挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました 作者:森田季節

ハルカラの里帰り編

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

261/279

259 ハルカラの実家

本の発売前後なので、毎日更新いたします! 努力します!
「エルフの町への入口に当たる人間の町のところに降りる形ですね。その町の馬車ターミナルから『侯国交通局』の二〇六系統の反時計回り馬車に乗ってください。それで故郷のヒガシャマンに着きます」
「ハルカラ、二〇六って、そんなに馬車が出てるの……?」
 無茶苦茶、系統が多くないか?

「二百番台の馬車は循環系統なんです。百番台は急行系統で、一般系統は一桁か二桁のものです。なので、百番台と二百番台はどっちも九系統ずつぐらいしかないです。それでも、一般系統と合わせて、だいたい合計で八十系統ぐらいありますね。エルフは主に移動を馬車でするんです」
 バスみたいなシステムだな……。
 なんか、私のイメージしているエルフの生活とずいぶん違う気がする……。

「ちなみに侯国交通局の馬車以外にも、『フラント交通』や『森の中馬車』といった別会社の馬車もあります。馬車の色でわかります。『フラント交通』は茶色で、『森の中馬車』は赤色です。『侯国交通局』は緑色です」
「多分、みんなわからないと思うけど、あえて突っ込ませて。…………マジでバスかよ!」

 聞けば聞くほど、エルフの町に行く馬車がバスに聞こえてくる!
「あと、基本の色は会社ごとに違うんですけど、最近は宣伝を描いたラッピング馬車が増えているので側面を見てもわかりづらいんですよね。正面を見ないと区別がつかないこともあります」
 本当にバスだな!
「いえ、人間の土地でもそういう路線馬車が走ってるところは珍しくないですよ。高原の家のあたりがのんびりしすぎてるだけですよ~」
 真偽は定かではないが、あそこは田舎も田舎だからバスみたいなのもあまり走ってないと言われれば正しい気がする。

 私たちはだいたい定刻どおりにフラント州の平坦地にある人間の町付近に着陸した。
 ハルカラの説明のように、馬車ターミナルというところに行くと、大量の馬車が並んでいた。

 あと、馬車といっても数人乗りの小さいのじゃない。それこそ、日本のバスみたいに多人数が乗れるサイズだ。そんなもの、馬が引っ張れるのかという話だが、馬車といっても馬じゃなくて、全然違う種類の魔獣が引っ張っていた。

「シャルシャ、あの動物は何~?」
「姉さん、あれはビヒモス。エルフたちはビヒモスを完全に家畜化している。馬の十五倍から三十倍ほどの力を出せる」
 娘たちの話を横から聞いて、あれが何かわかった。地域によって、いろんな風習があるものだ。

「二〇六系統の反時計回りは五番乗り場です。あそこのポールで待っていればそのうち来ます」

 と、ハルカラが言った直後に、側面に「二〇六 西大通り経由北部ターミナル」と書いた馬車が五番乗り場を通り過ぎて、ほかの乗り場に停車した。
「おい、ハルカラ! あっちに行ったぞ! あれじゃないのか?」
「フラットルテさん、違います。あっちは時計回りの二〇六系統です。あれでも原理上は着きますけど、ものすごく時間がかかります。反時計回りに乗らないといけません」

「けっこう、ややこしいですね……。アタシの住んでたナスクーテの町とは大違いです……」
 ロザリーが落ち着かない表情でふわふわと浮いていた。
「私たちのナンテール州って、どこも牧歌的な空気だよね……。ここは人の数も多いし……」
 ちなみに人と言ったけど、人間よりはエルフの数が多い。それにしても、全体的に建物が密集していて、都市といった雰囲気が強い。

 馬車ターミナルの付近にもいろんな企業の看板らしきものが建物に張り付いていて、全体的にけばけばしい。ここはエルフの町というより人間の町だから、そのせいだろうか?

「あっ、馬車が来ましたね。それに乗ればヒガシャマンに行きます。料金は後払いですので、ひとまず乗ってしまってください。均一区間なんで、二二〇ゴールドです」
 もはやバスにしか見えなくなってきた……。
 私たちはかなり混んでいる二〇六系統の馬車に乗った。
 社畜時代の通勤ラッシュを思い出しそうだ……。

 だいたい三〇分ほど馬車に乗って、私たちは最寄りの停留所「ヒガシャマン公民館前」に着いた。
 馬車に乗っている間に窓から景色も見えていたが、箱みたいな木造家屋が建ち並んでいる。どことなくプレハブ住宅感が出ている気がした。

「もっと、エルフってのんびりおおらかに暮らしてると思ってたんだけど、全体的にせせこましいね……」
 いよいよ社畜時代の東京のベッドタウンを思い出す。
 森の中にひっそり暮らしてるわけじゃ全然ない。樹木は街路樹みたいにやたらと整然と生えて、道の中央部は平らだ。これは馬車を走らせるためなんだろう。

「いやあ、人口が毎年過密する一方なんですよ~。なにせわたしたちエルフって長生きじゃないですか~。そのせいで人口が増えて、増えて大変なんですよね」
「長命な種族の問題が出てる!」

「あっ、人間と比べるとエルフってずっと子供ができる確率が低いらしいですよ? でないと世界中エルフだらけになっちゃいますからね。それでも、毎年人口は増えてますね。とくに人口が多いところにはお店も多くて便利じゃないですか。みんな都市部に集まってきちゃうんです」
 東京の抱えてる問題そのものだ……。

「じゃあ、ひとまず実家にあいさつに行きますね。まっ、気楽にしていてください」

 ハルカラの実家……。正直、どんなところか想像がつかない。
 徒歩三分ほどで、ハルカラの家に到着した。
 家の前で女子のエルフが洗濯物を干していた。まだまだ若いし、ハルカラの姉妹かな。

「お母さん、ただいま帰りました~」
 えっ!? お母さんだったの!?
 そのまだ若いお母さんは口を押えて、少し感動しているらしかった。

「ハルカラじゃない! 帰ってきてくれたのね! そして、お友達の方々も一緒で……」
 私たちは順番にあいさつをしていった。

「さあさあ、おあがりください! 狭い家で恥ずかしいんですが……。すぐに飲み物とお菓子を出しますから!」
 事前に聞いていたとおり、靴を脱いで家の中に入り、居間らしきところに通された。
 木製の低いちゃぶ台みたいなテーブルが置いてある。

「あっ、椅子に座るんじゃなくて、直接床に座るシステムなんだ」
「お師匠様、エルフは昔からこうなんです」
 そう言いながら、ごろんとハルカラは寝転がった。
「ほら、こうやって寝たい時に寝れるじゃないですか。便利ですよね?」

 ハルカラ向きと言えば、ハルカラ向きだな……。
 そのあと、お茶とお菓子をお母さんが持ってきて、そのまま親子を交えての話になった。

「この子っていつもいいかげんで、学校の願書も提出し忘れてて受験前に落第しかけたんですよ」
「もう、そういう話はやめてくださいよ~、お母さん」

 なんというか……日本の友達の実家に来たって気にしかならないな……。
コミカライズ1巻発売になりました! 5巻もお店によっては若干のタイムラグがありますが、関東近辺ではもう売っているところもあるようなので、明日にはありそうな気配です! よろしくお願いいたします!
またサイン本を置いているお店などもありますので、活動報告に関連情報を書きました! ご覧ください!

20161213_slaim_syoei01.jpg
GAノベルさんより発売中です! 5巻は2018年1月15日発売! 1巻は10刷を達成いたしました! ↑をクリックしていただければ紹介ページに飛びます!
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ