
「いや~、お師匠様、本当に怖かったですよ……。水牢につけられるところでした……」
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