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スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました 作者:森田季節

珍しくダンジョンに潜ってみた編

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183 角をつけてみる

「ご主人様、これですよ、これ! 行きましょう!」
 まるでテーマパークに行きたいと言い出す女子高生みたいに強く主張された。

「えー? なんか、怪しくないかな?」
「すごく地下も深いらしいし、きっと力試しになりますよ! 血がうずきます!」
 ブルードラゴンの集落の空気を見るに、血がうずくのはあながち間違いではない気もする。

「あっ! 興味をお持ちですか」
 ここぞとばかりにナタリーさんが話しかけてきた。ギルドも客商売だもんね。
「ナタリーさんは詳しいんですか? このブーガビー地下遺跡ってやつ」
「いえ、全然知りません。あっ、しまった、魔法石をカウントしている最中に話しかけちゃって、数を忘れました……」

 もう、ダメダメだな!

 そのあと、資料を引っ張り出してきてナタリーさんが教えてくれたことには――
 ここからかなり遠方の土地にブーガビー地下遺跡というのがあるという。まあ、そこまでは当たり前だ。問題はここから先。

「ここ、もともとは廃坑だったらしいんです。昔はかなり銀がとれたそうなんですけど、それも掘りつくしたとかで」
「なるほど。そこがダンジョンになってるわけですね。でも、地下遺跡なんですよね? 廃坑も遺跡と言えば遺跡だけど、ちょっとニュアンスが違うような」

「どうやら子供さんがたくさん来るようなテーマパークにしようとしたらしいんですが、辺鄙なところでお客さんが来なくて、つぶれたそうです」

 田舎の村おこし失敗事例みたいだなあ……。
 なお、この場合のテーマパークというのは東京を名乗ってるのに千葉県にあるアレとかではなくて、もっとこじんまりとしたもののことだろう。

「ですが、そこでやり手の村長さんが就任して、じゃあ、テーマパークの廃墟を地下遺跡と銘打って観光資源にしようと動き出したそうです」
「逆転の発想!」
「それで工事をしてたら、ものすごく深いところにガチの地下遺跡があることがわかったそうです。その攻略をしてくれる冒険者を募っているみたいですね」

 ウソから出たマコトということか。なんて、ややこしいんだ。

「イベントをやって冒険者をたくさん集めれば、村にお金も落としてくれるし、それで村はどうにかなるぞということらしいですね」
 ファンタジー世界の村にしてはアグレッシブすぎるが、この世界の人、全体的に思考が現代人に近いものを感じるので、そういうことを考える人がいてもおかしくはない。

「ご主人様、ぜひ行きましょう! そしてほかの冒険者たちを叩きつぶしましょう!」
「なんで冒険者同士で戦う欲望を持ってるの!?」
 ダンジョン攻略はデスゲームじゃないだろ。

 ナタリーさんは残りの資料に目を通していた。意外といろいろ書いてあるな。

「なになに、『成績優秀冒険者が登録したギルドにも豪華特典! 地元の英雄も生まれるかもしれなくて一石二鳥!』ですって!」
 ナタリーさんがじぃっと私のほうを見てきている。
 あっ、これは絶対に出ろって言われるやつだ。

「あの、たしかに私が出たらいい結果が出るかもしれないですけど、それはちょっと反則ですし……ギルドが経済的に儲かるために働かされるのはちょっと……」
「最高級小麦がたんまり手に入るんです! よろしくお願いします!」
 それぐらいなら、まあ、いいか……。

 とはいえ、これをやるとものすごく目立ってしまいかねないよなあ……。
 すでにちょくちょく高原の魔女の名前を高めてしまっているが、できればひっそりとやりたい。

「ご主人様のお気持ちはわかります。ですが、それならこのフラットルテに策があります!」

 もう、参加しないと言うのは無理そうだなあ。フラットルテの策に期待するとしようか。

 フラットルテの策はいいかというと、怪しい部分もあったものの、簡単な方法だったので、その点は評価することにします。



 私の頭には角がついている。
 あくまでもついているのだ。生えてきたわけじゃない。かつて、魔族のふりをする時に使った角付きカチューシャに似たやつである。

「ご主人様! よく似合ってます! どこからどう見てもドラゴンですよ!」
 フラットルテがそう言っているけど、話半分で聞くことにしよう。

 角をつけて変装すればばれないという、シンプルもシンプルな作戦をフラットルテは提案してきた。これでいけるのかどうか、まだ半信半疑だ。

 で、自作した角付きカチューシャを家族に見せて、反応を確認することにした。
 まずはライカの前に角を付けて登場する。

「どうら、ライカ? これ、似合ってる?」
 しばらくライカは石化したように硬直していた。

「あれ? もしかして、白けた? できれば感想はほしいんだけど」
「か、かわいいです……。とてもかわいいですっ!」
 顔を赤くしたライカに叫ばれた!

 それから、ライカはなぜか自分の頬を両手で触りながら、
「恥ずかしくて落ち着かないので出直します!」
 と言って、自分の部屋に戻っていってしまった!
 謎の効果で、これはこれで心配になる!

「あ~、ライカのやつ、角のかわいさに混乱したな。フラットルテももっと小娘の時代なら、照れて直視できなかったかもしれません」
「おいおいおい! この角ってドラゴンにとって何なの? そんな取り乱すものなの!?」
 だんだんと不安になってきたぞ!

 今度はハルカラに見せてみよう。ハルカラの部屋を訪れた。

「どう、ハルカラ、似合う?」
「お師匠様……変装する性癖なんですか?」
 違うわ。

「その角を削ったら薬になりそうですね」
 今度は今度で調薬師らしい発言で、なかなか参考にならなかった。

 ちなみにロザリーと娘二人にはかわいいと言われたが、かわいさアピールのためのものじゃないんだよなあ……。知ってる人に見せてもあまり意味がなかった。

 まあ、高原の魔女とはわからないと考えておこう。
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