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スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました 作者:森田季節

今年も喫茶店をやった編

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223 大挙してお祭りへ

 翌朝、あまりにも人数が多いので、その日はログハウス風エリアの共用スペースで食べることにした。

 このログハウス風エリアはかつてライカが私の家の一部を破壊したあとに改造して作ったところだ。元の建物のエリアとそのまま直結している。
 家の面積としては、こっちのほうが広いし、個室は基本的にこちらに集中している。ただ、ふだんの食事はキッチンがすぐ近くにある、元の建物のエリアのダイニングのほうを使っていた。
 なので、広い共用スペース自体は、それこそ、喫茶店をやる時とかぐらいしか使ってなかったのだけど、これだけ人数がいるなら、ちょうどいい。部屋もどうせなら有効活用したいし。

 呼んだわけでもないのに、その日はサンドラもやってきていた。この子も孤高が好きなわけじゃなくて、みんなのところにいたいのだ。

「動物の食事風景を観察に来たわ」
 動物って表現でひとくくりにするな……。

「うん、そういうことにしとくよ」
「そういうことでしかないわよ、アズサ」
 そのサンドラは私の膝の上に乗っている。完全にお子様スタイルだ。
 ファルファもシャルシャもいい子すぎるから、これぐらいのはねっかえりの娘もそれはそれでいいんじゃないだろうか。

「昨日はサンドラのおかげで助かったよ」
 それに合わせて、ライカやハルカラも「ありがとうございました」「グッジョブでした!」と声をかける。
「ま、まあ……あれぐらいなら楽勝よ……。ほんと、たいしたことないし……」

 サンドラも今日は私以外の家族を威嚇しない。このまま、丸くなっていくかな。どうかな。

 そして、本日の食事当番だが、大人数だけあってこちらもスペシャルだ。

「いや~、これは作りがいがありますね~。腕によりをかけますよ!」
 ヴァーニアによる本格的な朝食がはじまった。高級ホテルみたいな料理がどんどん出てくる。朝からこんなに食べられないぞというほどに。
 もっとも食べられないのは私とか娘とか普通の胃袋の人間で、ドラゴン二人は平気でばくばく食べていた。それと、魔族のほうもこれぐらいはぺろりといけてしまうらしい。

「あら、お姉様、小食なんですね。それじゃ、おなかがすいちゃいませんか?」
 ペコラは私より明らかに小さいけど、私よりも食べている。

「その体のどこにその量が入るの……?」
「そういえば、魔族は新陳代謝が激しいので、人間の方よりはよく食べる傾向にあると聞いたことがありますね。でも、個人差もありますけれどね」
 真相は定かではないけど、ベルゼブブもファートラも涼しい顔で朝から肉料理を平然と食べているので、この面子に大食いが多いのは間違いない。

「いや~、こんな大家族、いいですね~」
 食事はしないロザリーもしみじみとテーブルの上を漂いながら言っていた。ロザリーは家族に裏切られて自殺して、幽霊になった経緯があるので、和気あいあいとした家族というのは理想なのかも。

「アタシ、もう思い残すことはないかも……。ここに来てからずっと笑顔でいられたし……」
 微妙にロザリーが薄くなっていく気がする!
「ちょっと! 成仏しちゃダメだよ! そういうのは困る!」
 結果的に私たちが殺したみたいになっちゃうのでやめてほしい。家族が欠けるのも勘弁だ。

「アタシも消えたくないので、過去の恨みつらみを思い出して、乗り切ります!」
 ロザリーの決意、前向きなのか、後ろ向きなのかさっぱりわからないな……。

 その日の朝食はこれまでの朝食の中でも最高のものだったかもしれない。

「お姉様、あとで踊り祭り、一緒に行きましょうね」
 ペコラが私のそばに来て言った。
 サンドラがちょっと嫌そうな顔をした。魔王も恐れないマンドラゴラだ。

「うん、行かないって選択肢はないから、そこはもちろん行くよ。でも、あなたの城下町の祭りの規模に比べたら、冗談みたいに小さいけど」
 ペコラが田舎の祭りで満足できるのかは怪しい。

「ふふふ~、今年のお祭りは派手になってるかもしれないじゃないですか~」
 どことなく、ペコラがたくらみ顔なのが気になる。
「何か仕込んでるね……」

 なお、ベルゼブブは娘二人に「お祭りのお小遣いじゃ」と言って、お金を渡していた。
 どこまでも、姪をかわいがるおばさんっぽい行動をしてくる。

 しかし、この大人数で踊り祭りに出たら、とんでもなく目立つな。
 すでに目立ちまくっているから、もはやどうでもいいか……。

「ちなみに、サンドラは踊り祭り、行く?」
「行ってあげてもいいわよ」
 私から聞かないといけないので、ツンデレは大変だ。



 大挙してフラタ村のほうに下りていったら、妙な趣向がこらされていた。


 歓迎! 高原の魔女御一行様!


 そんな文字が書いてある大きなゲートができている。
「うわあ……恥ずかしい……。これは村の誰かの発案だな……」

 ゲートをくぐると、私たちを見つけた人たちが、「高原の魔女様万歳!」「昨日、喫茶店行きました!」と声をかけてくる。

「あらら、やっぱりお姉様は人気者ですね~♪」
 ペコラは私としっかり手をつないで歩いている。これが疑似姉妹スタイルらしい。ウソか本当かはわからないけど、面倒なので従っておく。

 ちなみに逆側の手にはサンドラがいる。こちらははぐれたりしないようにするためだ。
「少し、歩くペースが速いわ。もうちょっとゆっくりにして」
「はいはい。サンドラに合わせるよ」
 いつのまにかペコラのペースに合わせてからかな。

「お姉様、少しペースが遅いので、速くしませんか?」
 今度はペコラがモロに逆のことを言ってきた!

「何よ、あなた。鬱陶しいわね。がおー!」
 サンドラがペコラを威嚇した。魔王でも威嚇するのか。命知らずだな!

「お子様は反抗期なんですかね。育てるのが大変だったら、いい託児所がありますから相談に乗りますよ~」
 ペコラ、怒ったりはしてないけど、目が笑っていない。
 ペコラとサンドラの間で謎の戦いが勃発しそうになっている……。

 深入りすると厄介そうだし、祭りに目を向けよう。そうしよう。

 そして、すぐに気づいたことがあった。
 去年より出店の数が明らかに多い。

 ――で、その出店をやっている人に、どうも魔族が多い……。
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