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スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました 作者:森田季節

ベルゼブブの家に行く編

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196 ベルゼブブの家に行く

今回から新展開です!
 その日もベルゼブブが遊びに来ていた。

「今回のお土産じゃ。これは魔族の土地でも貴重な木の実じゃぞ」
「わーい! ベルゼブブさん、ありがとう!」
「いつもかたじけない」

 また娘を手なずけて、あわよくば養女にしてお持ち帰りする作戦に出ているな。
 そんなに娘がかわいいなら結婚して自分で作ったらいいのではと思うけど、三百年未婚の私が言う権利ないですね。人のライフスタイルに口を出すべきじゃないしね。

「わらわの屋敷にはいろんな山海の珍味が揃っておるのじゃ。なにせ、農相じゃからの。試食品サンプルとしてたくさん届くのじゃ」
 モロに役得だな。まあ、それぐらいで賄賂だとか目くじら立てなくてもいい規模のものなんだろう。

 そこで私はふっと、あることが気になった。

「そういえば、ベルゼブブってどんなところに住んでるの?」
 ベルゼブブはこの高原の家に頻繁にやってくるが、逆にベルゼブブの家にお宅訪問したことは一度もない。
「なんとも豪壮な邸宅じゃぞ。上級魔族じゃからな! 屋敷の外観を見ただけで、その威容に腰を抜かすことじゃろう!」
 ベルゼブブがわかりやすく胸を張っていた。ここまでストレートに自宅の自慢をする奴もなかなかいないぞ。魔族の中でも偉い存在だから、すごいところに住んでても不思議はない。むしろ、六畳一間みたいなところに住んでるほうが嫌だ。

「じゃあさ、一回行ってみていい?」
 一瞬、びくっとベルゼブブがうろたえたように見えた。

「あっ、ファルファ、ベルゼブブさんのおうち、行きたーい!」
「シャルシャもとても興味がある。ぜひとも拝見したい」
 娘二人も乗り気だ。二人とも普通の子供以上に好奇心旺盛というか、研究熱心なところがあるしね。
 何度も高原の家に来られてるんだから、私たちのほうが行く権利だってあるだろう。

「そ、そうじゃな……。ただ、近頃、リヴァイアサンの部下二人が忙しいので、移動の便をはかるのが遅くなるかもしれんのう……」
「この家、ドラゴンが二人いるから自力で飛んでいけるよ。移動速度だけならリヴァイアサンよりも速いし」
 部屋の奥のほうにいたフラットルテが「ブルードラゴンは高速なのだ!」と言っていた。できれば速度より安全第一でお願いしたいけど。

「むっ、そうか……。では日程を教えてもらえれば、事前によい宿を押さえておくこととしよう……」
「あれ? すごいお屋敷なんでしょ? 建物の余ってる部屋を使えばよくない?」
 ロザリーは幽霊なので無料としても、その他の家族全員の部屋代となると、それなりにかかるし。

 それと、このベルゼブブの取り繕いようは何かあるな。

「ベルゼブブ、あなた、意外と家が狭かったりする?」
 お金持ちに見えるキャラが実はそうじゃなくて貧乏というのは、日本のコメディだとよくあるネタだ。このベルゼブブも似たところがあるんじゃないか。六畳一間ってことじゃなくても、2LDKぐらいだったら、偉そうな態度取ってる手前、呼べないだろう。

「そんなことはない! わらわの屋敷は巨大じゃ! ご近所でも有名じゃ! そこに間違いはないわ! だいたい調べたらすぐにばれるようなウソなどつくか!」
 なんか猛烈に否定しだした!
 たしかに、実は家が狭いなら、ここまで露骨に大邸宅アピールはしないよな。

「じゃがな、大人数で遊びに来て、その分の宿を用意するとなると、こっちだって気をつかうじゃろ。じゃから、それならいっそ宿を手配しようかと思うたまでじゃ。そ、それだけじゃ……」
「あ、うん、なんか疑って悪かったよ……」
 大学生が下宿先に友達泊めるのとは違うしなあ。

 とはいえ、全体的にあまり来てほしくないオーラはひしひしと感じる。

「よーし! ファルファ、お泊まりセット用意しなきゃ!」
「枕が代わると眠れなくなるおそれがある。枕は必須。それと空き時間用の本も忘れずに」
 娘二人が行く気満々だから、もう後には退けないけどね。

「じゃあ、家族揃っていくね。こっちのお土産は『栄養酒』でいい?」
「そういうことはどうでもええわい。手ぶらで来い」
 いかにも心労があるといった調子でベルゼブブが答えた。
「帰ったら、準備じゃな。準備をしておかんといかんのう……」



 私たちはハルカラに会社の休日の都合を聞いて、正式に日程を決めた。
 ドラゴンの速度でも、途中、休憩や宿泊を入れながら向かった。なんだかんだで魔族の土地は遠い。

 その割にベルゼブブがこっちの土地に来るのは空間転移系の魔法を使っているせいもあるんだろう。実は一度、便利だから覚えようとしたんだけど、思った以上に面倒なうえに、発音が魔族特有の特殊なもので、どうも上手くいかないのだ。
 レベルは高くても発音まできれいになるわけではないので、魔族の魔法は使いづらい。

 あるいは単純に魔族がタフだから疲れないのか。それとも、私の知ってる魔族が例外的なのか。

 ちなみに途中、ライカとフラットルテが速度を競い出したので即刻中止させた。
「安全運転でいきなさい! 乗ってる人間がいるんだからね! ハルカラなんて泣いてるよ!」
「わたし、気が飛びそうになりました……。むしろ気絶して目覚めたら着いてたぐらいの感じがいいです……」
 やらかし体質のハルカラは、もしものことがあって落下すると困るので、ドラゴン形態になったライカの足との間に紐をつけてくくっていた。つまり、命綱だ。

「ハルカラの姉貴はこういうの弱いんですねえ」
 ロザリーは幽霊だけど、慣性の法則?に従っているのか、ちゃんとライカの上に乗ってついてきていた。

 そして少し肌寒くなってきたと感じた頃、遠くに魔族の土地が見えてきた。

「アズサ様、どのあたりに降りましょう?」
 ドラゴン形態のライカが尋ねる。

「そうだね。ヴァンゼルド城の北あたりでお願い。ベルゼブブの屋敷は、北側からのほうが近いらしいから」
 さて、ベルゼブブの暮らしぶりやいかに?
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