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スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました 作者:森田季節

海に海水浴に行った編

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255 海を満喫

 そこにユフフママも入っていた。
「私も混ぜてもらおうかしら~」
 ユフフママが私に水をかけてきた。「やったな、お返しだ!」とやりたいところだけど、こっちはまだシャルシャの両手を持っているので反撃できない!

「それそれ~! 攻撃、攻撃!」
「ユフフママ、セコいよ! 全然フェアじゃないよ~!」
「でも、割と楽しんでるでしょ」

 こんな機会、なかなかないものね。
 なんていうか、海なし県民が海にあこがれる気持ちがわかった気がする。こちとら海なしの高原で三百年生きてたからな。
 少し離れたところではフラットルテが組んだ両手の中の水をぴゅーっとライカのほうにかけていた。手だけでできる技だが、そこはドラゴンらしく、レーザーかというように威力の強いのが飛んでいた。

「ライカ、喰らうのだ! ハイドロアタックなのだ!」
「それぐらい、どうってことはないです」
 ライカは炎を吐いて、水を蒸発させた。

「それはナシだ! 水には水で対抗しろ!」
「あなたが一方的にルールを決める権利はありません」

 みんな、海を遊び尽くしてるな。とってもよいことだ。
 でも、私は立場上、もっと広い視野でものを見ないといけない。

 海に入れないサンドラはどうしてるかな。大丈夫かな。
 サンドラはロザリー、キュアリーナさんと一緒に何やらもぞもぞやっていた。
 砂の中に潜っていたサンドラが顔を出す。
「やったわ! 大きな貝を発見!」
「おっ、筋がいいな。ちなみに、そこの下にも大きめの貝がいるぜ。さっき、潜って見てみた」
「私とロザリーがいれば、貝は採り尽くせるわね」

 たしかに貝を採るのには最強のコンビだけど、本当に採り尽くさないでね……。
「キュアリーナだっけ、あなた、無計画に掘りすぎよ。行き当たりばったりにもほどがあるわ」
「無計画なのが自分の生き方なので」
 ほんとにキュアリーナは砂浜を浅く、テキトーに掘っていた。素人目にもこれは何も出てこなそうだなとわかる。

「海に入れなくてもエンジョイしてるようでよかったよ」
 私もサンドラの横に中腰になる。
「海もなかなかいいわね。ここに住むのはちょっと勘弁してほしいけど、たまになら来てあげてもいいわ」
 はいはい、ツンデレ、ツンデレ。
 私が頭を撫でても、今日は拒否しない。

「見てなさい。そのうち、潮干狩りに興味を持って、子供たちも来るから」
 ファルファとシャルシャのことか。見た目はあなたが一番、子供だけどね。

 そして、言葉のとおりになった。
 まず、ファルファが、それからシャルシャが少し遅れてやってきた。

「ファルファもやりたい、やりたい!」
「こんな砂の中にも生物がいる。なんとも不思議」

 家族での海水浴というミッション、私はちゃんとこなせているようだ。なぜだか、肩の荷がすとんと下りた気がした。
 家族サービスという言葉が、かつて生きていた頃にはあった。独身の私にはあまり関係なかったが。、概念は知っている。

 今の私はサービスという意識はなくて、自分も含めてみんなが楽しいことをするというぐらいでいたほうがいいと思ってるし、今後もそのつもりだ。
 サービスという言葉には奉仕という意味がある。それは本来、家族には不向きな概念だと思う。それじゃ、家族で海に行ったり出かけたりするのが嫌なことみたいじゃないか。

 でも、娘たちや家族がより喜んでくれることをやっていきたいという気持ちにウソはない。
 高原の家のスローライフはどうしても変化に乏しい。いい意味で言えばのんびり。悪い意味で言うと、退屈になってしまう。
 退屈とみんなが思わない程度にこういうイベントを入れていこう。

 私はまた海のほうに戻った。
 フラットルテが海に潜って、「採ったのだー!」とウニをつかんでいた。
「それ、漁業権、設定されてるんじゃないの……?」
「アズサ様、そのウニは毒があって、身も小さいので、自由に採取してよいようです。来る前に調べました。なお、毒の部分を取り除けば食用にできます」
「ライカ、どこまでも優等生だね……」

「ファルファも潜る、潜る!」
「よし、フラットルテに続くのだ!」
「シャルシャも潜るぐらいならできるようになった」

 途中からみんなで食材を探す方向にシフトしちゃってるな。でも、これはこれで達成感が得られて、悪くないな。

 そんなことをやっていると、すっかり暗くなってきた。まさに、時間が経つのも忘れていたらしい。

「そろそろお開きかな。体もふやけちゃう」
 私が海の中でそう言った直後、予想外のことが起こった。
 私たちの両側の海がきらきら様々な色に輝きだした。まるでクリスマスの電飾みたいに。

「きれいですね……」
「ロマンティックだわ~」
 ライカとユフフママが見惚れていた。なかなかのサプライズだ。

 無論、この世界にクリスマスの電飾なんてない。
 だとしたら、これは何だろう?

 浜辺に立っているキュアリーナさんが両手をそれぞれ海面のほうにかざしていた。
「クラゲを発光させる方法、思い出しました。どうでしょうか?」

 その光景はものすごくあざやかで、それでいて、どことなくやさしさも含まれていて、完璧と言っていいものだった。

「クラゲはとるにたらない生き物かもしれませんが、たまに思い出してもらえるとうれしいです」
 クラゲの精霊らしい締め方だと思った。

「ありがとう、キュアリーナさん。おかげで最高の一日になったよ」
「こんなぐらいであれば、どうということはないです」

 やはり持つべき者は精霊とか、偉大な知り合いだな。こんな奇跡が簡単に起こせるんだから。

 そこに心配そうな顔のライカがやってきた。
「あの、我も今、気づいたのですが……」
「うん、何? 問題でもあった?」
「ハルカラさんがかなり前からいないのですが……」

 そういや、海に入れるようになってぷか~っと浮かんでるの以降、見た覚えがない。

 ドラゴンになったライカとフラットルテの捜索の結果、ハルカラは沖のほうで発見されました。

「怖かったです……。起きたら、周囲に誰もいなくて……」
「次から海で寝るの禁止ね……」 
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