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スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました 作者:森田季節

学校に通ってみた編

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213 体験入学開始

56000点を突破しました! ありがとうございます!
「体験入学か……。そうか……」
 少なくとも、私は百パーセント賛成ではなかった。
 ファルファとシャルシャが子供のようで厳密には子供ではないんだよね。五十年は生きてるからね。
 それって子供の中に入ったら、浮いちゃうんじゃないか?
 浮くだけならいいんだけど、もしイジメに遭ったりしたら大変だ。

 イジメというのは、原則集団内でしか起こらない。少なくとも、一人で生活してる隠者がイジメに遭うことは定義上、ありえない。

 別に小学校じゃなくても、これまでと違う集団に入る以上、リスクは伴う。絶対安全ということはない。ケンカになれば、子供相手に二人が負けることはないと思うけど、それでも嫌な記憶として残ってしまう可能性はある。

「う~ん……。どうかなあ……」
「大変よいことじゃと思うのう」
 なぜかベルゼブブが私の隣にいた。

「あなた、最近登場の仕方が唐突すぎるよ……。そんなご近所さんかのように出てこないでよ……」
「ヴァンゼルド城下にも、そういった初等教育機関は存在するのじゃ」
 私のツッコミはスルーしたな。
 でも、魔族の世界はいろいろと人間の世界より進んでいるイメージがあるので、学校としてもまともに機能している可能性は高い。選択肢にはなるか。

「なお、高原の家からは遠すぎるので、わらわの屋敷から二人は通うということになると思うが――」
「あ、はい、それはナシでお願いしまーす」
 結局、ファルファとシャルシャとあわよくば一緒に暮らしたいってだけじゃないか。ゆがみがないとも言えるけど。

「ていうか、あなた、召喚魔法を知ってるわけでしょ。それを教えてくれたら、ここからでも魔族の土地に行けるんじゃないの?」
 私はちょくちょくベルゼブブを召喚魔法で高原の家に呼び出したことがある。

「あのな……召喚魔法は呼び出される側にもかなりの疲労がかかるのじゃ。通勤・通学に使うものではないぞ。お勧めはせん」
 どうやら、自由自在に使えるものではないようだ。ファルファとシャルシャが疲れてしまうんじゃ論外だな。

 ベルゼブブとの話の間、シャルシャがじぃ~っと私を凝視していた。
 これは小学校的なものに入れてほしいという無言の圧力をかけているのだ。

「はぁ……じゃあ、体験入学ってことで一日入ってみる? その間、私も透明化の魔法でも使って、様子を見ることにします。透明化の魔法なら割と単純だから、後ろから見守っていられるよ」
 それで学校になじめるかどうか判断するのだ。

「了解した。何も問題ない。その形で進めてほしい」
 こうして、体験入学をやることが決まりました。



 そのあと、私は州都のヴィタメイに行って、小学校的な施設で話を聞いた。
 施設の名前は「初等教育 セナール塾」という名前だった。形式としては塾になるらしい。

 中の人の話だと、六歳ぐらいから十二歳ぐらいまでを対象としているということで、まさしく小学校だな。

「清く正しく健やかに育てますので、お母さんはどうか、ご安心ください! きっとご満足いただけます!」
 ああ、そうか、私はお母さんなんだな……。
「あれ……お母さんにしては若すぎますよね……。お姉さんでしょうか……?」
 自分も見た目が十七歳ぐらいだったことを思い出した。

「そこは、なんていうか、複雑といえば複雑な家庭なんです。でも、今はとっても楽しく暮らしてますから大丈夫です」
 ウソは何も言ってないので問題はない。

 手続きはひとまず終わり、ファルファとシャルシャ、それとサンドラを通わせることになった。三人をライカに乗せて、通学する。

 そして、私は透明化の魔法で教室に忍び込んだ。
 教室の中は、日本の小学校と思った以上に似ている。違うのは長い机にちょっとずつ間を空けて、生徒が座ってることぐらいか。生徒数は四十人弱だ。

 若い女の先生が前に出ている三人をクラスメイトに紹介する。
「は~い。今日から皆さんに三人のお友達が加わります! それじゃ、自己紹介してくれるかな?」

「ファルファだよ! よろしく!」「シャルシャ。姉さんとは双子になる」「……サンドラ」
 明らかにサンドラが恥ずかしそうにしてるけど、そこは想定の範囲内だ。

「じゃあ、三人とも、空いている席についてね」
 三人は並んで席についた。三人セットなら、そうそうイジメも発生しないかな。

「それじゃ問題集を配るから、やってみてね。まずは簡単なものから渡すから、できたら教えてね」
 なるほど、各自で別々の課題を出して、それをやらせるシステムか。そうでないと、サンドラとファルファたちを同じクラスにすることはできないよね。

 そうっと、三人を後ろや横から見守る。透明なのでほかの生徒には見えない。
 子供が「なんか人の気配がする……。幽霊……?」とか言ったけど、気にしない。

 サンドラは文字の書き方を四苦八苦しながらやっていた。
 一方でファルファには男子生徒が話しかけている。むむむっ! 娘がかわいいからって、早速狙いに行ってるのか? 子供でもダメだぞ!
「わからないところがあったら、俺が教えてやるからな。だいたい来たばかりだとわからないのが普通なんだ」

「ありがとー!」
 ファルファはお礼を言ってから、ぱらぱら問題集をめくっていった。
「でも、この問題集だったら全部わかるから、いらないや。また、わからないところがあったら教えてね!」

「え……。最後までわかるのか……?」
 その男子生徒は唖然としていた。
 悪いけど、ファルファの能力、リアルに大学生には軽く匹敵するからね……。
「シャルシャもこの程度の算術なら、さすがにできる。次の問題集を所望する」

 ファルファと比べれば算数があまり得意ではないシャルシャすら、こんなところでは詰まらない。
 先生もそんなバカなという顔をしていた。でも、まだ半信半疑だ。

「じゃ、じゃあ……ファルファちゃん、この問題、ためしに前に出て解いてみてもらえるかな?」
「はーい!」
 ファルファは前のボードに答えをあっさり書いていった。

「これでできあがり!」
「そうだね……できてるね……。それじゃ、次の問題集を渡すね……。これだったらいい?」
「ファルファ、この問題集も全部できるから、いらないかな」
「ええと……さらに難しい問題集だと、今は手元にないから準備室から取ってくるね……」

 先生が青い顔をして、部屋を出ていった。
 しまった。逆の意味で授業崩壊を起こしてしまうんじゃないか……?
透明化の魔法は10月15日頃に出るGAノベル4巻のおまけエピソードで出てきます。なので時系列的にすでに習得しているという設定でお願いします!

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