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スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました 作者:森田季節

エルフが来た編

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26 ベルゼブブ対策

今回、新キャラが登場しています(ウソは言ってない)。
 私とハルカラは村を出るとすぐに屋敷に戻った。

 ここまで、早く人相書きで出回るとは思ってなかった……。弟子だと思わせておく作戦は逆効果だったか。

「まず、しばらくは外出を禁止するから。人相書きまで出回ってないのがせめてもの救いだけど、このへんはエルフなんてほとんど住んでないから、エルフってだけで、もしやと思われる。当面は村の人との接触は避けること」

「はい……。気をつけます……」

 ハルカラは帰宅すると、がたがた震えていた。

「こ、来ないですかね……? ベルゼブブの追っ手、来ないですかね……?」

「ほら、気をたしかに持って。『あんたがあのハルカラか』って聞いてきた村の人はいなかったでしょ。どうにか誤魔化せるって。そう信じよう……」

 とはいえ、危険はある。

「ライカ、あなたの故郷に娘を疎開させられる?」

「はい、こちらから言おうかと思っておりました」

 ライカがいてくれて本当に助かった。

「じゃあ、お願いするね」

 ハルカラを守るつもりはあるが、かといって娘に危害が及ぶ可能性もなくしておかないといけない。こういうのは全員守れないと成功にはならないのだ。

「母さん、シャルシャも戦いたい……」
 シャルシャが私のところに思いつめた顔で来た。
「前に、母さんを倒そうとしたから、その分、今度は母さんを守るために――」

 私はシャルシャをぎゅっと抱きしめた。
「ありがとうね、シャルシャ。でも、気持ちだけでうれしいよ。あなたは私の娘だから。娘を守るのは母さんのお仕事なの」
「でも、ベルゼブブはとっても危険だって本で読んだことがあるから……」

 そこにファルファが走ってやってきた。
 そのままシャルシャの手を取る。
「シャルシャ、ママが困ってるでしょ! シャルシャのは親孝行みたいだけど、ちっとも親孝行じゃないよ!」
 やっぱり、普段の言動は子供っぽいけどファルファはお姉ちゃんだ。

「うん……姉さん」
 シャルシャも折れてくれた。

「アズサ様、相手は上級魔族です。結界はさらに強化しているほうがいいかもしれないですね。魔族をはじく結界自体は人間の中で伝えられていますし、魔法創作で作ってしまえるかと思います」

「ライカ、ナイスアイディア。それなら、私も魔導書を読んだ知識の中にある」

「では、我はドラゴンに戻って、お二人を背中に乗せて実家へ向かいますので。お手数ですが、安全が確認できたらアズサ様がご連絡に来てください。安全対策のためです」

「うん。わかった。行ってらっしゃい」

 準備された昼食も食べずに三人は足早に屋敷を出て、飛び立っていった。
 そのせいか、昼食の近くで羽虫が飛んでいる。食べきれない分は、氷雪の魔法で凍らせた。

 私は屋敷の外に出ると、その周囲に魔族をはじく結界を張った。

「上級魔族なら突破してくるかもしれないけど、それで力を浪費してくれるならいいか」

 こちらもレベルはチートなのだ。それなりの効き目はあるだろう。

 昼も夕方もとくに何も起こらなかった。さすがにそこまですぐに攻めてこられることはないか。

「このままずっと攻めてこなければいいんだけどね」

「昔から言われていることなんですが、魔族は夜のほうが活発になるらしいんです。もしかしたら、夜に来るということも……」

「げっ……。それだと、ゆっくり寝られないじゃん……」

 夕食時もとくに襲撃みたいなものはなかった。今日は何もないか。まだ、羽虫が飛んでるけど、この世界、殺虫剤ないから放っておく。
 食事の後にハルカラは「栄養酒」を飲んだ。ある意味、ハルカラを追い詰めたきっかけになった張本だ。

「夜に飲むのが癖になってまして……」

 瓶だとけっこう重いのにハルカラが来た時の荷物の中にこれのケースも入っていた。お金に困ったら売れるからだそうだ。

「ハルカラ、今日は私の部屋で寝て」

「ま、まさか、お師匠様、女性が好きなタイプですか……?」

「離れたところにいたら、守りづらいからに決まってるでしょ!」

 私、けっこう、寝つきがいいから、寝ている間にハルカラが襲われてましたなんてことになるぞ。

「で、ですよね……失礼しました……」

 ハルカラのベッドを私の部屋に運んで、対応した。さすがに一つのベッドというのはよくないだろう。純粋に狭いし。

 その日は、ハルカラの寝言がうるさくて、あまり眠れなかった。
「え~、メロンサイズ? それは言い過ぎですって~。せいぜい、大きなオレンジぐらいですよ~。ははは~。お尻は、桃サイズ、なんちゃって~」
 何の夢見てるんだよ! 緊迫感ないな!

 翌日もその翌日も動きはなかった。
 それ自体はたいへんよいことなのだが、絶対に大丈夫ということがわかりようがないのが厄介だ。
 いつまで、この生活を続ければいいのかな。

 ハルカラはその日も夜に「栄養酒」を飲んでいた。
 これを夜に飲むのがハルカラの日課になっている。飲むと徹夜しても耐えられるのだそうだ。徹夜なんてせずに寝てるけど。

「ぷはー! やっぱり、『栄養酒』があれば夜も戦える気がしますね!」
 戦うといっても、ベルゼブブと戦うのは勘弁だぞ。

「あなた、それ、好きだね」
「自分でも飲みたいと思うものを作るというのがわたしの薬作りのコンセプトですので。それに、お師匠様も飲んでるじゃないですか。それもけっこうな数」

「はい? 私、飲んでないけど」

 栄養ドリンクに頼るのは社畜時代を思い出すので、敬遠していた。

「いや、そんなことないでしょう。この何日かわたし以外にも一日一本のペースで減ってますもん。もう、ストックがないから、明日の分は薬草とか使って自作しないといけません」

「え……? 本当に飲んでないんだけど……」

「じょ、冗談ですよね……?」

「冗談じゃないから。こんな時に冗談言わないから」

 私とハルカラは顔を見合わせた。

 どちらも割と青い顔をしていた。

 何かすごくよくないことが起こっているような気がしてならない……。

 ――と、そこに、ぷ~~~~んと何かが飛んできた。

 羽虫だ。そういえば、この数日、ずっと羽虫が部屋にいる気がする。

 よく見ると、その羽虫はハエだった。

 大変、嫌な予感がした。

「ねえ、ベルゼブブってハエだよね?」

「はい、面識はないですけど、ハエの王と呼ばれてるぐらいですから」

「もしかしてだけど…………………………………………そのハエじゃない?」
次回、まともな形で新キャラが顔を出します! ご期待ください!

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