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スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました 作者:森田季節

何かが生えていた編

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205 マンドラゴラが発見

54000点突破しました! ありがとうございます!!!
 やむなく、私たちもベルゼブブの庭に入ることになった。
 なお、私はハルカラと行動を共にしている。ハルカラを危険にさらす程度に危ない植物が生えていてもおかしくないからだ。
 その他、ベルゼブブとフラットルテも個別で捜索を行っている。

 今回、ハルカラにも来てもらっているのは、そのエルフの知識を借りるためだ。
「ハルカラ、マンドラゴラの特徴ってある? どういうところに生えてるとか」
「なくはないですけど、そのマンドラゴラ、明らかに移動できますよね。じゃあ、どこにいるかなんて読めないですよ」
 それもそうか。意思を持つ存在だもんね……。湿ったところだけに生えてるとか、そういうのないもんな。

「ちなみに、お師匠様」
「何、ハルカラ?」」
「なんかツルみたいなのが、わたしの体を縛ってるんですけど、これ、襲われてますか?」
「ハルカラ、早速、謎の植物に攻撃されてるよ!」
 触手みたいなツルを伸ばす植物に狙われていた。このツルぐらいは私が引きちぎったけど、油断ならないな……。

「いやあ、魔族の土地の植物は怖いですね~。あっ、そこのキノコが猛毒の胞子を出してますね~。迂回したほうがいいですね~」
「ハルカラ、あなた、森そのものにやけに狙われてない……!?」
 おかしいぞ。私が前に庭に入った時は、もっと平和だったのに。

 これぞ、ハルカラの体質か。
 本人の不注意とかそういう次元ではなく、危険のほうからハルカラに寄ってくるのだ。
 どんな星の下に生まれたのだと思うが、もう、そういうものだからどうしようもないな。

「すいません、エルフだけに植物には好かれているようです。あっ、あれは小さな動物ぐらいなら捕食して、溶かしちゃう植物ですね。こんなふうに手を伸ばすと――」
「試さなくていい! 試さなくていい!」
 このままだと、ハルカラを守るだけで手いっぱいになるかもしれないな……。ハルカラを連れてきたのは失敗か?

 だが、ハルカラは注意深く、地面に目をやっていた。
「最低でも、このへんにそのマンドラゴラが来た形跡はないですね。コケの生え方からして、何も足を踏み入れてません」
「ありがとう! そういう情報がほしかったんだよ!」

「それと、この大木、根がものすごい太いんですよね。この種類の大木付近は、地面付近の地中を進むことは難しいです。根っこにぶつかりますから」
 あっ、なるほど。ほかの植物の根が道をふさぐところはマンドラゴラも通りづらいのか。

「この木はいたるところにありますから、これが生えている範囲を消していけば、場所はしぼれるかもしれませんよ。根っこを使って歩けるかも知れないですけど、その場合はかなり目立ってしまうのでマンドラゴラも動くのを控えるでしょう」
「今日のハルカラは冴えてるよ! すごく賢い!」
「これでも本職ですからね。ここで活躍できなかったら、どこで活躍するんだって話で――あっ、またツルが巻きついてきました」
 よく、ハルカラ、今まで生きてたなと思いながら、ツルを引きちぎった。

 こうして私とハルカラは捜索範囲を狭めていった。
 だが、敵は人海戦術をとっている。魔女ごとに担当区分を決めて調べてまわっている。
 途中、何度も敵の魔女にも出会った。

「むっ……そなたが高原の魔女じゃな……。こんにちは、こずえの魔女です」
「あ、こんにちは……。高原の魔女です」

「あっ、貴様はあの高原の魔女か! はじめまして、ヤドリギの魔女です」
「あ、はい、どうも、高原の魔女です……」

 出会いはしたが、戦闘には発展しなかった。
 魔女って、一種のインテリなのか、応対はソフトなのだ。全体的に礼儀正しい。

 あと、ハルカラのようにちょくちょくツルで拘束されて行動不能になってる魔女がいたので、そういうのは安全だけ確保して、悪いけど放置させてもらった。敵の数は減らしておきたいのだ。

 そして、広い庭の捜索範囲もじわじわと狭まってきた。
 そこで私はエノと顔を合わすことになった。

「先輩、やはり、このあたりが怪しいと判断されましたね」
 エノは入念に足下に目をやっている。
「エノ、動くマンドラゴラは、ほとんど人間みたいなものなの。だから、そのマンドラゴラに危害を加えるような行為は止めさせてもらうよ」

「先輩、三百年物のマンドラゴラは純然たる植物です。そして、魔女のあこがれです!」
 むむむ……。認識の相違がある。たしかに植物といえば、植物だ。しかし、文化の違いて片付けるわけにもいかないんだよね。私にとって、一度遭遇した彼女は人間なのだ。

「三百年物のマンドラゴラは、葉っぱが実に生き生きと輝いていて、一見して高貴な植物とわかると言います。魔女として必ず見つけ出します!」
「悪いけど、そうはさせないからね!」

 私たちは互いに足下にきょろきょろ目をやる。
 こうなったら、エノより先に私がマンドラゴラを見つけ出す。
 私が先に取得すれば、ひとまずの所有権を主張できる!

 どうやら、ほかの魔女もこの付近が怪しいと判断しだしたのか、じわじわ周辺の人口密度が高くなってきた。
 さらにフラットルテもやってきた。
「こっちに人が多いので、なんかありそうと思って、やってきたのだ」
 あ、やじ馬的な発想か……。

 しかし、こうなると相手のほうが数が多い分、私たちが不利だ……。

「くそ……。このままじゃ……」
「あの、お師匠様、そのマンドラゴラは完璧に人間なんですね? 人の言葉も話すし、お師匠様を見て魔女と判断して逃げたぐらいなんですね?」
 一緒に捜索中のハルカラがそう尋ねてきた。

「うん、そうだよ。あれはどう考えても人間って言ってよかった」
「なるほど……。だったら、逆転の発想が使えるかもしれません」
 ハルカラは何か考えがあるらしい。

 次の瞬間、ハルカラは息を大きく吸い込んで――

「マンドラゴラさーん! あなたはピンチですよー! 生命の危機ですよー!」
 大声で叫んだ!

「あなたが助かるには、ここにいらっしゃる高原の魔女アズサ様に保護されるしかありませんよー! さあ、このアズサ様の胸に飛び込んでくださいっ!」

 そのハルカラの声は森の中をこだましていく。

 次の瞬間、視界に畝のようなものができるのが目に入った!
 地面にちょこんと葉っぱが出ている。以前、私が見た光景と同じだ。

「いたわよ!」「捕まえろ!」「速い!」「ちょっと! ぶつかる!」

 魔女たちがそれを捕まえようとするが、予想以上に速いせいか、全然止められない。むしろ、魔女同士で頭をぶつけてる有様だ。

 そして、それは私の目の前にまでやってきて、突如飛び出した!

 間違いない! あのマンドラゴラだ!

「た、助けてっ!」

 その子は、私にぎゅっと抱き着いてきた!

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