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スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました 作者:森田季節

エルフが来た編

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24 二人目の弟子、お披露目

 その日、森から帰宅した私とハルカラは、お昼過ぎから薬を作る作業を開始した。

 この屋敷は長年、魔女である私が住んでいただけあって、薬を作るための部屋があるのだ。
 なお、草やキノコを乾燥させる小さな部屋もある。水分を含んでいると、効果が薄れてしまうものもあるからな。

 薬の作業に関しては、ハルカラはまともだった。
 ただ、病気や症状を治す薬というよりは、体の健康を維持したり、体を元気にさせるようなタイプのものが多かった。毎日欠かさず飲めというタイプのものだ。

「生薬に関してはこんなふうに配合すればいいんじゃないですかね」

「わかるけど、それって病気に効くの?」

「体そのものを健康にするほうが効率がいいじゃないですか~」

 私の価値観がどちらかというと、西洋医学だとすると、ハルカラのは東洋医学に近いのだろう。

 どちらのほうがすぐれているとかいったものではなく、どちらも必要だ。
 なのでハルカラがここに来てくれたのは、ありがたい。こちらも得るものが多い。

 もちろん、私も村の人の健康は考えて薬は作っていたが、普段からどんどん飲んでもらうという発想はそこまで強くなかったのだ。
 単純に、薬ってそれなりに手間がかかって値段もかかるので、毎日飲んでもらったりするとお金がかかりすぎるというのもある。

 そこにライカが「二人とも、お疲れ様です」とハーブ茶を持って来てくれた。

「ありがとうね、ライカ。二人はよい子にしてた?」

「お昼ごはんを食べたら、眠くなってすぐにお昼寝しちゃいました。今日、いつもより早く起きてたのかもしれませんね。二人揃って同じベッドで眠ってらっしゃいますよ」

「寝顔を見に行きたい誘惑もあるけど、起こしちゃうかもしれないし、ここは我慢だな……」

「お二人の薬草採取はどうだったんですか?」

 ハルカラが顔を赤くした。

「わたしが粗相を……」

「粗相?」

「すいません、やっぱり何も聞かないでください……。恥ずかしくて死にそうです……」

 私も追い打ちをかけるのはひどいと思ったので、黙っていることにした。

「じゃあ、ハルカラ、明日、天気がよかったら村にあなたのお披露目をします。小さな村なんで、どっちみちすぐに広まっちゃうしね」

「わかりました。お師匠様にお任せいたします!」

 わざわざ、手を挙げて、ハルカラは返事をする。
 ハルカラって、全体的に軽いんだよな。フットワークがいいとも言えるし、毒キノコ食べるようなトラブルの元になっているとも言える。

 これはなかなか難しいところだ。

「じゃあ、明日、持っていく薬も用意しておいて。新しい魔女の薬ですってことで委託してるお店に置いてもらおう」

「はい、わかりました! じゃあ、お師匠様のものと差別化ができたほうがいいですかね」

「そうだね。その胃腸の調子を整えるっていう丸薬とか、足りない栄養を補うっていう丸薬とかがいいんじゃないかな」

 こういうのは健康補助食品というのだろうか。

 それから、私はハルカラの全身をあらためて見た。

「あと、あなた用の服も仕立ててもらったほうがいいよね……」

 服がハルカラの魅力を全然抑えられてないのだ。布地がちょっと足りてないのかもしれない。

「あ~、でも、これでいいですよ。着ているうちに広がってきた気もしますし~」

「広がったのか……。そうなんだ……」

 ステータスにあまり興味はないが、スリーサイズ的なものは大変気になる。

 夕食にはハルカラがとってきたキノコを食卓に出した。

 なお、絶対に毒ではないという確認をさせてから調理させた。毒は誰が食べてもよくはないが、とくに体の小さい娘にとってはダメージが大きいかもしれない。

「このシマナミダケはスライスして、鶏のパサパサな部分とブロッコリーと塩味強めで一緒に炒めると、なかなかいけますよ。お酒にも合いますよ」

 せっかくなので台所でそのまま調理風景を確認する。

「ハナガサニジイロダケはこりこりした食感になるので、シチューに入れましょう」

 これはマッシュルーム的な発想の料理なのか。

 ハルカラの料理自体は、たいへん好評で、私もかなり満足した。



 翌日。
 ちゃんと空も晴れていたので、私とハルカラは二人でフラタ村に出かけた。
 途中、スライムが出てきたのできっちりと狩る。魔法石をゲットする。

「お師匠様、スライム倒すの、本当に速いですね……」
「三百年やってるからね。伝統工芸技術保持者みたいな域に達してるよ。じゃあハルカラもやってみて」

 ハルカラは樫でできている棒を振り回す。

「えい、えいっ!」

 揺れた。
 胸がものすごく揺れた。

 どっちがスライムやねんというぐらいに揺れた。

「ふう……どうにか一匹倒せましたね」
「いいなあ……」
「何がですか?」
「いや、何でもないから」

 そして、小銭稼ぎをしつつ、フラタ村に着いた。
 フラタ村はいつもどおり平和だ。

「高原の村って空気がおいしくて、いいですね。からっとしてるっていうか」
「そうみたいだね。私はこのあたりから出ていったことがないから、違いがよくわからないんだけどね」

 さてと、まずはふらっと村を一周するか。
 一緒に住む以上、早くお披露目を済ませておくほうがいいのだ。謎のエルフと思われるとかえって噂になるからな。こっちから弟子と言ってしまえば納得してもらえるだろう。

 それにしても、ここ最近、急激に家族が増えてきているよな。

 長く生きていれば家族増加期というのもあるんだろうな。きっと、そうだ。
シイタケのスライス。ぱさぱさした鶏肉、小さく切ったブロッコリーを塩コショウ・醤油で炒めると、けっこうブロッコリーが食べられていいです。ちょっと中華風の味付けにしても多分あいます。
次回、村に行きますが、当然何かあります。

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