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スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました 作者:森田季節

喫茶『魔女の家』編

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45 喫茶店繁盛しすぎる

「はい、二名様ですね! 中のお席がいいですか? 外のテラスがいいですか? では、中のこちらへ!」
「一名様ですね。すいませんが、カウンター席でもよろしいですか? はい、ではこちらへ!」
「五名様ですね! では、こちらのテーブルへ!」

 私はどんどん客をさばいていった。さばきつつも笑顔は忘れずに。
 ちなみにカウンター席というのは急遽、長テーブルを壁際に置いたものだ。当初の予定にはそんなものはなかった。

 もはや、ゆったりくつろいでもらうというコンセプトに関しては崩壊しているな。回転率を相当に上げていかないと、入れないお客さんが出てきてしまう。

 ただ、お客さんはずっと並んでいた時点でそんなのはわかっているので、クレーム的なことは何もなかった。むしろ、こっちがアイドル的な声援を受けて困った。困ったというか、これは恥ずかしい……。

「ウェイトレスの魔女様、美しい!」
「ハルカラちゃんも!」
「双子のウェイトレスさんも最高にかわいい!」

 まさか、こういう形の人気を得ることになるとは想定していなかった……。
 ちなみに女性客も半数いる。日本のアイドルも女性ファンがけっこういたりするケースもあるので、そういうものなんだろうか。

 だが、なんといっても、一番人気というか、一番注目を集めたのは――

 ライカだった。

「お待たせいたしました……。ご注文いただいたオムレツでございます……どうぞ、ごゆっくりと召し上がってください……」

 基本は厨房にいるのだが、たまにライカが自分で料理を運ぶ時に顔を出したりするごとに、お客さんの視線が集中する。
 食事中のお客さんなんかはフォークやナイフを持つ手を止めてしまっている。

「て、天使だ……」
「いや、女神でしょ」
「あんな妹がいたら、一日一時間抱きついてる自信あるわ……」
「余計な言葉は不要だ。見つめるだけで尊い」

 ここでもライカのかわいさは完璧だった。男性陣だけでなく、女子もすっかり目を奪われている。ティーンエイジャーとおぼしき女の子たちがきゃーきゃー言ってるテーブルもある。

 実際、私も最初に見た時、圧倒されたぐらいだったからな。私の感覚は間違ってなかったということだ。
 もし、妹にしたい美少女ランキングなんてのがあったら、確実に一位に躍り出るだろう。今、着ているのは給仕服だけれど。

「あの、皆様、そんなに見つめられると、その……恥ずかしいのですが……」

 顔を赤らめてもじもじするライカの破壊力がまたひどいことになっている。
 ついにのぼせて鼻血を出したお客さんまで出てしまった。

「やっぱり、ライカちゃんだな」
「真面目な子がああいうのを着ているっていうのがいいんだよね」
「ハルカラちゃんもいいけど、あの子はあざとすぎるんだよな」
「女の子のよさはおっぱいだけじゃないからね」
「とはいえ、おっぱいも好きだけどな!」

 そういう、多少問題のある発言が至るところで聞こえてきていた。

 おかしいな……。もっと、ほっと一息つける隠れ家カフェ的なものを目指していたつもりだったのに、そこはかとなくいかがわしい感じすらするぞ……。

 想定からずれていた部分はあるものの、お店の評判自体は上々だった。

「このジュース、実にさわやかだ!」
「このスープもほっこり温まるわ。家庭的なのに、お店の上品さもある!」

 メニューもハイクオリティなものばかりだからな。間違いなく満足してもらえる自信がある。これもライカとハルカラのおかげだ。もっとも、私が何のチェックもしていなかったら、とんでもないものが並んだ危険もあったのだが……。

 そんなわけで、評判に関しては何の問題もなかったのだが、それってイコール忙しいということで……。

 もう、昼前にはシャルシャが裏手で座りこんでしまった。
「母さん……もう足が動かない……ごめん……」

 たしかにシャルシャはそんなに体力があるほうでもないし、ハードワークだったか。いや、姉のファルファのほうはまだ元気そうだから、これ、気疲れも入ってるな。

 当然、お客さんはかわいい双子のウェイトレスにも視線を送るので、それで緊張してしまったのだろう。シャルシャはファルファと比べるとかなり内向的な性格だから。

「わかった。シャルシャ、あなたは休んでていいよ。むしろ、気づかってあげる余裕がなくて、こっちこそごめん」
「じゃ、じゃあ……お会計の係だけやる……。それだったらそんなに動かなくて済むから……」

「わかった。じゃあ、もうダメだと思ったら我慢せずに言うこと」

 うれしい悲鳴ではあるのだが、ここまで繁盛するとは思っていなかった。あまり見かけない顔も多いし、フラタ村だけでなく、もっと遠方からも来てくれているらしい。

 これがラーメン屋ならスープ切れなんでここまでですとか言えそうなものだけど、喫茶店だし、今日限りの臨時のお店だから、また来てねとも言いづらい。

 とにかくきびきび働くか。テーブルが一つ空いたので、お店の外に出て、次のお客さんを入れることにした。

「はい、次のお客様は何名様ですか?」
「一人じゃ」

 よく知っている顔がそこにいた。

「ベルゼブブ、あなた、よく会うよね。というか、魔族の仕事、暇なの?」
「おぬし、客に失礼じゃぞ……。わらわはこういうアンテナには敏感なのじゃ」

 ベルゼブブは泣く子も黙る上級魔族だが、はっきり言っていい人だ。過去にも助けてもらったことがある。

「しかし、見たところ、かなり参っておるようじゃの。この繁盛っぷりであるから、やむをえぬか」

「やむをえぬでは済ませられないぐらい大変なんだよ。もう、猫の手も借りたいぐらい」

 と、その時、名案を思いついた。
 いや、名案というか、たんなるお願いだな。

「あのさ、ベルゼブブ、もしよろしければ接客手伝っていただけないでしょうか……」
 手を合わせてお願いしてみる。魔族に手を合わせるってなんか邪教崇拝っぽい感覚だな。

「ったく……。おぬしはすぐにわらわを便利屋みたいに使おうとする……。わらわは魔族なのじゃぞ……。そんな気楽に利用できるような存在ではないのじゃぞ……。調子がいいにもほどがあるわ。――――まあ、やってもよいぞ」

「ありがとうございます!」

 ぶっちゃけ、頼めばどうにかなると思っていた。ベルゼブブはそういう人なのだ。

「た、頼まれたからには応えねばならんからのう……」

 ちょっとはにかみながらベルゼブブが言った。
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