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スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました 作者:森田季節

アズサの体に異変が!?編

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136 世界樹を目指すことに

「お待ちしておりました♪」
 ペコラにばれていた。ものの見事にばれていた。

「ふふふ、魔王の力を見くびられては困りますよ。ふふふ、ふふふ~」
 うわあ、無茶苦茶楽しそう。心の底から楽しそう。
 一方、私はとても暗い顔をしていた。もう、絶対にもてあそばれるじゃん……。

 そして、三十秒と経たないうちに、立ち上がったペコラに抱えられてしまった。もう、好きなようにして。だんだんと慣れてきた。

「いやあ、お姉様がこんなにかわいくなるだなんて。こんなに小さいんじゃ何もできないでしょうから、わたくしが一生面倒見ないといけないんじゃないでしょうか?」
 ぞくぞくっと寒気がした。この子はそういうことを本当にする危険がある……。

「あなたに一生迷惑かけるわけにはいかないから、ぜひ元に戻りたいんだけど……」
「え~、そんなのもったいないですよ。少なくとも、わたくしが飽きるまではこのままがいいですね~」
 だから、その基準が危ない権力者なんだよ!
 自分が飽きるかどうかをラインにしないでくれ!

「ですね、それではお姉様の親族に聞いてみましょう」
 また、にやっと黒い笑みをペコラが浮かべた。この悪魔め……。

「ファルファちゃんとシャルシャちゃんはママがこのままでいいと思いますか? それとも元に戻ってほしいですか? ちなみにママがこのままである間、お菓子を好きなだけお送りします」

「う~ん……どうしよっかな……」
「究極の選択。シャルシャは『生きるべきか死ぬべきか』というものに等しい悩みに直面している」

 うわっ! 二人ともお菓子程度で買収されそうになってる!

「お二人とも、こんなかわいい妹がほしいとは思いませんか? でも、このままママと暮らしていても妹ができる可能性は多分できませんよ?」
「うん、ファルファ、シャルシャ以外の妹がほしい! 妹らしい妹がほしい!」
 生々しい意見だけど、わかる! シャルシャの発言は妹っぽくない。
「シャルシャも妹と触れ合うことで情操教育を受けるべきかと思っている」
 情操教育受ける人間が情操教育とかいう表現使うのおかしいだろう。人格的にかなり完成されてるじゃん……。

「ファルファ、シャルシャ、ママを助けて! ママは元に戻りたいよ!」
「おやあ、お姉様、泣き落とし作戦ですか?」
「ペコラ……あなた、こっちの発言だけネガキャンでおとしめてくるなよ……」
「魔王ですからね~♪ そりゃ、昔は人々にとって恐怖の象徴でしたから~♪」
 ものすごく楽しそうなペコラ。まあ、この子にばれちゃった時点でどうしようもない。

 ファートラとヴァーニアの二人組もこれはやってしまったという顔で立ち尽くしている。自分たちの主人に怒られるとでも考えているんだろうか。

「はい、冗談はこれぐらいにして、お姉様を復活させる方法を提案いたしましょう」
 よかった。ちゃんと協力してくれるらしい。

「ありがと、もしかして本当に閉じこめられるかと思ったよ……」
「お姉様、わたくしは血も涙もあるんですよ」
 ぷく~とほっぺたをふくらませてペコラに抗議された。

 すると、ペコラのお付きの魔族たちが布製の地図を私の前に広げた。

「解毒作用ということであれば、世界樹にのぼって最上層の薬屋さんに行くのがいいかと思います。そこでなら、古今東西、どんな薬でも取り扱っていると言いますから。それなら、どんな毒だって取り除くことができるはずです」

 世界樹か、いかにもファンタジー的な代物だ。そういうものがあることは私も聞いたことがある。
 とはいえ、伝説上の存在だった。なにせ人間の住む土地から離れすぎているのだ。
 魔族の土地の中でも、ヴァンゼルド城から相当遠いところにある。北方にしては広い森にぽつんとその木はあるらしい。

「やっぱり、そういうところまで行かないとダメなんだ」
「急がば回れですよ。そこに行って改善が見込めない可能性はありません。うさんくさい治療法を試すよりはこっちのほうがいいでしょうし。古来から、効き目も怪しい民間療法や呪術的な方法なんていくらも知っていらっしゃるでしょう?」

 こう言われると折れるしかない。
 たとえば中世ヨーロッパでも長らく体の悪いところがあったら、瀉血しゃけつといって、血を抜いていた。悪い血を抜けば健康になると思われていたのだ。結論からいくと、それで別に体はよくならない。たいていの場合、体が衰弱するだけだろう。

「わかった。じゃあ、この世界樹にのぼってみるよ。構造を軽く教えてくれる?」
「お姉様のお願いとあらば聞かないわけにはいきませんね」

 ペコラの説明によると、世界樹の内部は空洞になっていて、一言で言えば巨大建造物みたいなものだという。
 それぞれのフロアに多数の人間が住み着いているという。人口比は魔族が四割、エルフが四割、ドワーフが二割だとか。

「じゃあ、建物をどんどん上に進んでいけばいいのか。それなら楽勝じゃん」
「でも、世界樹の中はとても複雑な迷路みたいになっていまして、百八階と言われている最上階にたどりついた人は下のほうの階層の住人にもそんなにいないと言います。途中には、凶暴な野生動物が出没するエリアもたくさんあります」
 なるほど、とんでもだい規模のダンジョンってことだな。

「別にいいよ。たまには冒険するのもいいんじゃないかな」
 私の能力ならなんだかんだで最上階まで行って、解毒の薬を入手できるだろう。

「わかりました。それではヴァーニアさんに世界樹まで飛んでもらいましょう」
 にこりとペコラが微笑む。
「あっ、行かないと行けない流れですか……。まあ、ですよね……」
 けっこう、嫌そうだな……。

「妹だけでは心配なので、私も同行します」
 ファートラが手を挙げた。
「ちなみにベルゼブブ様は政務をさぼった影響もあったせいで、今は激務なのでご同行できません」
「あ、うん……。ご迷惑おかけしました」

 ファルファが行くとすぐに言い出そうとしたけど、それは気持ちだけ受け取っておく。

「二人がいって危ない場所もあるかもしれないし、ここで留守番しててね」
「そうですね。二人が残っていればベルゼブブさんも納得しますもんね~♪」
 ペコラはやっぱり発想がエグい。
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