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スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました 作者:森田季節

異世界でまんじゅうを作る編

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171 饅頭作って百回以上

44000点突破いたしました! 応援してくださっている皆様のおかげです! 本当にありがとうございます!
 豆があるから、これで餡子みたいなのを用意できそうだし、いわゆるお饅頭の皮は小麦粉を使ってた気がする。その次は、お餅だな。お餅だってこのもち米で作れるはずだ。

 ちなみに、スウィーツを作ろうとしている動機はファルファとシャルシャが喜んでくれそうだからだ。以上。

 料理は、私よりライカのほうが上手だし、ハルカラもとくに下手ではないし(たまに変なものが混入するけど)、「ママ、料理おいしい!」という褒め言葉をそこまでもらってないのだ。

 今でも褒めてはもらえてるけど、それはどっちかというと、作ってくれた人に対する感謝的なやつで、ものすごくおいしいというタイプの反応とは違う。

 なので、ここでお饅頭なんかをどーんと用意すれば、娘もお菓子作りが得意な母と認知してくれるのではないか。悪くない、悪くないぞ。

 でも、すでにこの世界に存在している可能性もあるからな。オリジナルですってドヤ顔して、パクリみたいな感じになったら恥ずかしいから、ちょっと調べておこう。

「ねえ、ライカ、ハルカラ、この土地の甘味ってどういうのがあるか知ってる?」
 ライカは首をかしげていたが、ハルカラのほうは「パリパリです」とどことなくあほっぽい回答をしてきた。

「なんでも、食べるとパリパリした音がするからパリパリというらしいです。幼児語みたいなものですかね」
「ふうん。それもちょっと食べてみたいな」
「メニューにあるんじゃないですか? 一般的な食べ物ですし」
 それじゃ、早速頼んでみようということで、店員さんにパリパリというのをオーダーした。

 出てきたのは、やけに表面積の広い薄っぺらい何かだった。
 なんか、たこせんをさらに平べったく広くした食べ物だ。食べると、ほんのりと甘い。そして、パリパリと音がする。

「おっ、これ、素朴な味だけど案外いけるね」
「お酒のつまみにもなりそうですね」
「ハルカラ、すぐつぶれるくせに、お酒にこだわりは示すよね」
 そんなハルカラとのやりとりの横で、ライカは黙々と食べていた。こういう食感がライトなお菓子ってひたすら食べたくなるのはなんとなくわかる。

 ただ、私の想像している甘味とは想像以上に違うな。
 そのあと、レストランの店員さんに、この土地で蒸す工程のある甘味ってありますかと聞いてみたが、ぱっと出てこないという反応だったので、多分大丈夫じゃないだろうか。

 よし、饅頭はおそらくないはず。
 あれ、たしか日本には室町時代頃に中国からマントウが入ってきて、なぜか日本では餡子を使った甘いものがメインのものとして定着したんだよね。今は饅頭とあんまんや肉まんはまったくの別物だけど、先祖は大体同じのはず。

 ついでに言うと、多分あんパンも饅頭の親戚だろう。小麦粉で皮を作って、中に具をぶち込むという発想が一致している。ヨーロッパにああいうパンはない。

 スウィーツ系の知識は比較的ある私です。

 一方で、餅系のお菓子はもち米があるので、この世界でもどこかにありそうだけど、著作権とかないから、堂々と売らせてもらおう。オリジナルと言わなければ問題はない。

「二人とも、あとで豆を売ってるお店を探すから」
「あ~、豆も健康にいいのが多いですもんね~」
 ごめん、ハルカラ、今回は私のほうが動機が不純かもしれない。

 そのあと、私はできるだけ小豆に近そうな、赤っぽくて甘そうな豆を探して、ついでにその土地のもち米も割と多量に購入した。
 二人には、南方の料理を家庭でも再現する気だと思われたようだけど、そうじゃない。



 帰宅した私は、早速、餡子と饅頭の皮作りの試行錯誤を重ねた。前世が職人でもなんでもないので、何度も失敗して覚えるしかない。しかし、幸い勤め人ではないので、時間はたっぷりある。

 ハルカラが「お師匠様がとてつもなく真剣に何か作ろうとしています!」とこっちに無意味な罪悪感を背負わせてきたけど、それ以降はとくに問題なかった。
 なお、失敗でできたものは、おなか減ってたらとりあえずなんか食べたいというフラットルテに食べてもらった。

「ご主人様、少しずつおいしくなってきている気はします」
「それはよかった。なんとか完成まで持っていくからね」

 餡子作りは比較的早くどうにかなった。砂糖とか蜂蜜とかで甘くして、豆を煮詰めると、それっぽくなったのだ。いやあ、甘くする材料って偉大だよね。

 しかし、皮が難しい。小麦粉だけでは上手くふくらまないのだ。
 もしや、ふくらし粉がいるのか? 結論から言うと、多分いるしあればほしいけど、どこに売ってるのかよくわからない。
 あるいはこうじで発酵させてふくらませる? 麹こそ、どこにあるのか謎だ。
 山芋を入れたら、どうにかなるかな……? たまに山芋入れてる饅頭ってあったし。でも、山芋もどこに自生しているかよくわからない。

 結果、べちゃっとした皮が何度もできて、それはそれで食べられるということで、フラットルテに全部食べてもらった。

「もうちょっと、しっとり感がほしいですね」
「わかる、どうにかするから待って」

 そして、いいかげん嫌になるほどの試行錯誤の末――
 私は完璧な配合を編み出した!

 これは企業秘密ということで、あまり広めないようにしよう。秘伝があるのも魔女らしいから、別にいいだろう。

「食べたらちゃんと饅頭になってる! ふふふ、ふふふふふっ! やった、やったよ! これは一世一代の力作だ!」
 私のテンションも最高潮!

「よかったですね! ご主人様! 百十八回目でついに成功ですよ!」
「フラットルテもありがとう! あと、失敗回数数えてたんだね……」

 その後、ロザリーが出てきて、フラットルテに見てもらう前にも五回失敗してるので、百二十三回目と訂正してくれました。スライムを三百年倒し続けると何かが変わるように、饅頭も作り続けることで、完成に至るのだ。

 さて、まずはファルファとシャルシャと食べてもらおう――と言いたいところだけど、ずっと見守ってくれてたフラットルテにまず、最初のを献上する。

「はい、どうぞ。まだ、蒸したてで少し熱いけど」
「フラットルテは猫舌なので気をつけます。冷たいのは大丈夫なんですけど」
 冷気、口から吐くものな。

「おっ! これはおいしい! 今まで食べたことのない新しい食べ物ですよ!」
 よし! 次は娘二人だ!
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