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スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました 作者:森田季節

ドラゴンの結婚式に行った編

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30 恋愛について考えてみた

今回から新展開です。家でコイバナ?の話をしてます。2万点突破! まことにありがとうございます!
「ふあ~あ。おはよう、ライカ」

 私が食堂に出ていくと、すでにほかのメンバーは全員集まっていた。ライカは台所で朝食を作っている。

「おはようございます、お師匠様。こんなにお師匠様がゆっくりなのは珍しいですね」

「ハルカラ、おはよう。まあ、そういう日もあるよ」

「まさか、ライカさんと眠れない夜を過ごし……」

「あんた、ちょっと思い込み激しいところがあるでしょ……。新しい魔導書を買って熱中して読んでたら夜更かししちゃったの。娘もいるんだから、もうちょっと言葉には気をつけてね」

「はい、すいません、お師匠様……」

 素直に反省しているようでよろしい。

「ただ、わたしまだ若いので、こう、なんというんですか、コイバナ的なものを求めているわけですよ。別に自分の恋愛じゃなくてもいいんです。周囲の誰かのコイバナがほしいんですよ!」

 食い気味でハルカラが訴えてきた。

「ところで若いって、あなた、何歳なの?」

「じゅ、十七歳……………………と二千五百ヶ月です」

「二百歳、余裕で超えてるじゃん」

 三百年生きてる私が言うことでもないけど。

「いや、エルフ的にはまだまだ脂が乗ってるお年頃なんですよ! 年齢はこの際置いておいてですね、こう、恋愛模様とかないんですか!?」

「ぶっちゃけ、ない」

 この三百年間、恋と呼ばれる経験はないな。まったくない。

「じゃあ、ファルファちゃんとシャルシャちゃんはどうですか? 恋とかしてませんか?」

「ママ、だーいすき!」
「シャ、シャルシャもそんなところ……」

 娘に大好きと言われる瞬間、プライスレス。本当に生きててよかったと思うわ。

「あ~、そういうのじゃなくて、男の人を好きになった経験とかはありませんか? いえ、女の人でもそれはそれでいいんですけど」

「あのね……娘に変なこと教えないでくれる……?」
「お師匠様、それはむしろ逆効果です! 恋愛に関する知識がなさすぎると、かえって娘さんが傷つくことだってあるかもしれないんですよ。娘さんたちも人間の価値観でいくと孫がいてもおかしくない年齢ですよ」
「うぐっ……そこそこ正論だ……」

 たしかに、今後、娘に好きな人ができないと断言できる根拠なんてどこにもないからな。
 しかし、見た目は十歳ぐらいだし……だったら余計なことを教えないほうがいいのでは……。

「母さん、何を悩んでるの?」
 シャルシャは私が困っていると、すぐに反応する。
「愛とは何か、あなたたちにどう説明すべきか考えてるの」

「愛、それは神が人間に与えた最も素晴らしいもの。神学的にはそうなっている」
「う、う~ん、理屈ではそうかもしれないんだけど、何かが違う」
「なお、愛が発生した時に表面上に快の感情が生まれるが、この快は愛そのものではなく、むしろ愛を覆い隠す霧のようなものであるから、これに惑わされないように気をつけねばならない。神学ではそう解釈されている」

 あれ、私のほうが愛とは何か教えられてないか?

「最近の神学の流行では、愛を神の絶対愛・家族愛・友愛・恋愛の四つに分類することを説いているけど、長くなるから後で説明するね」
「うん……。ありがとうね……」

 やっぱり愛って難しいな。しかもいつのまにか恋の問題が愛にすり替わってるけど、恋と愛も別概念だとかいう話も聞いたことがあるし……どんどん訳がわからなくなってきた。

 私が苦悶の表情を浮かべていると、料理の載った皿をライカが持ってきた。

「はい、炒り卵をパンの中にはさんだものです。火傷しないように注意してくださいね」

 そうだ。ライカに恋愛経験でも聞いてみようか。

「ねえ、ライカ、恋ってしたこと――」

「あっ、アズサ様にお伝えしておかないといけないことがあったんでした」

 お皿を置いたライカがぽんと手を叩いた。



「実家に帰らせていただきますね」



 私は一瞬、ぽかんとしてしまった。

「え、え、え、え、えー! 何があったの!? そんな生活に不満があったの!? 不満や悩みがあったら、包み隠さず話して! 改善するから!」

 私は後輩が会社を辞めた時のことを思い出した。
 先輩として、せめて次の仕事が見つかるまでは我慢しておこうとかアドバイスしたなあ。でも、私が過労死したぐらいだから、ある意味、後輩の判断、先見の明があったよね……。過労死するぐらいなら無職になったほうがマシだよね……。

 ダメだ。辞めたほうがいいみたいな記憶になっている。

「ライカ、私は魔女として問題あったかな……? 教え方がまずかったかな……? お願いだから、話して!」

「あの……アズサ様!? どうしたんですか?」

「どうしたもこうしたもないよ! 弟子って扱いとはいえ、家族だと思ってるんだから! 出ていくなんて言われたら取り乱すよ!」

 本当にライカにはお世話になった。ファーストコンタクトこそ、物騒なものだったけど、今はそれを含めても実にいい思いでなのだ。

「アズサ様、ひとまず落ち着いてください!」

「だ、だって、落ち着けないって、こんなの……。弟子辞めないでよ、ライカ!」

「辞めたりなんてしませんよ! 姉の結婚式があるので、出席するために実家に帰らせていただくだけです!」

「え? 結婚式……?」

 そういえばシャルシャが攻めてきた時、ライカ、そんなことを言っていたな。

「そうです。ドラゴン族の住むロッコー火山で結婚式があるんです。姉が幼馴染と結ばれることになりました。ちなみに、どちらもドラゴンですよ」

 ファルファが「わーい! おめでたーい!」とすごく喜んでいた。たしかにおめでたい。
 シャルシャは「これが愛の形ね」と悟ったようなことを言った。

 たしかに結婚って恋愛の一つの完成形だよな。

「そっか、それはぜひ出席してあげて。お姉さんも喜ぶだろうし」

「はい。二人の新しい門出を祝いたいです――あっ、そうだ」

 何かライカは思いついたらしい。

「もし、よかったら結婚式に一緒に行きませんか? 式典だなんて堅苦しいことは考えなくてけっこうです。お祭りや旅行に行くと思っていただければ」
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