挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました 作者:森田季節

珍しくダンジョンに潜ってみた編

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

197/280

195 滝で町おこし

51500点突破しました! ありがとうございます!
「あのさ、ユフフママ、お願いがあるんだけど」
 特別な場所を汚してしまうかもしれないので、私は恐縮しながら言った。

「この滝を、観光名所として広めたいんだけどいいかな?」

 ブーガビー地下遺跡は伝説級の滝に通じる回廊だった――そんな話になれば、町にお客さんを呼び込めるだろう。この滝はここにしかない。ほかにたいしたものがなくても、人は滝のためにここに来るしかない。

 もっとも、一般人が来られるような場所ではないけど、そこのところは脇に置いておく。

「いいわよ。なにせ、道はつながってしまったわけだし、放っておいてもいろんな人がここに来ることは既定路線だもの」
 ユフフママは嫌な顔一つせずに了承してくれた。精霊はそのあたり、ふところが広いというか、細かいことは気にしない性格なのかもしれない。

「ありがとう。多分、村一つを救えるよ」
 私はぎゅっとユフフママに抱きついた。むしろ、気づいたら抱きついてしまっていたというのに近い。
 やはり、ママみがある。ユフフママのふところにいだかれていると、ほっとする……。

 そのあと、また、体の一部がぐっしょり濡れていたけど……副作用みたいなものだから我慢だね……。



 私たちはミミズを片っ端から凍らせて洞窟を上がって(帰りは方針を変えた)、村のギルドに戻ってきた。
 また女性職員さんがほかの冒険者に観光案内をしていたので、それが終わってから、そこに向かう。

「二つのパーティー合同で地下遺跡を完全にクリアしました」
 私たちは地下遺跡内の図面やダンジョン内で拾った戦利品(真相はユフフママの使ってない品の中でも、もういらないと言ってたもの)をごろごろ出した。

「……………………は、はい? クリア、なされました……?」
 しばらく女性職員は呆然としていた。

 そうか。地下遺跡をクリアされるということは観光資源の消滅と同じだもんな。喜べるわけもないか。

「はい。記録更新をしてからは比較的浅い階層で地上に出ました」
「あ、ああ……もしかして『ブーガビーの割れ目』に到達されたんでしょうか。巨大な割れ目として、地質マニアの方の間では知られているものだったんですが」

「だと思います。クリアしたので、なにか賞品みたいなものはもらえるんですかね?」

 横からベルゼブブが「スタンプラリーも全部集めたので、そっちも頼む」とスタンプがたまったものを差し出してきた。律儀に全部集めていたもんね。

「はい、少しお待ちを……」
 ふらつきながら、女性職員さんが持ってきたのは――

「ブーガビー特産の長ニンジンとか黄色大根です! フルーツみたいに甘いと評判なんですよ!」

 マジで特産品を持ってきたな!

 私たちが全部クリアしてよかったのかもしれない。レアアイテムやお金を求めてる冒険者にこんなの渡したら暴動が起こるぞ……。

 私たちにニンジンとダイコンの入った箱を渡すと、また女性職員さんのテンションは、がくりと下がった。
「しかし、地下遺跡が思いのほか浅かったとは残念ですね……。超古代文明であることがわかって、一気に大逆転、宇宙の神秘の町ブーガビーとして生まれ変わる予定だったのに……」

 もはや計画というより夢物語だなあ……。

「あの、すいません、可能であれば、観光協会の会長さんをお呼びしていただけますか?」
 女性職員さんの顔がこわばった。

「また、苦情でしょうか……」
 今、「また」って言ったな。
「『しょぼすぎる』とか『遠くまで来たのに期待はずれ』とか『ミミズが多すぎる』とかたくさん文句を言われてるんです……。このままじゃリピーターもまったく現れないですし、どうしようかと……」

 みんな、考えていることは同じだったんだな……。
「そんなに悪い話じゃないので、ご安心ください」


 やってきた観光協会の会長に、私はものすごい滝があることを説明した。
 その話を聞いた会長もテンションが上がっていたようだったが、また途中からダウンしていってしまった。

「大変ありがたい話なのですが……皆様のような優秀な冒険者しかたどりつけないのでは観光資源にはできません……」
「いえ、それなんですけど、地下十五層あたりで横穴を掘っていけば、崖のほうにたどりつきますから、崖に張り付くように下りていけばいいんです」

 そう、この廃鉱はどんどん崖のほうに向かってずれるように進んでいて、地下十五層あたりまで来ると、かなり『ブーガビーの割れ目』に肉薄していたのだ。

 ならば崖のほうに出てしまえばミミズやナメクジみたいなモンスターはそんなに出てこない。出てくるかもしれないけど、それぐらいの階層なら冒険者を雇ってどうにかしてください。

 話を聞いていた会長の表情もみるみる明るくなってきた。
「なるほど! ぜひともやってみます!」

「お役に立てたようでなによりです」
「本当にありがとうございます! 魔族とドラゴンの皆さん!」

 その言葉を聞いて、はっとした。頭に手をやると、ちゃんと角つきカチューシャがある。
 高原の魔女としてわからないように角をつけてたんだった。
「ドラゴンのアズザルドさん、助かりました!」
 けっこう、変装ってばれないものなんだね……。



 後日、ブーガビーの町はその滝を大々的に売り出した。その観光案内がうちに届けられた。特産のたくさんの野菜ととともに。

 大きく、「自然とロマンと滝の村 ブーガビー」と表紙に書いてある。ロマンってなんなんだ。

 まっ、人生初のダンジョン攻略をさせてもらったし、これぐらいは恩返しってことで。
 できれば、もうちょっとモンスターを倒しながら進みたかったけどね……。

 ただ、そこには変な伝承がつけらていた。

=====
数百年前、ドラゴンと魔族が来て、ここの下に素晴らしい滝があると住民に教えてくれたのです。その日以来、ブーガビーではドラゴンと魔族をあがめていました。その滝がついに再発見されました。
=====

 いろいろと盛られてるぞ!
 あと、悪魔崇拝っぽくなってる!

 これで村が不利益をこうむっても私は責任とれないので勝手にやってください……。
ダンジョン潜る編はこれにて終了です。次回から新展開です!

20161213_slaim_syoei01.jpg
GAノベルさんより発売中です! 5巻は2018年1月15日発売! 1巻は10刷を達成いたしました! ↑をクリックしていただければ紹介ページに飛びます!
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ