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スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました 作者:森田季節

エルフが来た編

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19 エルフが助けを求めてきた

今回から新キャラのエルフ娘が登場します! 新章突入な感じです!
 三百年、一人でスローライフをやっていたが、ここ最近、急激ににぎやかになった。

 理由は単純明快。四人家族になったからだ。
 というか、一人暮らしだとそもそも会話をしないから、ほとんどしゃべらないんだよね。ひどい日なんて、近所のコンビニの店員との会話しかない時とかあった。


店員「百八十三円です」
自分「あっ、ちょうどあります。はい、百八十三円」
店員「レシートのお返しです。ありがとうございました」
自分「はい、どうも」


 ――以上。日本時代の回想でした。
 こういう日は割とあるし、似たような会話しかしてないぞって人はけっこういると思う。

 その点、四人家族だと会話が多い。まず、あいさつだけでも三人にするわけだからな。

 今日の私はただいま、優雅に最近買った魔導書を読んでいる。

 昨日、当番の買い物も料理も終えたので、だらけていい時間なのだ。今日の昼食当番はライカだ。

「ほら、シャルシャ、見て! 畑で見つけたんだよ!」
「姉さん、よく見つけるね」

 そして、娘たちの遊んでいる声をBGMにする。精神的にも満ち足りていると言ってもいいのではないだろうか。

「これ、よく飛ぶよ!」
「あっ、本当。いい飛距離」

 でも、娘たちはいったい何の話をしているんだ? 飛距離って、紙飛行機でも飛ばしてるのか?

 私の本の前にバッタが飛んできた。

 飛距離って、これか!

「こらー! バッタを捕まえて家に連れてこないの!」

「はーい!」
「母さん、わかった」

 たしかに、この辺、草原だから、バッタも多いんだよな。
 でも、バッタを家に連れてくるのはやめてほしい。ジャンプされるとなかなか捕まえて外に出すのが大変なのだ。

「じゃあ、何を捕まえるー?」
「シャルシャはウサギがいいと思う」
「ウサギさんか。前、ファルファが触手を伸ばしたらかじられちゃったんだよね」

 そういえば娘が触手を出しているところ、あまり見たことないな。髪の毛を触手みたいに伸ばすことができるのだ。というか、頭髪に見えても厳密には触手らしい。

 娘二人は精霊でものすごく賢いはずなのだが、子供っぽい遊びをしている。童心も持っているんだろう。

 せっかくなので、娘のやり取りを見てみよう。

「では、姉さん、本でも読もうか?」
「うん、シャルシャが読んでくれる本、面白くて好きー!」
「それじゃ、ローレッタの『エルフ民族興亡史』第三巻の第五章第二節、『フラント州のクラー朝における商業政策』を読むから」

 専門書すぎるだろ。読み聞かせするジャンルでもない。

 そんな分厚そうな本はもともとこの家にはなかったので、シャルシャの私物らしい。
 本当に歴史学が好きだな、シャルシャは。

 ちなみにエルフという言葉が出てきたが、この世界にも当然エルフはいる。

 エルフによる大きな国家というのはないが、各地の森林地帯を根拠にして、自治を認められている小国家みたいなものがいくつかあるのだ。シャルシャの言っていたクラー朝という王朝みたいなのも、そういう小国家なのだろう。

 エルフは長命なことで知られていて、不老不死的な魔女とも仲がいい場合もあるが、私はこの高原から全然出ていないので、エルフの知り合いもいない。

 あと、そもそも、高原にエルフはあまりいないので、このナンテール州にはほぼ住んでいないはずだ。森がないこともないけど、エルフが生活するほどの規模ではないのだろう。

 ――どんどん、どんどん。

 扉がノックされている。

 いったい誰だろう。娘二人は目の前にいるし、ライカは台所で収穫した豆を使ったスープを作っている最中だ。

「母さん……シャルシャが出ようか?」

「うれしいけど、気持ちだけいただいとくね」

 最悪、私を攻撃する意図の奴が来る危険もあるからな。最強魔女の話題が一人歩きしている恐れもある。娘には行かせられない。

 私は慎重に扉を開けた。

「はい、どなたでしょうか」

 エルフの娘さんが涙目で立っていた。

 とにかく、異様にスタイルがいい。大きい胸、大きいお尻。
 しかもそのスカート、かなり短いな。とてつもない肉感的なエルフさんだ。

 もし、私の子供が男だったら、教育に悪いからあまり見せたくないぐらい、色っぽい。いやあ、その胸、私にちょっと分けてほしいかも。胸が重くて肩がこるとか一回ぐらい言ってみたい。

 まあ、そんな感想はさておいて。

「あの、どういったご用件でしょうか?」

 エルフって単語を娘から聞いた直後に来るとは思わなかったが、こういう偶然って割とよくある。たとえば鎌倉の本読んでた日に、テレビの旅番組で鎌倉出てた的なやつ。

「あの……助けてほしいんですぅ!」

 手を前に出して、そう言ったけど、その手の間に胸がはさまってるぞ。おかげでさらに胸が大きく見える。
 別に本人は胸を強調したわけではないらしい。女の私に色仕掛けする意味ないし、素なんだな。

「助けてほしい? 別にこのへんにオークはいませんが」

 エルフと女騎士が狙われると言えばオークだよね。

「オークからじゃないですよー! 上級悪魔のベルゼブブから助けてほしいんです!」

 ベルゼブブ。
 悪魔の中でもとてつもなく高位の奴だ。別名、ハエの王。
 もし、ゲームで出てきたら、ラスボスの手前ぐらいがふさわしいような奴。

 はっきり言って戦いたくなかった。

 ばたん。

 私はゆっくりと扉を閉めた。

 すぐにエルフさんにまた扉を開けられた。

「お願いしますよー! 高原の魔女さんぐらいしか助けてくれそうな人が思いつかなかったんですよー!」

「私だって、そんな怖いモンスターと戦いたくないです!」

 ちなみにこの世界では、大陸のはるか北側は寒くて生物がほとんど住めない地域になっている。
 その奥にモンスターの中でも知的な連中が国家みたいなものを作っている――らしい。
 寒すぎて、普通の人間は到達できないので、よくわからないのだ。

 過去には、人間の国家と争ったこともあるようだが、この五百年ほどは平和なはずである。なので、モンスターにケンカ売るようなことをしなければ、きっと、これからも平和なはずである。

 でも、そんなベルゼブブと接点もったら、平和が脅かされる気がする……。

「お願いですー! せめて話だけでも聞いてくださいー! 集落のみんなにお願いしても巻き添え食いたくないから出ていけって言われて、行く当てもなくなって……それで最強と名高い高原の魔女さんならなんとかなるかもって……」

「じゃあ、話を聞くだけ聞いたら帰ってもらえますか?」

「た、助けてくださいよー! ベルゼブブに狙われたら絶対殺されちゃいますぅ……」

 さすがに追い返すわけにもいかないか。
 やれる範囲で助けてあげようかな。あくまでもやれる範囲だ。モンスターの国家と全面戦争なんてことは家族四人の生活が壊れるから勘弁だが。

「わかりました。とにかく、話を聞かせてください。はい、中へどうぞ」
※家の中に本当にバッタがいて、びっくりしました。
一万五千点を超えました! それと週間1位もありがとうございます! 本当にありがとうございます!

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