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スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました 作者:森田季節

珍しくダンジョンに潜ってみた編

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182 世界三大地下ダンジョン?

『世界精霊会議』が終わって、また平穏な日々が続いた。

 その日、私はフラットルテと買い物に出ていた。
 途中に出てくるスライムをやっつけて魔法石を稼ぐ一連の流れ。

 フラットルテは横着して、尻尾を動かして、それでスライムをぱしぱしはじいてやっつけていた。
 いや、自分の体を使っているわけだから、横着でもないのか。あくまでも、キックやパンチみたいなものなのか。

「スライムが近づいてくると、自然と尻尾が動いてくれて楽ちんです」
「やっぱ、横着なのか!」

「いいじゃないですか、ご主人様。スライムと向き合ってしっかり倒さないといけないなんてルールはないですし、倒さないよりは倒したほうがいいですし」
「それもそっか……。まあ、フラットルテは弟子というわけでもないし、私も武道を教えてるわけでもないし、問題ないな」

 ライカが見てたら文句を言いそうではあるが、私の方針としては無理なく続けることが大事ということになるので、こういうのでも問題はないことになる。

「ふあ~~~~~~~~あ。しかし、あれですね。このナンテール州は平和ですね」
 大きなあくびをしながらフラットルテが言った。それにしても大きなあくびだな。いくらなんでもはしたないぞ。
 このあたり、フラットルテはだらしなく見えるが、ライカが真面目すぎるとも言える。

「ナンテール州ってモンスターも強くないしね。このへんだけじゃなく、州全体がのんびりしてはいるね」

 ちなみにモンスターというのは、別にペコラやベルゼブブといった魔族が管理しているわけでもなんでもない。
 広義では同じだけど、人間の社会に猿が入ってないようなものと言えばいいだろうか。魔族にとってこういう州で生活してるスライムなどのモンスターは野生の猿みたいな扱いだ。

 なので、この世界には今もモンスターがごく自然と出没するところがいくらでもあるし、それを倒すことを生業にしている冒険者も存在している。

 そういう現実がなければ、魔法石を買い取ってくれるギルドもなくなってしまうので、私たちもモンスターには足を向けて寝れない。植物がいないと生物が生きていけないようなもので、モンスターがいないとこの世界の社会も成り立たないのだ。

「う~ん、こうも暇だと、あれですね。たまには、すごく暴れたいなーって気持ちになりますね」
 高原によく似合う、からっとした声でフラットルテが言った。

「暴れるって、具体的にどういう意味?」
「ほら、モンスターを叩きのめしたりとか、ぶちのめしたりとか、そういうやつですよ。こっちに移ってから、ずっとおしとやかにしてたので体がなまっちゃうというか」

 あなた、人のいない森で素っ裸になったりとかしてただろうと思ったが、フラットルテからしたら、暴れなければ全部おしとやかというカテゴリーに入るのだろう。

 実はそこまで驚いたりはしなかった。ブルードラゴンの集落に行った時に感じたけど、マイルドヤンキー、いや、ガチなヤンキーみたいな思考の人がかなりいた。

「もっと祭りとかあればいいんですけど、このへん、祭りも少ないですしね」
 たしかにフラタ村のあたりって踊り祭りしかないんだよね。宗教的な行事はほかにもあるけど、それはわいわい騒ぐ系統のものとは別だ。祭祀とフェスティバルの違いというか。

 そんなことをしゃべっている間も、フラットルテの尻尾がスライムをまた倒していた。

「あ~、なんか好きなだけモノをぶっ壊すようなイベントないかな~。暴れたいな~」
 女の子の見た目と発言のヤンチャぶりとのギャップが激しい。

 しかし、ストレス解消をするのも健康には必要なことだし、私もなにかしらの対策を考えないといけないな。
 武術大会にでも出場させるか。ブッスラーさんは絶対に詳しいだろうし、今度聞いてみるか。

 自分の中で宿題を一つ課して、フラタ村のギルドに入った。
 受付のナタリーさんにぎっしり入った魔法石の袋を渡す。

「高原の魔女様、いつも、ありがとうございます。それでは数えますので少し待っていてくださいね」
「はいはい。ごゆっくりとどうぞ」

 集計の間、フラットルテは掲示板に貼ってある依頼の紙を読んでいた。いかにもな暇つぶしの行為だ。

 ただ、はっきりと言って、ろくな依頼はない。
 いわゆる便利屋的な依頼が大半だ。溝が詰まってきたので掃除してほしいとか、雨漏りがしているので修理してほしいとか。

 なにせ、ナンテール州はモンスターも弱い平和な州なのだ。だから、モンスター退治が緊急の課題になるなんてこともない。結果として、依頼にも結びつかない。

 いくら、フラットルテが暴れたかろうと、溝をきれいにしてストレス発散というわけにもいくまい。対策を考えないとなあ。

「あっ! これはいい!」
 フラットルテが大きな声を出した。フラットルテの声は普段からかなり大き目だけど、さらに一回り以上パワフルだ。

「どうしたの? そんな面白そうな依頼があった?」
「ご主人様、これです、これ!」

 私もフラットルテが指差した紙に目を通す。

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 ! の数が異様に多い。

「やたらと宣伝してきてるなあ……」
 とくに「世界三大地下ダンジョンとも言われている」って表現とか、だいたい超メジャーとは言いきれない程度のメジャーマイナーな存在が自分をほかの有名なのと並べる時に使う表現だぞ。

 私としてはうさんくささを感じているのだけど、フラットルテはそうじゃなかった。

「ご主人様、これですよ、これ! 行きましょう!」
 まるでテーマパークに行きたいと言い出す女子高生みたいに強く主張された。
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