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スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました 作者:森田季節

ブルードラゴンの里帰り編

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157 ブルードラゴン五十人抜き

 こうして、広場で力比べをすることになった。
 アームレスリングとかであれば楽でいいんだけど、いつのまにか巨大な青っぽい体のドラゴンがずらっと並んでいた。ガチで戦闘形式でやるらしい。

 ほぼ集落にいる人間全員が出てきているようだ。中にはパジャマ姿のままの人までいるし、巨大な旗を振ってる人までいる。

 広場の近くに仮設のテントが建てられて、そこが私たちの控室ということになった。

「ご主人様、基本はボコボコにしてもらってかまいません。戦って負けても恨まれたりしませんから。ただ、角だけは触らないでください。みんな、ご主人様のしもべになると集落が崩壊します」
「うん、それは肝に銘じる……」

 ライカは盛り上がってる様子を見ながら、渋い顔をしていた。

「アズサ様、こてんぱんにやっつけてしまってください。でないと、そこの方が侮られることになりかねませんから」
 ライカの視線がフラットルテに向かう。
 それは、ありうるな。私がたいしたことないと、私に負けたフラットルテもたいしたことないことになってしまう。家族が侮辱されるのは防がなければならない。

「それに、もしかしたら勝てるかもとか思ったら、また力比べに来ますよ。ドラゴン同士での間に不戦条約は交わされていますが、アズサ様との間には何もありません。毎日のように、暇つぶしで高原の家に力比べに来られるおそれがあります」
「渾身の力を振りしぼって戦う」
 で、戦いに行くまでもなく、絶対にかなわないと認識させよう。それしかない。

「じゃあ、そろそろ時間のようですね。審判はアタシ、フラットルテがやります」
「それ、公平性に問題があると思うけど、私が圧勝すればいいのか」

 私は広場に出ていく。歓声がすごい。というのも、ドラゴン形態になってるのがけっこういるからだ。空を浮遊しながら観戦しようとしている人もいるので、至るところに巨大な影ができている。

「第一試合は、フラットルテの母親だな。カインレスク、カインレスク!」
 正面にいたドラゴンが一歩前に出てくる。
「いきなり親御さんって、やりづらすぎるだろ!」

「やっぱ、疲れる前の新鮮な状態でやりたいから、娘に頼んでこの順番にしてもらったの」
 審判に口利き頼んでるのって、どうなんだろう。あと、新鮮って表現が刺身みたいで、ちょっと気になる。

「では、試合はじめるのだ!」
 私はすぐにドラゴンに向かって走る。向こうも走ってくるので、ちょうどよかった。
 これは冷気吐いてくるな。

「いっせーのーでっ!」
 その前におなかにあたる部分をぶん殴った。
 ずがんっ! ちょうどいい弾力の衝撃が腕に来る。
 そして、ドラゴンは空のずっと彼方に飛んでいった――とまで言うと言いすぎだけど、放物線を描いて、集落の外側あたりに落下した。

「おかん、立てるか、立てるか? 立てないな。よし、ご主人様の勝利なのだ!」
 フラットルテが私の手を高々と挙げた。ひとまず、こんな感じで続ければいいのか。
 観衆から大声の歓声(ドラゴンなのでほぼ咆哮)が上がる。楽しんでもらえているようなら、よしとしようか。

「よーし、次の対戦相手はフラットルテの父親であるアルメシタン、アルメシタン!」
 もうちょっと公平性とか考えたほうがいいよ! それとも、かえって正々堂々としていると言えるのか?

「久しぶりに暴れるぜ! 魔女様、覚悟しとけよ!」
 本当に血の気の多い人たちだ……。レッドドラゴンの苦労もしのばれる。

 今度の父親は最初から冷気を吐いて攻撃してきたので、火炎の魔法で防ぐ。

「なっ! 詠唱も魔法陣もなしにこの威力だと!」
 観客の誰かが解説役らしき発言をした。
「たしかに火炎の魔法でコールドブレスを防ぐのは一般的な方法だ。しかし、たいていは魔法陣の作成や詠唱が間に合わないので、すぐに使用できるコールドブレスを止めるには威力のほうが足りない。やはり、あの魔女、本当の強者だな!」

 誰かわからないけど、解説ありがとう。
 さて、ずっと防ぎっぱなしでもしょうがないので、ここから一気に距離を詰めて、加速したうえでのキック!

 今度は吹き飛んでいくということはなかったけど、体が傾いて、そのまま親御さんが倒れた。

「くっ……なんという威力だ……。こりゃ、娘も勝てねえわ……。問答無用の一撃だわ……」
 ご理解いただけたようで、なによりだ。
 また、「すごいぞ!」なんて声が上がる。力が正義というの、なんとなくわかる。私がブルードラゴンを倒していっても、全然屈辱だとか思わないらしい。強ければ何をしても許されるようなところすらある。

「よーし、どんどん行くぞー。次はフラットルテの叔父にあたるバルダンド、バルダンド」
「フラットルテ、縁故で選ぶの、いくらなんでも極端じゃないかな!?」

 しょうがない。もう、このドラゴンたちを全部片付けていくしかない。これもすべてはフラットルテのため――かどうか、全然わからなくなってきたけど、戦うしかないという部分に偽りはない。

 それから先も私は延々と戦って、五十人抜きを達成した。
 事細かに数えていたわけではなくて、解説ポジションの人が「ついに五十人抜きをやりやがった!」と教えてくれたためだ。

 ちなみに、私のほうはとくに疲労もない。ほぼ一撃で決めているからだ。力をこめずに放った攻撃では一発KOはできないけど、しっかり走り込んで全体重を乗っけるようにすれば、それが必殺の一撃になる。

「さてと、そろそろ戦う相手もいなくなってきたな。ご主人様の強さは本物ということなのだ」
 フラットルテが私よりドヤ顔していた。一応、あなた、審判なんだけどね。
 まだ戦ってないドラゴンも残っているが、誰それが負けたようじゃ自分は無理だといった声が聞こえてくる。多分、倒した中にブルードラゴン界における実力者がいたんだろう。

「じゃあ、これでおしまいかな。一仕事終わったよかったよ」

 しかし――意外な人物がつかつかと対戦相手用の持ち場に入ってくる。

 それはライカだった。

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