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スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました 作者:森田季節

珍しくダンジョンに潜ってみた編

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188 戦えない最強パーティー

ついに5万点を突破しました!!! 本当にありがとうございます!!!
 地下八階に降りると、突然ダンジョンぽくなった。

 とはいえ、狭い洞窟の中をモンスターがどこから出て来るだろうとびくびくしながら進むものとはちょっと、いや、かなり違う。

 天井も高い広めの空間の中に、いろんな建物が置いてある。
 ただ、どこも朽ち果てていて、廃墟になっている。わかりやすく傾いて落下しかけている看板まである。

「なるほどな……。これがテーマパークの成れの果てか……」
 遺跡という言葉には、五百年以上前のものでないといけないなんて縛りはないので、遺物の跡であれば三年前でも五百年前でも全部遺跡である。なので、これを地下遺跡と呼んでも何ら問題はない。

「さっきよりはマシではないか。モンスターもいかにもおりそうじゃ」
「よし! フラットルテ様が大活躍してやるのだ! すべてを凍らせてやるぞ!」

 フラットルテのテンションも急激に回復した。モンスターを倒して日頃のストレスを解消できるなら悪いことじゃないだろう。
 それに私のテンションも上がっていた。
 冒険者らしいことをするぞ! 宝箱を探すぞ!

 私たちのパーティーはおそらくこのダンジョンに入ってる中では最強なので、こんなところはサクサク進んでいけるはずだ。
 記録更新は地下三十四階からか。きっと、あっという間に更新できちゃうだろうな。

 そして、ついに私たちの前にモンスターが姿を現した。

 巨大なミミズだった。

「ああ、こやつは巨大ミミズじゃの。その体をムチのようにふるって襲いかかってくるぞ。地下に棲んでおる極めて初歩的なモンスターじゃ」
 ベルゼブブが丁寧に教えてくれた。名前が見たまんまだけど。

 私は一歩前に出る。
「よーし、こんな奴、すぐにやっつけてや――」
 その時、自分に足りていないものに気づいた。

 剣も槍も持っていない。
 つまり拳で戦うしかない。ペコラと戦った時も、私、打撃で応酬してたぐらいだしね。
 そして、私はミミズに素手で触れたりなんてしたくない。
 昔からこういうの、無理だったのだ。ダンゴムシとかも前世の幼稚園の時は触れたんだけど、小学校に上がったあとは、もう触れなくなってた。

 私は一歩後ろに下がった。
「おぬし、何がやりたいのじゃ」
「ベルゼブブ、私、剣がないから戦いたくない。パス」
「ああ、ミミズとかダメなタイプなんじゃな。……わらわも無理じゃ」
 ベルゼブブも後ろに下がった。そういえば、どこにも剣なんて持ってないように見える。

「ご主人様、フラットルテもこういうのは苦手なので」
 フラットルテも一歩下がった。あれ……。誰も手出しをしない流れ?

「しょうがない。ここはライカ――」
 ライカは寒い坑道に入った時以上に青い顔をしていた。
「アズサ様、我はお化けもこういうぬめぬめしたものも……合わない性分で……」
 私の背中にライカは隠れてしまった。その次元でダメなのか! ドラゴンなのに怖がる範囲が広めだ。

「ほ、ほら、炎を吐いちゃえば、ぶわーっと焼けちゃうんじゃない? ここ、空間として広いし火を使うのもアリかな~とか……」
「ミミズの前に立ちたくありません……。しかも大きいですし……。ああいうワーム系はダメなんです。キャベツを切ったら中に緑色の小さなワームがいたことがあって……しかも、ナイフでその虫が半分に……」

 あっ、それはトラウマになってしまうやつだ。

「ははははっ! ライカめ。ドラゴンとして恥ずかしいな!」
 とフラットルテはベルゼブブの後ろに隠れながら言っていた。説得力がない。

「わかったよ、ライカ。できるだけ配慮するから心配しないで。あなたは私の妹みたいなものなんだから」
「はい、ありがとうございます、アズサ様……」
 妹が怯えていたら、姉がどうにかしないとね。

「では、どうやって倒すのじゃ?」

 うん、当然そこが問題になる。そうだよね。

 …………。
 しまった。打撃で戦うことがメインのパーティーなので、武器がない。触りたくないような敵が来た場合、戦闘を行えない。
 地味に大きな欠陥があった。たしかにしゃべるミミズが勝負を挑んでくることなんてないから、これまで問題視してなかったけど、武器がないのってこういう時に不便極まりないぞ。

 ミミズはこっちを攻撃するタイミングをはかっていた。もうこっちの強さに恐れて、どっか行ってほしいが、そこまで知能高くなさそうだし、それは無理だろう。

「大丈夫だよ、ベルゼブブ。私に策があるから」
「ほう、どうするのじゃ?」

「逃げる」

 シンプルな方法こそ最大の成果を発揮するのだ。

「全力でここから離脱するの。私たちの能力なら簡単に逃げきれるでしょ?」
「……わかった。それでいくのじゃ」

 私たちは背中をくるっと後ろに向けると、

「みんな、走るよっ!」
 ミミズから全力で逃亡した。

 しかし、ここはダンジョンだ。またモンスターが行く手を阻んだ。

 ぬめぬめした巨大なナメクジだった。

「今度は巨大ナメクジじゃな。こやつは毒を持っておるから気をつけるのじゃぞ。もっとも、アズサは解毒魔法を使えるじゃろうが」

 いや、解毒がどうとかじゃない。それ以前の問題で絶対に触りたくないから。

「あれに素手で触れてもいい人は手を挙げて」
 もちろん誰も挙手などしなかった。こんなの、どんなムキムキの大男でも嫌だろう。

「よし、逃げよう!」
 またもや私たちは逃げ出した。

 そして、逃げるうちにこのダンジョンの恐るべき問題を知った。

 巨大ミミズと巨大ナメクジばかりに遭遇する!
 あと、なんか、カサコソ動くキモくてデカい虫もいる!

「そりゃ、そうだよね! 薄暗い地下なんだから、こんなのばっかり出てくる可能性もあるよね!」
 私たちは全力ダッシュでとにかく逃げた。

 途中、地下に降りる階段を見つけたので、降りた。
 その下のフロアもやっぱりミミズ・ナメクジ・キモい虫の三重苦だったので、下りる階段が見つかるまで逃げて、下に進んだ。その手法を繰り返した。

 超高速でダンジョンを下りるだけは下りている。
「待つのじゃ! 少しだけ止まれ!」
 ベルゼブブが叫んだので何かと思ったら、スタンプ設置台があった。
「二個目のスタンプゲットなのじゃ。次は地下十六階じゃな」

 こういうのはきっちりやるんだな。

 今、地下十二階まで来たな。よし、どんどん行くぞ! どんどん回避するぞ!
5万点突破、本当にうれしいです! ガンガンGAさんでのコミカライズ&スピンオフ、GAノベルともどもよろしくお願いいたします!

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