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スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました 作者:森田季節

海に海水浴に行った編

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252 クラゲ問題

あけましておめでとうございます! 今年一発目の更新です!
 海自体は大変きれいなエメラルドグリーンだけど、クラゲの量がとんでもないことになっている。
 もはや、シューティングゲームの弾幕状態。しかも、ゲームと違って、自由のききづらい水中での動きでかわし続けろというのは無理がある……。

 ハルカラとフラットルテは浜辺で腫れて赤くなった足に薬を塗っていた。
 ハルカラは本職らしく、虫刺され用の塗り薬も持ってきていた。そのあたりの準備はできるけど、不用意に水には入るんだよなあ……。
「う~、なんかふくらんできてる気がします……。これ、痛みが残るやつじゃないですかね……」
「こういう痛みは苦手なのだ……。まだ、叩かれたりするような痛みのほうがマシなのだ……」

「まっ、たかだかクラゲというのが不幸中の幸いだったね。安静にしてれば、それ以上悪くはならないでしょ」
 ここはちょっと強引にプラス思考でいこう。過ぎたことを悔やんでも何も解決しないしね。

「これは泳ぐことは諦めないといけないようですね」
 ライカは海を眺めながら、ため息をついた。あのクラゲを一掃する方法はちょっとないだろう。

 と、シャルシャが海のほうに向かっていった。危ない、危ない! クラゲがいるって!
 しかし、シャルシャはそこは分別がついているらしく、波が引いたところから何か拾って、こちらに戻ってきた。
 それは例のクラゲだった。

「頭の部分を持てば刺されることはない。それに、このクラゲは打ち上げられて弱っているので、さらに安心」
「そっか……。でも、取り扱いには気をつけてね……」
「このクラゲはナンカイクラゲという、この地方ではありふれた種類のもの。どうやら、増加傾向にあるらしい」
「シャルシャは本当によく知ってるね」
 でも、種類がわかったところで対処法はない。砂浜で遊ぶしかないか。

「みんな、海には近づかないこと。クラゲが来てない砂浜で遊ぼうね」
「それだと、ヒトデさん、見つからなさそう……。ファルファ、ちょっと残念……」
 ファルファはしょんぼりした顔でうずくまってしまった。
「ファルファもシャルシャもヒトデを見たかったんだよね」
 それでも、あの海に入るのは無理がある。スライムとは違うのだ。

 そこにロザリーが浮きながら戻ってきた。もしかすると、ロザリーだけが海に入れる存在なのでは……? それって入るというのか微妙なところだけど。
「いやあ、やっぱり溺死って苦しいんですね。アタシ、溺死じゃなくてよかったと思いましたよ」
 マジで溺死者の霊と話してたらしい……。

「ロザリーは影響のないことだけど、私たちはクラゲのせいで、砂浜に待機することになりそう」
「へえ、それはもったいないですね。向こうには洞窟もあって、探検にはうってつけなんですけど、途中で磯を突っ切ります」
「それだと、難しいな。ライカやフラットルテにドラゴンになってもらってもサイズ的に小回りがきかないし……」
 仮に行けたとしても、探検の空気は出ないだろう。磯を進めばヒトデだって見つかっただろうに……。

「その洞窟は水死体もよく打ち上げられるし、なかなかにぎわってますよ!」
「そのにぎわいって、幽霊のにぎわいだよね……。じゃあ、遠慮したいかな……」
 ロザリーは洞窟のほうに飛んでいってしまった。こんな時、幽霊の能力は便利だ。

「シャルシャ、砂のお城作り、再開しよっか」
「わかった、姉さん。シャルシャは支城の建設に入る」
 娘たちにはお城で楽しんでいてもらうしかないな。

 一方、我々年上グループはどうするかというと――
「ここは寝るか」
 私はごろんと砂浜に横になる。たまにはこんなふうに海でだらだらするのもいいだろう。悪くない、悪くない。

「お師匠様、諦めモードですか。だけど、しょうがないですね。痛いし、寝ます」
 ハルカラも砂浜に転がった。
「こういう休暇もたまにはいいですね。ただ、ただ、ぼうっとする。ストレス解消です~」
「だね~。冬場のバカンスっていうのもオツなものだよね」

「え~、ごろごろするのは家でもできるのだ」
「せっかくだから、もっと体を動かしませんか?」
 ドラゴンの二人はまだ承服がいかないらしい。元気が普段からあり余ってるからな。

「ライカ、こういう時間も必要だよ。あくせくしすぎちゃいけないんだよ」
「お師匠様の言うとおりです。焦らずマイペースでいきましょう」

 これこそ本来の休暇の使い方だ。水に入らなくても遊ぶことはできる。
「う~ん、我は砂浜をランニングしてきます」
「フラットルテは市場でも見てきます」
「うん、二人とも行ってらっしゃ~い」
 過ごし方は人それぞれだし、それもいだろう。好きなように時間を使ってもらおう。

 しばらく、ぼうっと寝そべっていると、ちょんちょんとハルカラに腕をつつかれた。
「まだ、起きてます、お師匠様?」
「うん、起きてるよ。若干のアクシデントもあったけど、私は楽しんでます」

「でも、みんなで水につかって遊べたらそれはそれでよかったですよね」
 ハルカラの声はいつもより大人びていた。社長の時の雰囲気があった。

「そういうことは考えないようにしてたのに、見抜かれてたか」
 仕方ない。高原の魔女も全知全能じゃないんだ。空振りしちゃう時だってある。失敗は失敗で受け入れようじゃないか。

「海ではしゃぐようなこと、娘やライカに体験させたいなって気持ちはあったよ。どうってことないイベントかもしれないけど、そういう思い出作りって大切だし」
 一度、過労死してる私は、もっとああしてればよかったみたいな後悔もたくさんした。今はスローライフが板についてるけど、充実した時間を家族には過ごさせてやりたくはある。
 私も子供時代、親の仕事が忙しくて、なかなか海水浴とか行けなかったんだよなあ……。一人で行くのは危ないからダメって言われてたし。

「でも、わたしも対策が思いつかないんですよね。ぶり返しちゃってすいません」
「いや、いいよ。あとでクラゲが少ない水辺でも探して、ヒトデぐらいは見つけようか」
 と、そこにまたロザリーが戻ってきた。心なしか、速度がついている。

「姐さん、知ってる顔がいました!」
「どうせ、幽霊関係のつながりでしょ?」
「いえ、したたりの精霊のユフフさんです」
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1月12,13日あたりから最速でコミカライズ1巻とGAノベル5巻が出るかと思います! また告知できる情報がありましたら、発表いたします!
ドラマCD付き限定版のほうで、皆さんにアズサやライカの声を聞いてほしいです(笑) アズサのツッコミ冴え渡ってますよ!

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