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スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました 作者:森田季節

ドラゴンが来た編

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7 弟子ができました

たくさんの応援ありがとうございます! 土日前ですし寝る前にもう一度更新します!
「ドラゴン族はマナもたくさん持っている者が多く、こうやって姿を人間に変えることもできるのです。こうしないと人間の里に出ていくとパニックを起こしてしまいますから」

 ライカというドラゴン少女が言った。

 たしかにドラゴンが村にやってきたら、村は大変な騒ぎになるだろう。村の人間をすべて動員してもこんな巨大な生物に勝てる手段など存在しない。

「でも、少女って年じゃないよね?」

 一人称が「我」で十三歳ですということはないだろう。とてつもない中二病だぞ。ああ、でも中二だったらリアル十三歳って可能性はあるが。

「そうですね、かれこれ、生まれて三百年になりますかね」

「だいたいタメか」

 三百歳でタメというのもおかしいが、実際そうなのでしょうがない。

「さて、自己紹介も終わったところで、今日の目的物をお持ちいたしました」

 ライカは大きな布の袋をテーブルに置いた。
 少女が持てる重さではなさそうだが、そこはドラゴンだから問題ないのだろう。

「これは何?」

 のぞきこんですぐに答えが出た。

「金貨、つまり修理代金か」

「そういうことです。これまで我が貯金していたお金を持ってきました」

 意外と蓄財しているな、ドラゴン。

「ありがとう。これだけあれば修理ぐらいならできるでしょ」

 家を現状復帰させることだけならこれで大丈夫そうなので、私もほっとした。

 しかし、まだ何か言いたいことがあるのか、ライカはもじもじしていた。

 もしや、この金がないと難病の娘が救えないとか、そんな理由でもあるのか? 私も鬼ではないので、そのあたりの事情があるなら汲むつもりだが。

「その、実はお願いがありまして……」

「何? 言うだけならタダなんだし、好きなだけ言っていいよ」

「我を……で、弟子にしていただけないでしょうか?」

 言われて、きょとんとした。

「弟子? つまり、私が師匠?」

「はい。魔女様と戦って、我がまだまだ未熟であるということを痛感しました。ナンテール州最強という思いあがりを捨てて、また一から勉強したいなと思っている次第です」

「その心構えは美しいけど、で、弟子?」

 そんなの三百年生きてきて一度だって考えたことなかったぞ。

「あのね、しゃべったからって弱くなるわけじゃないから言うけどね、私は特殊な訓練で力を手に入れたんじゃないの。近所にいるスライムを倒す生活を長らく続けてたら、経験値がたまりまくってこうなっただけなの」

 だから教えられる知識など何もない。

「いえ、まさしくその努力の積み重ねこそ見習いたいのです! 我はドラゴンとしての力を過信して、傲慢になり、腕を磨くということをしてきませんでした。その結果が無様な敗北なのですから!」

 思った以上に真面目だぞ、このドラゴンの子……。

「でも、それだったら何を教えればいいのよ」

 技術を教えないんだったら弟子にする意味がないだろう。

「住み込みで働かせていただければありがたいのですが」

 ルームメイトということか。
 正直、大変悩んだ。
 別の人間が住んでいるということは一人でだらだらするのとは違って、ストレスが発生するからだ。

 それに三百年間一人暮らしだったので、今更二人暮らしというのもな……。

 待てよ。

「住み込みと言ったよね?」
「はい」
「ということは料理作ってくれたり、掃除してくれたりもするの? いや、全部任せっぱなしってことはしないつもりだけどね」
「もちろん、やりますよ。料理も掃除もお願いして、しかも弟子にしてくださいっていうのは都合が良すぎますから」

 ちょっと気持ちが揺れ動いた。
 だったらいいかな。
 三百年の一人暮らしで生活がマンネリ化していたというのも事実だ。もはや伝統といったほうがいい域ではあるが。

「わかった。あなたを弟子にすることを認めましょう」

「ありがとうございます!」

 ライカは丁重に頭を下げた。

 こうして弟子ができました。

 でも、本当に共同生活となると、改善しないといけない点もある。

「あのさ、ライカ、私の家の修理だけでなく、むしろさらなる発展を考えないといけない」

「魔女様、それはどういうことでしょうか?」

 この魔女様という呼び方も後で変えてもらおうと思うが、まず目の前のトピックを解決することにする。

「修理しただけだと狭いから、むしろ部屋を増設していく必要がある」

「なるほど。たしかに」

「だから、バージョンアップした家が完成するまでしばらく、村で私は寝泊りするね。あなたも宿にでも泊まって」

「じゃあ、せっかくですし我が建てましょうか?」

 予想外の返事が来た。

「建てるって、あなた、建築士の免許なんてないでしょ?」

「材料の木や石さえあれば、あとは組み立てるだけなんで、どうとでもなります。お任せください」

 ライカはどんと胸を叩いてやれるということをアピールした。
 見た目十三歳ぐらいの少女だから、家を建てられそうな印象はないのだが、そんなに言うなら任せてみるか。

「木なら私が薬草を採る範囲の森は使用する権利を取得してるから、そこのを使える。あなたに託すわ」

「ありがとうございます! 魔女様のお気に召すようなものを作りますので!」

「ああ、念のため、私も同行するわ」

 ドラゴンの価値観がそのまま通用するかまったくの謎だからな。

 ライカは村の外まで来ると、その姿をドラゴンに戻した。

「飛んだほうが楽なので、我はこの姿で移動します。力も出しやすいですし」

 たしかに私が戦ったドラゴンだ。

 村の外に来たとはいえ、絶対に村から見えてるよな。これもあとで村に説明しておかないといけない。

「魔女様も背中にお乗りください。このまま森まで行きますので」

「その魔女様っていうのやめてくれないかな」

 だって、魔女に弟子入りするということはライカも魔女見習いみたいなものなので、なんか微妙なのだ。

「一緒に生活するんだし、名前のアズサでいいよ」

「では、アズサ様とお呼びさせていただきます」

 様付けの部分は、まあ、いいか。こっちが師匠になるわけだし。

 私はライカの背中に乗った。乗り心地は悪くない。少なくとも落下する恐れはなさそうだ。

「飛んでいきますので森の方角、教えてくださいね」

 なんだかタクシーみたいだと思った。
次回は弟子のドラゴン少女が家を造ります。
ブクマ・評価点本当にありがとうございます! すごくやる気になります!

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