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スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました 作者:森田季節

今年も喫茶店をやった編

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217 給仕服お披露目会

57000点突破しました! ありがとうございます! これからも「スライム倒して300年」をよろしくお願いいたします!
 そして後日。フラットルテ用の給仕服を仕立て屋さんに注文して、用意してもらった。

「なんか、全体的に窮屈なのだ……」
 フラットルテはあまり楽しくなさそうな顔をして、尻尾を左右に振っていたが、似合ってるかどうかは別次元の問題だ。

 とてもよく似合っている。

「フラットルテさん、かわいいよ!」
「調和がとれている。どこかに黄金比があると思われる」
 ファルファとシャルシャの娘二人がまず褒めていた。この二人は率直に意見を言うので、二人が言うならまず間違いない。それと、心がきれいなので、やっぱり間違いない。親バカなんじゃなくて、たんなる事実だ。

「そ、そうか……? 個人的には動きづらくて、こんなんだったら全裸のほうがマシかなって……」
「ちょっと! 破いたり、脱いだりしないでよ! その服、けっこう高いんだからね!」

 フラットルテはそういうところがいいかげんなので、気をつけたい。
「大丈夫で――おっと、ブルーベリーのジャムのビンに当たりかけた。危ない、危ない」
 ああ、怖い、怖い! 雑な性格の子に着せるとひやひやする!

 続いて、ロザリー。
 ロザリーの場合は魔法で対応する。

 私は過去に魔法でロザリーの服をドレスに変えたことがある。あの時は魔法を作るのにも、成功させるのにも苦労した。ロザリー本人がドレスを着てるイメージを持てないと幽霊の服は変わらないのだ。
 今回は前回よりは簡単に服を変更することができた。
 おそらく今回は同じ服をみんなが着ていたからロザリーもイメージがしやすかったのだろう。

「おお! ふりふりの給仕服だ! こういうの、あこがれだったんです! やったぜ!」
 ロザリーはもしかしたら、家族の中で一番はしゃいでいるかもしれない。たしかに、幽霊だとおしゃれがなかなかできないもんね。
 自分の手に入らないものほどほしくなるというのは、人間も幽霊も同じなんだなあ。

「ロザリー、そんなによかったんだったら、私もこの魔法、もっと練習して、毎日違う服にできるように挑戦してみるよ」
「いや、姐さん……それは申し訳ないです……。どっちかというと、アタシの想像力によるところもデカいですし……」
 ロザリーはこういう時、いつも遠慮する。この魔法はロザリー自身も因子になるから難易度が高いのは事実なんだけど、いつかはロザリーが自由におしゃれできるようにしたいと思う。今後の課題だ。

 一方、去年から引き続いての面々は、安定していた。
 まず、私。普通にかわいいと思う。十七歳の見た目万歳。そんなに悪くはあるまい。

 次に、ハルカラ。
「今年も胸が苦しいです……。むしろ、去年よりもきついような……」
「それは私にケンカ売ってると解釈してよろしいかな?」
 どうして、この一年でもっと胸がきつくなるんだ……。成長期じゃないでしょ……。どういうことなんだ……?

 ぱつーん。
 ハルカラの服のボタンが一つ、私の顔に飛んできた。
「……本当に攻撃してくるとは……。やはりイヤガラセか……」
「違いますよ、お師匠様! わたしは無実ですから!」
 もう、間違って胸がしぼむ毒キノコでも食べてしまえばいいんだ……。

 そして、娘二人。
 はい、とってもかわいい。
「この服でくるくる回ったら、ふわふわってなるよ~!」
 ファルファは部屋の中で回転している。楽しそうで大変よろしいけど、ブルーベリーのジャムに気をつけてね。ていうか、危ういから収納しておこう……。

 シャルシャのほうはじっと椅子に座って、瞑想をしている。どんな服を着ていても、そのあたりの行動に変化はないらしい。
「すぅ……くぅ……」
 瞑想じゃなくて、眠っているだけだった。
 眠りたくなる時もあるだろう。ぐっすりおやすみなさい。

 ――最後は前回、注目度ナンバーワンだったライカだ。
 ※なお、サンドラは「興味ないからパス」といって、菜園に帰っていった。このあたり、自由な存在だ。でも、植物だからしょうがない。

「やはり、こういうのは何度目でも慣れないものですね……。そわそわしてしまいます……」
 ちょっぴり顔を赤らめながら、ライカが言う。いつもよりも足も内股になっているような。
「去年もよかったけど――今年もいいな」
 しぐさの一つ一つが神の領域だ。私が男子中学生だったら一日三回告白しているだろう。三回目ぐらいで炎で焼かれそうだけど。

「はぁ……やはりライカさんの給仕服姿、とっても趣深いですね」
 ハルカラさえも、なんかうっとりした顔になっている。男女関係なく見ほれてしまう美しさなのだ。女性アイドルを応援したくなる女性の心理に近いかもしれない。

「だよね。しかも、けなげな感じが出ているんだよね。ハルカラみたいに胸のパワーで攻めればいいんでしょみたいな攻めの姿勢とは違う奥ゆかしさがあるよね」
「お師匠様、わたしのこと、根に持ってませんか……?」
 ハルカラに指摘された。無意識のうちに言葉にトゲがついていたらしい。

「ははは、うらやましいと思ってるに決まってるじゃない。ははは」
「乾いた笑いで認めないでください! 好きで胸が大きいわけじゃないんですよ!」
「それでも、こっちはうらやましいの! スライムを倒してレベルは上がってるのに、胸は成長してないんだよ!」
 人間、自分が持っていないものがほしくなるのだ。そういうものなのだ。

「まあ、お師匠様の逆恨みは置いておくとして――」
 ハルカラに流されてしまった。
「ライカさんとフラットルテさん、並ぶとさらに引き立ちませんか?」

 ハルカラ、本当にいいところに気づいたね。
 ちょうど、二人が並んで立っていた。

「アズサ様、あんまり注目はしないでください……」
「ご主人様、どうしました?」

 二人はただ、偶然並んでいただけだろうけど、フラットルテが立っていることで、ライカのよさがさらに目立ち、フラットルテの個性と活発さも表に出てくる気がする。
 いわば、スイカに塩をかけたようなものだ。なお、スイカに砂糖かける人も、それはそれで尊重します。

「これは、天下取れる……」
 脳内で私は二人をアイドルデビューさせてみた。しっかり者のライカに、終始いいかげんなフラットルテ。けど、その二人が合わさった時、化学変化が起きる! アイドル名は「ふたりどらごん」!
 ネーミングセンスないな、私……。

 とにかく、大変素晴らしい。

「よし、これで試着はおしまいってことでいいね。当日もよろしくお願いね」

 けど、その時、狙いすましたように、廊下からやってくる人影があった。

「まだ、終わっておらんのじゃ!」
15日になりました! 「スライム倒して300年」4巻、本日発売になりました! まあ、もう全国で売ってるようですが……。何卒よろしくお願いいたします! 特典情報など詳しいことは活動報告をご覧ください!

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