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スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました 作者:森田季節

神様が来た編

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274 神様について

今回から新展開です! よろしくお願いいたします!
 その日、フラタ村に買い物に出ていたら、村の教会でライカが工事の足場を組む手伝いをしていた。

「いや~、ライカちゃんのおかげで早く進むよ!」
 教会の人が頭を下げて感謝の意を示していた。
「いえいえ。これぐらい朝飯前ですので」
「ライカちゃんとその家族に幸運が訪れますように。あっ、これ、教会で聖別した羊肉だから、よかったら持っていってね」
「お肉! うれしいですっ! すべて残さずいただきます! ありがとうございます!」

 ライカのテンションがその瞬間、上がった!
 お肉目当てだったんだろうか。でも、力があるからってただ働きでずっと駆り出されるのも問題だから、落としどころとしては悪くないだろう。

 そのあと、せっかくなので、私はライカと一緒に帰宅することにした。
「今更だけど、この世界って多神教なんだよね~」
 ライカの教会の手伝いでそんなことが頭にのぼった。

 ファンタジー世界はヨーロッパぽいけれど、精霊を信仰していたり、いろんな神様を信仰していたりするので、ヨーロッパぽいというより、ローマ帝国ぽいと言うべきかもしれない。

「我は宗教の難しいことはわからないですが、多くの種族が生活していますし、自然と信じる神も増えていったのではないでしょうか」
「あ~、だよね。いろんな種族が住んでるものね」

 人の言葉を話す種族だけでも、かなりの数がいるわけで、それが常識になっているから、多神教に寄っていったのかもしれない。

「そのあたりのことは、シャルシャちゃんに聞けば、きっとたくさん教えてくれるかと思いますよ」
「あっ、うちにはまさに専門家がいたや」
 私はぽんと手を叩いた。



 その日の夜、シャルシャに「神様について知りたいんだけど」と言ったら、シャルシャはこころなしか胸を張った。これはやる気になっている。

「任せてほしい。今から講義を行う」
 そして、シャルシャはとんでもなく分厚い本を持ってきた。

 タイトルは『神格大辞典』。うわあ……これ全部、神様について書いてるんだよね。どんだけいるんだ……。

 でも、おかしくはないか。日本でも仏像辞典とか神様辞典とか売っていたはずだ。世界には数えきれないほどの神様がいるんだ。

「では、講義を行いたい」
「はい、よろしくお願いします」
 娘から学ぶというのも変な感じだけど、年齢的にはシャルシャも五十歳を超えてるから、大学教授として違和感ない歳だ。

「今から千五百年ほど昔、神とは人間が作り出した概念ではないかと提唱した大学の哲学者がいた。だが、宗教裁判になった挙句、何人もの神々がその議場に現れて、その哲学者は大学を追放された」
 しょっぱなからこの世界がいかに前世と違うかを思い知らされた……。

「そうだよね……。神様が出てきてもおかしくないよね……」
 私は神様をこの世界で見たことはない。だが、精霊は何人も目にしている。
 精霊は地域によってはごく自然と信仰対象になっているし、それをもって神が実在していると言ってもいいんじゃないだろうか。

 この世界には神様がおそらくいる。
 絶対的な力を持ってるかはわからないけど、多分いる。
 だから、おそらくだけど、神学とかもずいぶん違った進化を遂げていることだろう。

 シャルシャの講義は続く。
「今の神学では神が存在することは確実とされている。ただ、どれぐらいの数の神がいるかということは有限である人は認識不可能ということになっている」
「うん、そのあたりはだいたいわかるよ」
「そして、最近の神学のメインテーマは『神の定義について』。どこからを神とするかは各派で意見がばらばらでちっともまとまっていない」

 まあ、数百年生きてる存在なんてごろごろいるもんね……。
 どこからが「神」で、どこまでが「すごいだけの奴」かというと、難しい。

「学者によっては千年以上生きてる者は神ではないかと提唱したが、それは退けられた」
「その定義によると、ペコラもベルゼブブも神ってことになるね……」

 魔王の時点で神みたいなものかもしれないが、あの子を信仰するのは無理がある……。神々しさがなさすぎる……。ちょくちょくイタズラを仕掛けてきて、アイドルの真似事をしてる子を崇拝はできないでしょ……。

「先に結論を言うと、『みんなが神様と思う者が神様である』ということに今はなっている」
「定義論争が起きた時に落ち着く結論だ、それ!」

 つまり、何でもありということか。
 実際、何でもありの世界だもんね……。仕方ないよね……。

「なお、流行神というのも毎年、各地で発生している。この神はご利益があるとされ、信者を多く獲得するというケースが随所で見られる。そのうち、大半はすぐに廃れて、一部が長く信仰され、いつしか伝統的なものとして定着していく」
「なるほど……。宗教ってそうやってできていくのかも……」
 少し前に狐になったことで思い出したけど、お稲荷さんとかも日本に古くから存在はしていたものの江戸時代に急速に広がっていったはずだ。テレビでそう言ってたのを見たことがある。

 そこでシャルシャは本をぱたんと閉じた。
「ここから先は個別の神様の話になる。でも、母さんはそこを知りたいわけじゃないだろうから、ここらでやめておく」
「うん。おおかたのことはわかったよ。ありがとね」

 思ったより早く終わった。
 神様がこの世界ではあいまいなものだということだけはわかった。

「ちなみに最近の流行神だとメガーメガ神というのがいる」
 なんか、頭の悪そうな名前の神だな……。

「メガーメガ神の言葉を唱えると、力が湧き上がり、体の不調が治り、片方だけ行方不明の靴下が見つかり、恋愛運がアップすると言われている。王国の各地で今、信者が増えている」
「待って待って! 無茶苦茶うさんくさいよ!」
 なんだ、靴下が見つかるって。そんなんでよく信じられるようになったな……。

 シャルシャは分厚い本とは別の本を開いた。タイトルは『最新の流行神! この神がすごい!』。急に書名がゆるくなったな。

「ここに詳しく書いてある」

===
メガーメガ神のお言葉を唱えると驚きの効果が!
お言葉のおかげで大学に合格しました! (サットー州、十九歳男性)
お言葉のおかげで意中の彼とゴールイン! (レックトラン州、二十三歳女性)
お言葉のおかげで持病の腰痛が消えました! (マクセント州、五十四歳男性)
お言葉のおかげで本当に靴下がどんどん見つかりました! (王都、三十四歳女性)
===

 マジで靴下見つかってる!

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