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スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました 作者:森田季節

喫茶『魔女の家』編

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42 喫茶店の準備

点数が22000点を突破しました! ありがとうございます! これからもしっかり更新していきます!
「前日祭に喫茶『魔女の家』をやろう!」

 家族の視線がこちらに集中した。

「どう? 悪いアイディアじゃないと思うの。メニューのドリンクはハルカラが用意できるし、店舗部分はライカが増築したウッディなエリアの共用スペースに、机を並べれば問題ないし、家族だけで五人もいるから接客もできるでしょ。あと、前日祭だから、お祭り当日は問題なくお祭りの見物もできるし」

 提案した手前、メリットをどんどん押し出していく。とはいえ、反対されるとは思っていなかったが。
 だが、一人だけ気乗りしなそうな顔があった。
 意外なことにライカだった。

「そうですか……。となると、接客用の給仕服みたいなのを着ないといけませんね……」

 ああ、あのどこかメイド服っぽい服のことか。別にこぎれいなら普段着でもいいと思うのだが。むしろ、ライカの服は普段からかなりセンスがあるものだし。

「普通の服でもかまわないし、接客が嫌なら裏方でもいいけど? あと、そもそもやらないという選択肢もあるし」

 こんなの強制することでも何でもないからな。

「いえ、参加させてください! 娘さんたちの社会学習の場にもなると思いますし!」
 教師みたいなことをライカは言った。相変わらず根は真面目だ。
「給仕服については我慢します……。多分、忙しければそのうち忘れてしまうでしょうし……」

 しかし、なんでそんなに給仕服を嫌がっているのか謎だった。恥ずかしいということならわかるけど、ライカの普段着って黒系のゴスロリみたいな服なんだよな。その時点で庶民的なものとは違う目立つものなんだが。

 まあ、ファッションにこだわりがあるからこそ、譲れない一線なんてものもあるんだろう。

 こうして私たち家族が前日祭に参加することが確定した。
 食後、村長さんに言って、その旨を報告すると、「ありがたいです!」と無茶苦茶感謝された。なんか、村のために一億ゴールドほど寄付したような反応だった。

 そして、翌日。
 善は急げということで、私たちは前に結婚式出席用にドレスを仕立てた店に行った。ここで給仕服をそれぞれ作ってもらうことにしたのだ。

 次の日に服ができたので、取りに行った。
 せっかくなので、家の中で全員で出来上がった服を着てみることにした。

 私は、まあ、ごく普通の接客娘といった感じだ。
 文化祭でよくメイド喫茶をやるが、ああいうことしてる女子高生感。確実にプロのメイド喫茶の店員さんとは違う。
 一般人がとりあえず着てみましたというもので、おそらくメイド喫茶のプロなんかがいたら、お前はわかってないとか言われると思う。そんな人、この世界にはいないけど。

 続いて、ほかの面子の批評をしてみよう。

 まず、ファルファとシャルシャの二人。
「似合ってるかな、ママ?」
「着心地悪くない」
 二人は双子の子供メイドといった感じで、なんというか、とても素晴らしい。ただ、これで男性客の接客をさせるの、ちょっと怖いなあ。かわいすぎて、変な目で見られたら困る。だって、かわいいからね。う~ん、かわいいなあ。

 ちょっと親バカ目線だろうか……。

 続いて、ハルカラが自室で着替えて出てきた。
「あの、これ、採寸してもらったはずなのに、胸がきついんですけど……」
 あっ、そういえばお店の人が「この方はちょっときついほうがインパクトがありますから」とか言ってたような……。

 わかってはいたが、エルフの巨乳ウェイトレスさんだった。
「ハルカラがいると、途端にいかがわしくなるよね。逆に一人でそれだけいかがわしくさせちゃうのすごいよ、マジで」
「お師匠様、それ、褒めてらっしゃいますか……?」

「需要はあると思う。ただ、そういう需要の人ばかりが来てもちょっと困っちゃうかな……。ちょっと、そのへん歩いてみて」
「歩くだけですか? こんな感じですか?」

 ハルカラが歩く。
 胸がしっかりと揺れる。それはそれは、けしからんほどに揺れる。その胸は水でできているのかというほどに揺れる。

 女でもそこに目がいくもんな。絶対、ハルカラめあてで来る人いるぞ。

 そしてラストの登場は最初気乗りしていなかったライカだ。
 自分だけ着ないのはダメだといって、ちゃんと服は作って、給仕もすると言っていたのだが。
 ライカが自室からこっちにやってきた。

「あの、その……おかしな点はないでしょうか……?」
 私は、思わず口を押えてしまった。しかも、ちょっとしゃがみこんだ。

「あれ、アズサ様? どうかなされましたか? 体調でも崩されましたか?」

「す、素晴らしい……神だ……神がいる……」

 これは私だけの異常な反応じゃない。ハルカラも「最高のウェイトレスです……」とちょっと茫然としていた。

 そう、ライカはその給仕服が似合いすぎていたのだ。

 初めて接客業をすることになったかわいらしい娘さんが着てみましたといった雰囲気が出ていて、しかも不安げな表情もその服の装飾もすべてが調和して、しかもコケティッシュで、破壊力が恐ろしいことになっている。

 女子でも、この子お持ち帰りしたいと思うほどの愛くるしさだった。

「そっか……。普段からふりふりの服を着てるからこういうのも似合うよね……。と言うか、似合いすぎ……」

 ライカは褒め方が褒め方なので、うれしそうではなくて、明らかに恥ずかしそうだった。

「実は、昔、ドラゴンの学校の演劇で給仕役をやったのですが、その時も似合うとやたらと言われまして……。あまりにも周囲がそう言っていたので、ちょっと怖くなったんですが……。今回も似た反応ですね……」

 なるほど。乗り気でなかったのは似合いすぎることを知っていたからなのか。

「ライカ、恥ずかしいかもしれないけど、それは一度やったほうがいい。あなたはもっと自分の才能を前に押し出すべきだよ」

 なんか芸能プロデューサーみたいなことを私まで言っていた。

 ひとまず、準備は整ってきたな。
 いや、服を作っただけだけど、料理のほうは割となんとでもなるからな。

 テーブルは買ってもあとで邪魔になるし、村で余ってるものを借りてこよう。

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