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スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました 作者:森田季節

世界精霊会議編

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177 世界精霊会議に参加した

 感覚だけじゃなく、実際にうじゃうじゃと人たち、いや精霊たちが集まっていた。

 見た目は全体的に人間に近い。
 服装は女性はゆったりとして、ちょっと露出度高めのドレス姿の人が多い。舞踏会で着てそうな服というか。背中がぱっくり開いてる人もいる。脳内で想像していた精霊のイメージにかなり近い。

 男性精霊は上半身裸率と、筋肉ムキムキ率がやけに高い。
 これも脳内の勝手な精霊イメージに近い。あれだよね、ランプをこすると出てくる精霊のイメージ。
 ムキムキだから見せつけるために上半身裸なのか、上半身裸だから見せつけたくてムキムキにしたのか、どっちなんだろう。

 人間と比べると髪の毛の色がやたらとカラフルだ。多分だけど、青っぽい髪は水系の精霊で、赤っぽい髪は炎系の精霊ではなかろうか。

 あと、人間の姿をとってないものもいる。
 もじゃもじゃとした剪定されたツツジの木に目玉つけたような生き物とか、魔法少女のマスコットキャラ的なファンシーなのとかもいる。
 こいつらは何の精霊なのか、まったくわからない。うちのファルファとシャルシャがスライムの精霊という、相当イレギュラーらしき存在だし、見ても当てられないだろうな。

 で、そういう精霊たちがわいわいがやがやと談笑している。
 いつのまに、そんなに集まってきたのか、わからないけど、細かいことは気にしなくてもいいか。

「わー! すっごくたくさんいる!」
「これが精霊たち……」
 反応こそ違えど、娘二人も目を輝かせている。自分たちと同じ精霊がたくさん。これはいい刺激になるんじゃないだろうか。

「ファルファ、みんなとあいさつしてくる!」
 行動力のあるファルファは早々と走っていって、「こんばんは! ファルファって言います!」などと精霊たちに話しかけていた。
 コミュ力、高い! 間違いなく私の子供時代より高い!

 これと比べると、シャルシャは精霊たちの様子をうかがってはいるけど、自分から話しかけにいく勇気はないらしい。いや、勇気はないという表現はおかしいな。これが普通なんだ。私だって、フランクに話しかけにはいけないよ。

「シャルシャ、もし、あいさつまわりがしたいならママがついていってあげるよ」
 私はシャルシャに向き合うように立って、少し中腰になる。シャルシャの目線に合わせる。
「シャルシャは招待されてるわけだから、堂々としていてもいいんだからね?」

 すぐにはシャルシャは反応しなかったけど、「母さん、ついてきて、ほしい……」と言った。
「うん。じゃあ、順番にまわっていこうね」
 ぶっちゃけ、私もありがたいというか、自分が精霊でもないのにあいさつしに行くのは気が引けたし、シャルシャがいてくれると心理的に助かる。そういう意味では利害は一致している。

 でも、意外なところでシャルシャはシャルシャだった。しっかりしていた。

「こんばんは、スライムの精霊のシャルシャ……。今回が初参加……」
 あいさつしながら、シャルシャは自分の名前を書いたカードを渡していた!
 これは名刺配り! ほぼジャパニーズ名刺配り!

「ようこそ、精霊の集まりへ。滝の精霊のフォラーンです」
「火山灰の精霊のジャスヴァだぜ」
「積乱雲の精霊のミサミよ」

 向こうの精霊たちもあいさつを返す。思った以上にカテゴリーが限定的だな……。

「私はこのシャルシャの母親をやってます高原の魔女アズサです。保護者としてやってきました、よろしく……」
 こういう自己紹介って何歳になっても慣れないものだね……。

 すると、場が色めきたった。
「高原の魔女というと、ブルードラゴンも魔族も滅ぼしたという、とんでもない存在ですね!」
「あらゆる冒険者を葬り去ったって話だぜ」
「神に最も近い存在だとかいう話ね」

 盛りすぎ、盛りすぎ! 滅ぼしてなどいない! 今も平和にやらせてもらってるから!
 適宜、そのあたりの訂正は行いつつも、なんやかんやで私も受け入れられた。

「それにしても、皆さん、精霊ってかなり種類あるんですね」
 ひとまず女性の滝の精霊さんに話しかける。

「そうね。概念ごとにやたらと分かれてるからね。水系でも、水たまりの精霊とか、湧き水の精霊とか、地下水の精霊とか、温泉の精霊とか、川、沼、池、湖、淵、いろいろいるかな」
「細かく刻んでるんですね」
「だって、水の精霊とか漠然としてて、かつ、すごく強そうでしょ?」
「おっしゃりたいことはわかります」

 水をすべてつかさどる精霊って、明らかに職務とか多すぎると思う。そんなの、超自然の存在でも限界があるだろう。

「ちなみにだけど、スライムの精霊もジャンルとしては水系統の精霊だから」
「えっ!? そうなんですか!?」
 長らく娘二人と暮らしてるけど、考えたこともなかった!

「だって、スライムの体の99・99パーセントは水らしいから。もう、それは水でしょ、水」
「それだと、人間も七割ぐらい水でできてるし、かなりの種類の動物が水の管轄になりそうですけど……。とはいえ、言いたいことはわかります」

 スライムってモンスターなわけで、モンスターの精霊ってどういうことかなと思ったけど、水ジャンルの一つだったと考えれば、納得はいく。

「シャルシャたちは水ジャンルの精霊……」
 シャルシャ本人にとっても衝撃の事実だったらしく、胸に手を当てて、ちょっと呆然としていた。
「水ジャンルの精霊……なんか以前より偉くなったような気がする……」

「言いたいことはわかるその二! 水に関する精霊だって言うほうが、スライムの精霊だって言うよりは格が高い感じはするよね!」

 シャルシャはいきなり手を前に、ばっ、ばっと突き出していた。
 なんだ、中二病的なものか?
「水魔法は出ない……」
「それは、水系の精霊ってだけではダメかもね……また練習しようね……」
 シャルシャは私と戦うために、専用の破邪の魔法を使って、それ以降マナを使い果たしている。何十年かは魔法は覚えても使えないのだ。

 娘たちの真実が明らかになっただけでも、ここに来る価値はあったんじゃないだろうか。
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