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スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました 作者:森田季節

ドラゴンの結婚式に行った編

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35 怒りの魔女の力

レベル99の本領発揮します!
 私の足で駆けていくと、そう時間を置かずに喧騒が大きくなってきた。
 ドラゴンの戦いだから当たり前と言えば当たり前だ。隠せるようなサイズじゃないからな。
 適当なところでひきずったブルードラゴンを置くと、私は空中浮遊で一気に距離を詰める。
「青い奴は全部やっつけるから!」

 ドラゴンは顔を狙うと倒しやすい。それはさっき学習した。

 火炎の魔法をドラゴンの顔に向けてガシガシ撃ち込んでいく。
「うわあっ!」「きゃぁっ!」
 悲鳴が上がる。人間でも顔を狙われるとひるむよね。悪いけど、容赦はしないぞ。
 これでファーストアタックの用は果たせる。あいさつ代わりにとにかく火を撃つ。

 コールドブレスを吐いてくる奴もいるけど、バカみたいな発想だ。なにせ、こっちは火炎を出しているのだから、そんなもの相殺できるに決まっている。
 人間の火炎魔法なんてどうってことないと思ったら大きな間違いだ。

 こっちのとどめの一撃は、打撃に頼ることにした。雷撃の魔法を使ってやろうかと思ったが、これ、威力の調節が極めて難しい。殺しちゃうのはやりすぎだと思うし、その少し手前でとどめたいんだよな。

 基本は顔を殴る。これでKOを狙う。知的生物だから、脳のある頭を攻撃されると、マヒみたいになって動けなくなるはずだ。ボカスカ攻撃を加えていく。
 幸先よく三体がずしりと沈んでいった。

 今度は風の魔法も使うか。
 ドラゴンの頭上に舞い上がると、そこから真下に竜巻をぶつける。
 二体が風に叩きつけらて、地面に思いきりぶつかった。

「アズサ様! ありがとうございます!」
 ライカの声が後ろから聞こえた。ライカは翼で空を飛びながらの空戦中だった。

「こいつら、すごくムカついたからしばくことにしたの。お灸をすえてやらないと気が済まないから!」
 しゃべりながらもまた新しいドラゴンを殴る。鉄拳制裁だ。
 殴ってるこっちも痛いんだとかいう言葉があるが、こっちはそこまで痛くない。もっとも、多少、痛かったとしても耐え忍ぶ。これは戦いなのだ。

「ライカ、こっちはとっとと終えて、早く火山のほうにも行かないとまずいよ。そっちも攻められてるらしいから!」
「わかりました! アズサ様の活躍でこの方面は優勢になりました! このままいけば勝てます!」

 そういえば、戦闘中のブルードラゴンは数が減っている。私一人でもけっこ削ったからな。三分の一は倒したかな。そりゃ、それだけ倒せばどうにかなるか。

 そして、ブルードラゴン掃討作戦を続けていると――
「お前、いったい何者なんだ?」
 空を飛ぶブルードラゴンが不審そうに尋ねてきた。
 あっ、こいつは向こうの総大将だな。

「ええと、あなた、フラフラッテ?」
「フラットルテだ! お前、どういう人間なんだ? どうして人間が物理でドラゴンに勝てる!」

 不思議がっているので答えておく。
「ローマは一日にしてならずということ、かな?」
「ローマって何だ!」
 あ、そうか、ローマなんて都市は知らないよな。

「そういう古い都市があるの。とにかく、こつこつ積み上げたら、打撃でもどうにかなるの。ほら、ゲームでもそうでしょ?」
「ゲームって何のことだ!? ずっと訳わからんことを言いおって!」
 どうも戦闘してると前世の記憶が強くなるな。

 さて、無駄話はここでおしまい。制限時間いっぱい。

 さてと、ボスキャラはどうせならかっこよく倒したいな。
 私はフラットルテにわざと背中を向ける。
「逃がしはせんぞ!」ケンカ売ったからにはこっちが勝つからな!」
 逃げなんてするか。むしろ、こっちこそ逃がさない。

 自分の側に手を向けて。風を起こす。
 こうすると、自分が前に飛ばされていく。
 その勢いに乗って――相手の鼻っ柱に回し蹴り!

 バシーンッ!

 見事に決まった! しかし、総大将だけあって、これだけでは倒れない。
「くそっ! 凍りつかせてやるわ!」
 ったく、バカの一つ覚えみたいにそれしかできないんだな。
 私は全力の火炎を敵に向けて放つ。

 コールドブレスを炎が覆い隠した。そのまま、フラットルテの顔に炎がぶつかる。
「あっつ! あっついっ! 火傷する!」
 あなたが悪いんだからね!

 私はフラットルテの頭上に舞い上がると――一気に急降下する。
「魔女のかかと落としっ!」
 ヒールが容赦なく、頭にめりこむ。

「がっ……はっ…………」
 そのままフラットルテはずしんと大地に墜落していった。

「私の勝ちだね」

 総大将が敗れたのが契機になった。まだ残っていたブルードラゴンも恐怖を覚えて、逃げ帰っていく。

「さてさて、こっちは制圧したと考えて問題なさそうね」
 私はゆっくりと地面に降り立つ。
 ドラゴンといっても、たいしたことなかったな。むしろ、相手が大型でこっちが小型な分、やりやすいぐらいだ。的確に相手の弱点を狙って攻撃できるわけだしな。

「アズサ様、本当に八面六臂の活躍です!」
 手の空いたライカがこっちにやってきた。
「まあ、今回は人助けというか自力本願って感じかな」

「アズサ様、ちょっと手に乗ってもらえませんか?」
 ライカがドラゴンの大きな手――動物だと前足だけど、ドラゴンは高等動物なので自分たちも手と言っている――を私の前に差し出した。私は弟子の要請に素直に応じる。

 そのままライカは私を乗せてみんなの前にかざした。なんか、手乗りハムスターみたいだけど。

「みんな! アズサ様がやってくれました! これが高原の魔女の力です!」
 なるほど、ヒーローインタビューのお立ち台みたいなものか。
「見ていたけど、本当にすごかった!」
「高原の魔女万歳!」
「さすが世界最強の生物!」

 いや、世界最強の生物ってあおりは女子っぽさが皆無なのでやめてほしいんだけど……。とりあえずありがとうございます!

 ただ、大団円にするには早すぎる。戦いはまだ終わってはない。

「今度はロッコー火山の火口部のほうに行かないと。そっちを奪われたりすると厄介なことになるでしょ」

「そうですね……。そこには観光客の人もかなりいますし、一般人が巻き添えを食うおそれもあります……。しかも今日は結婚式でそちらに残っているドラゴンの数も少ないですし……」
 だったら、いよいよ急がないといけない。
更新が三連休中、ちょっとだけ不定期になります。
三連休分の原稿ストック自体はあるのですが、旅行先でネット環境があるか少し不安なので、リスクヘッジのため明日の分にあたる更新を本日の深夜に行う予定です。

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