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スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました 作者:森田季節

今年も喫茶店をやった編

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216 喫茶『魔女の家』再び

今回から新展開です! よろしくお願いします!
 ライカとフラタ村に買い物に行ったら、広場でなにやら設営作業をやっていた。
 私も村の近くに住んで長いので(なにせ三百年ですから)それが何かすぐにわかった。

 これは踊り祭りの時に設置するやぐらだ。
 やぐらの上から花びらをまいたりして、踊り祭りをはなやかに演出するのだ。

「ああ、また踊り祭りが近づいてきたんだね」
 やぐらを組み立てていた村の人たちが「そうです!」「踊りまくりますよー!」と返事をくれた。

 踊り祭りは二百五十年ほど続いているフラタ村の収穫を祝うお祭りだ。といっても、儀式的要素はほぼなくて、どんちゃん騒ぎをするのがメインだ。

 ただ、ライカがなぜか気まずそうにうつむいている。いったい何があったんだ? 踊り祭りはドラゴンを倒した戦勝記念とかじゃないぞ。

「ライカちゃんの給仕服姿、また見たいなー!」「喫茶店、よろしくお願いします!」
 やぐら造りの人たちからまた声が飛んできて、答えが出た。

 ああ、そういうことね……。

 去年の踊り祭りの前日祭の日、私たちは高原の家を一日喫茶店にした。文化祭の感覚だ。

 で、そこで私たちは給仕服、つまりメイド服っぽいアレを着て接客をしたのだが――
 ライカが異常にかわいかった。
 というか、異常だった。
 かわいさという概念を一点に凝縮したようなとんでもない存在にあの時のライカはなっていた。真の美少女とはこういうものだというパワーがあった。かわいさの精霊とかじゃないのかとすら思った。

 語りすぎてキモいと思われるかもしれないが、それほどまでにライカは素晴らしかったのだ。しばらく、フラタ村ではライカを見る目が変っていた。ファンクラブとか本当に造られそうな雰囲気だった。

 とはいえ、当のライカはあの時も困惑してたし、今も乗り気じゃなさそうだけど……。
「アズサ様、また喫茶店をやることになるのでしょうか……?」
 顔を赤くして聞いてくるライカ。そのしぐさですでにかわいい。パン三枚はいける。
 こんな質問をされたということは、恥ずかしいし、あんまりやりたくないな~という意思表示なのだ。それぐらいはわかる。
 が、しかし。

「そうだね……ライカには悪いんだけど、一日だけ我慢してくれないかな……? あそこまで反響があったらやらないわけにもいかないかなって……」
 ライカ抜きでやってもいいけど、「な~んだ、ライカちゃんがいなくて魔女様だけか」みたいな反応をされたらショックだし、ライカ人気が高すぎてほぼ確実にそうなる。

 いや、私もなかなかかわいいと思うよ? 永遠の十七歳だよ? でも、ライカは育ちのよさがにじみ出てる十三歳ぐらいのドラゴン娘なんだよ! それは勝てないよ! 相撲で言えば横綱だよ! お客さんもケガをしてないなら横綱には休場せずに出場してもらいたいわけだよ!

 ライカは一度ため息をついたけど、それからすぐに両手をぎゅっと握りこぶしにして、目を見開いた。なんか、スイッチのようなものが入ったようだ。
「わかりました! 普段からお世話になっている村の皆様のためにも、心からの接客を行いたいと思います!」
「ありがたいんだけど、そこまで熱血にならなくてもいいよ……?」
 このあたりはライカの性格が出てるな。ライカにとったらぐうたら不真面目に生きるほうがよほど難しいだろう。そんなことをしたら体が拒否反応を起こして、体調壊しそう。

「じゃあ、今年も喫茶『魔女の家』は開く方向で! 去年もやれたんだから大丈夫でしょ!」
 それを聞いていたやぐら造りの人たちが「やったぜ!」「むしろ踊り祭り当日よりメインだー!」などと言っていた。
 あの、そこは、二百五十年やってる祭りを大切にしてください。



 私は帰宅すると喫茶店の計画を家族に話した。
 去年の祭りの時よりも人数が増えているので改めて確認する必要もあったのだ。

「ああ、アタシは何も問題ないですぜ! コップを運ぶぐらいなら幽霊の力でできますから!」
 ロザリーはあっさりOKしてくれた。

「客に料理を出すのは面倒だけど、ご主人様がやれと言うならやります。うっとうしい客を凍らせるのはお任せください!」
 フラットルテは店に出すとトラブルになりそうだな……。

「お店? 勝手にやってなさいよ。私は菜園で自由に生えてるから」
 サンドラがこう言うのはだいたいわかっていた。強制参加させるつもりまではないし、足に見えてもあくまで根っこで歩いてるから私たちより疲れるようだし、見た目も一番幼いので、働かせるほうが犯罪的と言えば犯罪だ。

 私の娘二人にハルカラは当然のようにやろうと言ってくれた。

「では、喫茶『魔女の家』第二弾を開く方向でいきたいと思います! みんな、よろしくね!」
 ファルファとハルカラが「おー!」と声を出した。この二人はノリがいい。

「どうせなら、去年よりどこかパワーアップさせたくもあるんだけど、本格的な店じゃないし、そこまで考えなくてもいいかな」
 ハルカラがそこで勢いよく挙手した。
「はいっ! 特製キノコ料理のアイディアがいくつもあります! 三十六種類のキノコをふんだんに使った、キノコ尽くしフルコースです!」
「あ、それは危険なのでやめとこう。事前申告ありがとうね」

「ええっ? お師匠様、毒キノコなんて絶対に、絶対に入れませんから! 絶対大丈夫ですから!」
 絶対を繰り返す人間ほど怪しいの法則。
 もはや、ハルカラの持ちネタになっている気がするんだけど、本人はこれでも本気らしい。むしろ、自覚症状がないというのが問題なのでは……。

「ははは、私はハルカラのことを信じてるよ。疑ったりなんてしないよ。でも、世の中にはもしもってことがあるからね。ははははは」
「乾いた笑いが猛烈にウソくさいですよ!」
 しょうがないじゃないか。だって、ウソなんだから……。

「メニューは去年のままで問題ないでしょう。そもそも一日だけの営業でしたから、去年と違うのを注文したい方もいるでしょうし。さらに増えると目移りしてしまいます」
 ライカが建設的なことを言った。まったくそのとおりだ。

「フラットルテはデカ盛り料理がいいのだ!」
「……デカ盛りサービスは今年から追加いたしましょう」
 ライカがあっさり同調した。食べることに関してはドラゴン二人、よく気が合うな。
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