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スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました 作者:森田季節

珍しくダンジョンに潜ってみた編

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190 意外な遭遇

 地下の浅いところではまだ案内板なども豊富にあったが、このあたりまで来ると、情報もほぼない。来たことある人も少ないし、ギルドの職員さんも来れないだろう。
 そして、地下二十九階でこんな看板があった。

<次の地下三十階から地下遺跡です! お疲れ様でした! なお、凶悪なミミズなどが出てくるので気をつけてください! 浅い階層とは比べ物にならないほど、キレのある動きをします!>

「どこまで行ってもミミズじゃん!」
 そりゃ、冷静に考えたら、地中だから、そういう生物が多いだろうけど、もう少し敵のバリエーションが豊かにはならないのか。

「アズサよ、もう、そういう土地だと諦めるしかないわ。じゃが、このあたりまで来ると冒険者の姿もほぼないのう。せっかくじゃし、ダンジョンの底まで行ってしまうぞ」
「そうだね。コンプリートを目指すか」

 地下三十階へと続く階段はほとんどたて穴に近かった。おそらく、本来は崩落か何かでできたものを加工したのだろう。

 降り立ってみると、人の手がところどころに加わっていて、壁にも色が塗ってあったりする。それと扉もやたらとあって、一つ開けてみると、すでに中身をとられた宝箱が並んでいたりする。

「これは本格的ダンジョンだ!」
 私たちのやる気もアップした。さあ、いよいよ記録更新までカウントダウンだ!

 地下三十三階にも無事に到達。そこには「現時点での最高記録」と立て札が置いてあった。

 私たちはそのフロアもモンスターを回避しつつ、クリア。
 地下三十四階に到達。
 ここはライカがしっかりとダンジョンのマップを作成する。新記録だと証明してもらうためだ。

「ついに未踏の地にやってきたね。私もドキドキしてきた」
「ご主人様、宝箱もいいものがあるかもしれませんよ!」
 フラットルテもこれまでで一番楽しそうだ。そういえば、ゲームによってはドラゴンって宝物や黄金を収集する癖があるとか言うよね。

「謎の地下遺跡になってからドアのある部屋も多いし、開いてない宝箱もありそうだよね! 伝説のアイテムがあったりして!」
 ここから先は今までよりはるかに慎重にフロアをチェックする。そもそもライカがマップを作っていくので、駆け抜けるようなことはできない。

 そして、いかにもアイテムがありそうな小部屋を発見した。
 できればファルファとシャルシャにお土産にできるものが入っていればいいな~。

 しかし、すでに部屋の宝箱はきれいに開封されていた。

 どういうことだ?

「もしかすると、わらわたちより先に進んでおった冒険者がもう到達したのかもしれぬな。ほら、地下二十七階で聞いたじゃろ」
 ああ、木の棒でモンスターを突いている人たちがいたって話か。
「そういえば、そのパーティーには追い付いてないよね。どうせなら合流して、さらには抜きたい」

「なあに。こっちは一度たりとも戦ってないのじゃ。発見するのは時間の問題じゃ。これからも戦わずにダンジョンを制覇するぞ!」
 いや、戦わないのは結果論であって戦いたくないわけではないんだけどね。

 とはいえ、たまに出てきたモンスターはいまだにミミズだったので、戦う気は起きなかった。攻撃力は高そうだし、浅いところのより長かったり太かったりキレがあったりするけど、そんなこと知るかと逃げる。

「ええと、こっちじゃったかの……。ここがつながっておれば、撒けるのじゃが」
「ベルゼブブ、ミミズが追ってきてるよ。もう少しスピード上げて!」
 ミミズの素早さも上昇しているのか、ほどほどの速度だと離すことができない。

 だが、向かい側からもミミズがやってきた。
 しまった。はさまれた! 後ろからもミミズは元気に走ってくる。
 絶体絶命――――というほどではない。

「しょうがないか。ここは氷雪魔法でも唱えて凍らせるかな……」
 長らく一切戦わない選択肢を貫いてきたけど、そういう縛りプレイをしていたわけじゃない。魔法で倒すことは簡単なのだ。嫌だから避けてきただけで、戦い方はいくらでもある。

 魔法陣を描かなくても、こんなミミズを倒すぐらいの魔法は使えるだろう。

「みんな、念のため下がってて。まあ、あんまり下がるとミミズがやってくるけど」

 私はぶつぶつと詠唱を開始する。狭いところで炎を使うのはよくないし、凍らせるのが一番いいよね。

 でも、私の詠唱が終わる寸前に――
 前にいたミミズの体に廊下の死角から伸びてきた木の棒がぐさっと突き刺さった。

 ミミズはあっさりと絶命して、魔法石に変わった。
 あっ、魔法石になるんだったら触れるな。どこかに木の棒落ちてないかな。

 違う、違う。もっと大切なことがある。
 木の棒ってことは確実に私たちより先行していたパーティーだ。
 いったい、どんな人たちだろう。いかにもベテランって空気の人たちだろうか。でも、ベテランって木の棒で冒険するものだろうか?

 死角から一人目が顔を出した。

「あれ? アズサさん、それにベルゼブブ様じゃないですか」
 そこにいたのはリヴァイアサンのファートラだった。ファートラがいるということは――

「うわ! まさかこんなところで会うなんて! 奇遇ですね!」
 ファートラの妹のヴァーニアも続いた。

「げっ、アイテムの取り合いになるんでしょうか……それだともったいないですね……」
 さらに武道家スライムのブッスラーさん。

 この流れだと、次に誰が出てくるかだいたいわかった。
 最後に、「ほんとに奇遇ですねえ」と魔王ペコラが姿を現した。

 魔族パーティーが攻略してたのか!
 そりゃ、記録も更新するよ。ミミズに負けるわけないし。

 私たちを見て、ブッスラーさんが青い顔になった。
「あの、皆さん、もしかして素手でミミズやナメクジを倒してきたんですか……? それは汚いですよ……」
「武道家にその反応をされるのは納得いかない!」
「えっ、こういう汚いのは華麗に棒術で倒しますので」

 おっ、棒術の構えでも見せてくれるのかなと思ったら、汚いものをそうっと突っつくような動きだった。
 それ、棒術って言わないでしょ。

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