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スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました 作者:森田季節

今年も喫茶店をやった編

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218 今年の喫茶店は一味違う

明日、朝早くから出かけるので夜のうちに更新しておきます!
「まだ、終わっておらんのじゃ!」

 廊下からダイニングにやってきたのは、なんと、ベルゼブブ!?
 まあ、聞こえてきた口調の時点で見なくてもわかったけどね……。

 しかし、もう一つポイントがある。いつもの戦隊物の悪の女幹部的な服装じゃなくて、給仕服を着ていた。
 私たちの服は既製品ではないのだけど、ほぼまったく同じに見える。基本的な給仕服の様式が確立されてるんだろう。

「ベルゼブブ、その服を着てるってことは、手伝ってくれるってこと……?」
「そういうことじゃ。すでに有休申請もしておるので問題なしじゃ!」

 こんな意欲的な助っ人、そうそういないな……。喫茶店に情熱を傾けすぎだろう……。

「わかった。じゃあ、今年は最初からあなたに仕事をしてもらうね」
 前回のベルゼブブの機動力はありがたかった。大人気でパンクしそうだった喫茶店を閉店時間まで営業できたのは、ベルゼブブのおかげだ。

「これなら今年はトラブルもなく、あっさり終わりそうだね。いやあ、よかった、よかった」

「だが、まだこれで終わりではないのじゃ」
 ベルゼブブが胸を張って言った。なんだろう……? 魔族の激辛料理でも喫茶店のメニューに加えろって言うんじゃないだろうな……?

 廊下のほうから誰かがスキップしながら、上機嫌でやってくる。
「ふふん、ふふん~♪ どうですか、お姉様、わたくしの服、かわいいですか~?」
 ペコラがすごく面白そうに給仕服姿で登場した。

「なんとなく、来るんじゃないかなって気はしてたけど、ほんとにやってきた!」
 いやあ、たしかに似合ってるよ。ちゃんとかわいいというより、ペコラみたいなお人形さん的な女の子が着ると、そこはかとなく猟奇的な趣味の様相さえある。
 それはともかくとして――

「泣く子も黙る魔王が接客をやるのってセーフなの? 思いっきり、サービス業なんだけど……」
 ペコラは玉座にふんぞりかえってるタイプじゃないというのは痛いほどわかっているけど、今回はそれにしても極端だ。

「もちろん! わたくし、お店屋さん、一度体験してみたかったんですよ~。ですが、ヴァンゼルド城下でやろうとしたら、ほかの方々がそれはやりすぎですって止めに来るじゃないですか」
 そりゃ、止めるだろう。王様なんだから。

「なので、人間の土地なら何の心配もいらないだろうということで、お手伝いさせていただこうかなと。あっ、ちなみに、去年はテラス席があったそうなので、今年は屋外の席数を大幅に増やすつもりです雨除けのシートも設置できますから、嵐じゃないかぎり、問題ないです。その作業も魔族側でやりますから、お姉様たちはゆっくりしておいてください」

「……うん、あ、ありがとう」
 ありがとうって言って、いいんだろうか? まったく私を通さずに改造されてしまっているような……。

「それと新メニューの試作品も用意してきましたから。二人とも、来てくださーい」
 ペコラの声に促されて、今度はファートラとヴァーニアがいくつも箱を抱えてやってきた。
 ちなみに二人も給仕服姿である。

「この中に料理が入っています。人間の口に合うような味に妹が改良していますので、受けつけないということはないはずかと」
 真顔で、ごく当たり前のことのように、ファートラが言った。これまでの給仕服メンバーの中で一番本職のメイドさんっぽい空気を出している。

 やっぱりメイドさんはメイド喫茶で働いて、オムライスに「大好き」とか書いちゃうタイプよりも、こういうシックなちょっとクールな目つきのタイプがいいよね。主人が変なことしたら甘やかさずに叱るような(個人の感想です)。

「料理のことなら、任せてください! 一日分の料理ぐらい、余裕で作っちゃいますから!」
 ヴァーニアが自信満々に言っているが、実質料理人みたいな存在なので、わからなくはない。

「文化祭のノリでやろうとしてたら、プロのシェフが来ちゃった感じだ……」
 ぽんぽんとハルカラが私の肩を叩いて、耳打ちしてきた。

「あの……このままだと、喫茶店が乗っ取られちゃいそうなんですけど……。むしろ、すでに八割方、乗っ取られているような……」
「私もそう考えてる……」
 かなりの株式を取得されて、経営権に口出しされそう、そんな状況。

「でも、一日だけのものだし、とことんやっちゃえばいいんじゃないかな。ぱーっとやろう、ぱーっと!」
 私は開き直った。どうせ、今更、魔族は参加するなと言うこともできないし。対抗されて、喫茶『魔族の家』でも隣で開店されたら、それこそ困る。

「それに、去年よりパワーアップするのは確実でしょ。ちょうどよかったよ。これだったら、お客さんも絶対に満足する。年に一回のイベントとしては悪くないんじゃないかな」
「ですね。もう、やるだけやってしまいましょう!」
 ハルカラも納得してくれたようだ。

「このまま、特製キノコ料理もどんどん作って、キノコのよさと種類の多さをお客さんに実感してもら――」
「あっ、それはマジでやらないでね。食材にキノコを使うのは禁止」
 私は少しだけ、素の顔に戻って言った。

「お祭りムードですし、派手にやったほうがいいんじゃないですかね?」
「派手に食中毒患者が出たら、来年から開催できなくなるでしょ。キノコ料理を出したら、ハルカラは出禁にするからね。これは冗談じゃないからね」
「従業員側が出禁っておかしいですよ!」
 それぐらい、徹底しないとお客さんの安全を確保できないのだ。お客さんの命は私が守らないといけない!

 どんな喫茶店なんだ、まったく……。

 けど、楽しいイベントになるのは間違いないだろう。もう、すでに相当楽しい。

「じゃあ、みんな当日は気合い入れて、やっていくよー!」
「「おーっ!」」

 みんなが一斉に手を振り上げた。
 なんだかんだで文化祭の出し物感が強く出たな。
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