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スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました 作者:森田季節

善い枝侯国を観光した編

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264 善い枝侯国の酒どころ

帰宅したら、コミカライズが重版したという情報をいただきました! 深夜で日は替わってしまってますが、記念更新です!
「ライカ、もうちょっとほかに何かないの?」
「そうですね……。ええと、この善い枝侯国は湧き水で有名だそうです。いろんなところに湧き水があるとか」

「湧き水が豊富なおかげで森も豊かになる。すべてはつながっている」
 シャルシャの説明がそこはかとなく哲学。
「かけっこしたあとに冷たいお水、ごくごく飲むとおいしいよねー!」
 ファルファのほうが、見た目相応な感想だな。

「たしかにここの水はミネラル分が豊富なようね。これなら植物も成長しやすいわ」
 サンドラも喫茶店ではコップから水を飲んでいた。水分は口からも摂取可能なのだ。
 ちなみにサンドラも最近になってとくに問題がないと気づいたらしい。本人いわく、水分の吸収率は悪いが飲むこと自体はできるのだという。
「ここで育てば私もきっと豊満なボディになったと思うんだけど、エルフに見つからずに長い間、生きるのがまず難しいわね……。やっぱりこの土地はマンドラゴラにとったら怖いわ」
 豊満なボディのサンドラがいまいち想像できない。

 それはさておき。
「アタシはどうせ飲めないんでよくわかりませんが、生きてる人も湧き水ばかり巡っても面白くないんじゃないでしょうか?」
「うん、ロザリーの言うとおりなんだよね……」
 湧き水巡りも絶対に飽きる。むしろ、大樹巡りよりもさらに早く飽きる危険もある。

「もっと、こう、楽しめる要素ってないのかな……? 観光資源が地味なんだよね……」
「ちょっと待ってくださいね……。もう少し調べてみます……」
 ぱらぱらとライカがガイドブックをめくっていく。

「なるほど……。こういうものがありますね。でも……これは……家族全員が楽しめるものでもないですし……。ああ、ハルカラさんはいないので、そこはちょうどいいかもですが……」
「ライカ、いったい、何を見つけたの?」
「アズサ様、このあたりはお酒も有名だそうです。いろんな果実酒を作っているとか」

 ライカが懸念を示していた理由がよくわかった。ハルカラがいたら、また酔いつぶれる案件になる。
「きれいな湧き水があるということは、酒作りにも適しているということ。しかも、この土地ではいろんな果実もとれる。ちょうどよかった」
「シャルシャ、本当に地理に詳しいね。自慢の娘だよ」
 お酒が飲めないのにお酒の産地含めて特産品には詳しい学生とかっているよね。

「果実酒の試飲による飲み比べをしている施設もあるそうです。『善い枝よいどれ酒蔵』というところですね」
 なんか突然、世俗っぽさが増した気がする。

「興味はあるんだけど、ファルファもシャルシャもお酒飲めないし、ロザリーは幽霊だからそもそも飲食不可能だし、サンドラも飲めないし……過半数以上が飲めないのに行くのはまずいね」
 もっとみんなが楽しめるところに変えるべきだな。

「あの……多分なんだけど……」
 サンドラが怖々と手を挙げた。
「おそらくなんだけど、私ってお酒飲めると思うの。というか、酔うって概念がないかも……」
「言われてみれば、植物なら酔わないのかな……?」
 見た目が思いっきり子供なので、私がとんでもない母親みたいに見えるが、法律に抵触しているわけではないし、試すぐらいならいいのか。

「それに、私もお酒がどんな味か飲んでみたいし……。大人になれるかなって……。昨日みんな楽しそうに飲んでたし……」
 サンドラが大人の誘惑を受けている!
 ここは母親役として止めるべきなのか? しかし、サンドラの場合は母親として私を認めてるわけじゃないし、年齢的にも自立してるので、ダメと強制するほうが横暴なのだろうか。
 やめよう。例外的な存在が家族に多すぎて、こういうことを考えても正しい答えとか出ない……。

「楽しそうに飲んでたっていっても、ハルカラ一家はみんなあとで蒼ざめてたぞ。ブルードラゴンのアタシより青かった」
「あの家族はただのやりすぎよ! そりゃ、炎だって調理にも使えるけど、家を火事にすることもあるわ。程度がわかってないのは論外だわ!」
 サンドラの言ってることは正しい。けど、サンドラから見てもハルカラ一家は問題児なのか……。

「あっ、アズサ様、アルコール成分のない果実ジュースも飲めると本に書いてありました」
 ライカがよい情報を提供してくれた。
「わーい! ファルファ、ジュース大好き! とくにりんごのジュースが一番好き!」
「シャルシャはオレンジ、ブドウ、ナシ、イチジクもけっこうオツなもの」
 娘たちも一気に『善い枝よいどれ酒蔵』を支持する勢力に回ったな。

「姐さん、私はどこを観光してもプラスマイナスゼロですから、どこでもいいですぜ。それに木を見るよりはお酒の施設のほうが面白そうですし」
 ロザリーの言葉もわかる。木と水よりはマシだろう。

「よし! じゃあ、『善い枝よいどれ酒蔵』に行こう!」



『善い枝よいどれ酒蔵』には路線馬車を乗り換えて向かった。
 ライカがいたので、どれに乗り換えればいいか教えてくれたけど、馬車の数が多いのでなかなか複雑だ。景色もあまり変わり映えがないので混乱する。

 ちょっとした森の公園みたいなのは町の中にもあるのだが、それ以外は思った以上に町が碁盤目状になっている。区画整理が進んでいる。

「エルフの住んでる場所って、もっと深い森の中で、侵入者が入っても迷って出られないみたいなところをイメージしてたんだけど……」
「太古はそうだったらしいですが、エルフたちも迷いまくって不便なので、大きく改造したそうです。ガイドブックに書いてあります」
 文明化の波はエルフにも来てるんだな……。

 そして、目的の施設に無事、到着した。
 ヒノキ造りの風格ある建物が建っている。
 提灯みたいに杉玉がやたらとかかっている。あれ、これって日本の酒蔵を意味するものでは……。

「母さん、あれは杉ボールといって、エルフの酒蔵を意味するもの」
「ううむ……。エルフのイメージからどんどん遠ざかっていくな……」
コミカライズ、重版本当にありがとうございます! これからも「スライム倒して300年」コミカライズをよろしくお願いいたします!

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