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スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました 作者:森田季節

珍しくダンジョンに潜ってみた編

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184 魔女・無職・無職・魔族

 さてと、変装は終わったので、次はパーティー決めだ。

 ブーガビー地下遺跡の攻略パーティーは四人一組で登録しないといけないのだ。
 理由はまっとうなもので、冒険者というのは少人数より多人数のほうが生存率が大幅に上がるかららしい。一人で行って、大ケガしたら絶望的なことになる。
 これは日常生活でもそうだよね。突然家で倒れてしまっても、一人暮らしだと助けを呼んでもらいようがない。でも、家族がいたら救急車に連絡ができる。この世界に救急車はないけど。

 主催者側も死者だらけなんてことになったら、キャンペーンどころじゃないし、翌年から開催することが難しくなるので、安全対策は徹底させてくるだろう。

「さてと、私とフラットルテは確定として、残り二人はどうするかな」
 ダイニングのテーブルでエントリーシートを眺めてたら、後ろにライカが来ていた。

「アズサ様、我も参加します!」
 ぶっちゃけ、ライカはどうせ参加すると言うと思っていた。
「あっ、やっぱり? ライカの力なら危険もないだろうし、入れとくね」

 問題はもう一人だ。
 娘は連れていけないし、ハルカラはガチで死ぬかもしれないし、ロザリーはルール上多分登録できないし。

 顔を上げたら、目の前の席にベルゼブブがとてもわくわくした顔で座っていた。

 わらわがおるじゃろう。わらわが、わらわが! って声が脳内に響いてくる……。
 むしろ、いつのまにやってきたんだろう……。ここ、私の家なんだけど。今更、ベルゼブブが勝手に入ってきてても、とくに驚きはしないが。

「あなた、魔族だよね。魔族がダンジョン潜って、モンスターを倒すっていいの?」
「じゃあ、おぬしは大きな魚が小さな魚を喰らうのも、大きな鳥が小さな鳥を喰らうのも全部共食いだからおかしいとか言うのじゃな? それなら、おぬし、一生、牛も豚も羊も全部食べるでないぞ」

 ああ、そうだよな。モンスターと魔族は実質、別物なんだな。
「でも、上級魔族が入るとかパーティーとして反則な気がするんだよね。チートすぎるんじゃ……」
「おぬし、鏡見てそのセリフを言ってみよ。そのわらわに勝ったのは、どこの誰じゃ」
 冷たい目で言われた。それもそうですね……。私が出る時点で反則だよね……。

「それとな、実のところ、あまりにも変なモンスターや周囲に被害をもたらすモンスターなどがおった場合は、魔族としても手を入れることにしておるのじゃ」
 少し、ベルゼブブは真面目な顔になる。

「自然発生したモンスターの中にも知能が高くて魔族と認められる者がおるかもしれぬし、人間の土地で過去に封印されてた魔族が復活するということもありうるのでな。そのダンジョンはまだ詳しい調査をしておらぬから、確認しておこうと思っておる」

「まっとうな理由もあるわけか」

 ライカも「ベルゼブブさんが来てくださるなら百人力です」と言っていた。千人力ぐらいの力はあるかもしれない。
「わらわに任せよ。一分の隙もないほどに完璧にダンジョンを攻略してやるわ」
 それ、ブーガビー側は人を呼ぶ資源がなくなって涙目になりそうだな……。

「じゃあ、四人目はあなたってことにしとくね」
 ベルゼブブと書き込んでいく。ちなみに私の名前の欄はまだ空いている。偽名が思いついてないのだ。それと職業欄もまだ埋めていない。ライカとフラットルテの職業って何だ? 戦士とか?

「どうせなら、かわいい名前がいいな~。でも、ドラゴンぽい名前ってどういうのかな~」

「あ~、もう、そんなの適当に書けばよいじゃろう! わらわが書いてやろう!」

 ベルゼブブが紙をひったくる。
 私の名前の欄に「アズザルド」と書かれた。

「ちょっと! やたら強そうじゃない! 完全にボスキャラ系の名前じゃん!」
「お前はこの世界のボスみたいなものじゃから、ちょうどよいじゃろ! 職業も適当でよいわ!」


 結果、こんなエントリーシートになった。

=====
  名前     職業  種族

1 アズザルド  魔女  ドラゴン
2 フラットルテ 無職  ドラゴン
3 ライカ    無職  ドラゴン
4 ベルゼブブ  農相  魔族
=====

「違う、何かが違う……」
 四人中二人が「無職」ってまずいだろう。あと、定職にはついてないかもしれないけど、この書き方、ひどくないか……?

「我って無職なんですね……。せめて家事手伝いとかにしていただけると、うれしいのですが……」
 ほら、ライカがショック受けてるし!

「それと、ベルゼブブ、あなた、自分の存在、隠さなくていいの?」
「わらわは自分に誇りを持っておるので何も隠す必要などないのじゃ」

 すでにこのダンジョン探索イベント、荒れる予感しかない。

「あ、そうじゃ、それとおぬしに聞いておこうと思ったのじゃが」
 ベルゼブブが不思議そうに私の顔を見た。

「おぬし、なんで、そんな角をつけておるのじゃ? そういう趣味に目覚めたのか?」
 しまった。角をつけたままだった。

「違う! 断じて違う!」
「ちなみに角の移植手術なら、腕利きの闇医者がおるから紹介するぞ。ちなみに闇医者というのは闇の技術に秀でた医者という意味で、正規の免許を取得しておるから安心じゃ」
「いらない、いらない! これはあくまで変装だから全然いらない!」

 ちなみに、その後、フラットルテが入ってきたけど、無職と書かれたことにはとくに何とも思っていなかった。
「まあ、ブルードラゴンってほぼみんな無職ですしね。むしろ、職業ブルードラゴンってことですかね」
 ブルードラゴンに定職につくという概念はないようだ。あんたらはあんたらで、もう少し体面を気にするべきではないかと思う。

 こうして、私たちはブーガビー地下遺跡を目指すことにしました。
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